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Connected Stories ~繋がる物語~  作者: requto
第4章 魔獣・神狼
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第五十三話:必死に依頼を渡そうとする受付

語り:レクス


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

バウンサーの依頼は基本的に自分で選ぶ

名の知れた旅団だったり個人だったりすると指名依頼はある

間違っても、新人レベルに指名依頼を渡そうとする受付はいない

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

「というわけでレクスさん!この依頼をどうぞ!!」

そう言って笑顔で依頼表を差し出してくる受付嬢。お名前はリュンさん。

少し年上だと思うが、女性の年齢を正面切って聞く愚行は侵さない。

赤髪ショートヘアーでスタイルはボーイッシュ。元気という言葉を顔に書いたんじゃないかという笑顔。

印象はとても明るい接しやすそうな受付嬢さんだと思う。

しかし・・・しかしである。


「ソロ活動して1年たってないような相手に、進んで依頼表渡そうとしてくるのはどうかと思いますよ?」

前回それなりに濃い内容の依頼を達成してきたとは言え(依頼受けたわけじゃなく首突っ込んだだけという話は置いといて)、そんな相手に・・・しかも初めて数か月は魔物討伐依頼を受けさせてもらえなかった相手に渡す依頼表ではない。


依頼内容:森に出没した巨大魔獣の調査・可能であれば討伐

報酬:調査のみの場合1000ゼル

   討伐完了の確認が取れた場合追加で5000ゼル

募集条件:ギルド受付が決めます!


最後だけ力強く書いている、不審な依頼表である。

依頼人の欄は空欄。なのに破格レベルの報酬。

魔獣討伐達成で5000は異常だ。通常だと0が1つ少なくなる。巨大魔獣の場合だとしても、調査のみの場合の価格くらいが最高額になるだろう。つまり、かなり厄介な魔獣の可能性がある。

そんな魔獣討伐の依頼表を間違っても僕に渡そうとするのはおかしすぎると思うしかない。


受けるつもりが起きないので、隣にあった薬草採取の依頼表を掴んで差し出した。

「こっちでお願いします」


近場だったのでその日に完了。受付さんが休憩中に完了報告あげてこの日の活動は終わった。




翌日


「おはようございます!レクスさん!早速ですが、とてもいい依頼がありますよ!」

昨日と同じく、元気な笑顔が迎えてくれた。

昨日と同じ、やばそうな依頼表と共に。

受付に行く前に、掲示板でつかんだ「小型魔獣討伐」の依頼表を持っていく。

「こっちでお願いします」

「・・・こちらのほうが破格ですよ?儲けれますよ?どうです?」

笑顔のまま首をかしげて依頼表をずいずいと。

「いえ、こっちでお願いします」


結果は昨日と同じ。さっさと討伐して完了報告あげて逃走した。



さらに翌日



「おはようございます、レクスさん。本日は貴殿ような方向けの依頼がありまして、よろしければいかかでしょうか?」

昨日と同じ笑顔なんだけど、口調が変わってた。

面白い受付嬢さんだな。きっとファンがいたりするんだろう、こういう方なら。

差し出される依頼表は変わってなかったけど・・・。

手ごろな依頼表を掴んで受付へ。以下同文。




そして次の日


「・・・」

なんか、昨日までの笑顔が涙目になって依頼表を両手で差し出すようにしてまっていた。

・・・しかたない。とりあえず

「この情報だけじゃよくわからないので、詳しく教えてもらえませんか?あと、なんで僕にやたらと依頼表を渡そうとしてくるのかも含めて」

「・・・はい!喜んで!」

涙目だったが、笑顔は明るくなったように思える。


「まず、この依頼をお渡ししようとしていたことから説明します。ぶっちゃけ、レクスさんの活動期間を考えると不審になるは間違いないと思います。ただ・・・この依頼に関しては、正直に言いましてバウンサーを選んでる余裕がないのです」

「選んでる余裕がない?それはいったい・・・」

「この国で活動している多くのバウンサーが別の大がかりな依頼・・・魔獣討伐に向けて引っ張られまして。活動しているほかのバウンサーは魔獣討伐の経験がレクスさんより浅い者ばかりなのです」

それは・・・切羽詰まりすぎじゃない?

「はい。さらにこの依頼は発行するまでにかなりの被害がでているようでして・・・魔獣討伐の経験が一定以上の人物を集めるように言われているのです」

なるほど。小型、中型相手はそれなりにやってきたしな・・・だから条件達成ってことで声かけられていたのか。

「次に依頼の詳しい内容ですが・・・」

そこから語られたのは、東側にある強大な森に巨大魔獣が出没したということ。くしくも、先のバウンサーが駆り出された魔獣討伐の対処の流れが、組合で正式に決まって依頼を出された翌日に発覚したそうだ。その時点ですでに村が一つ失われており、討伐に向かった中堅パーティーが壊滅。

慌てて依頼の条件を検討したが、その前にほとんどの者たちが前述の依頼を受けて移動開始していたのであった。

ただ、そのほとんどがこの国で活動しているバウンサーだったので、こちらの依頼は「他国から来たバウンサー」で条件達成者に頼むことにしたというわけであった。

「報告を聞く限りだと、恐らく大型の狼型ではないかと思われますが・・・詳しい情報がほとんどなくて、かなり危険が伴うという事で国より提示された報酬額がこちらになるというわけです」

国主導の依頼だったのか。それで報酬が破格だったのね。

それほど、国も早期解決を目指したいということかな・・・。


なるほど。


「じゃあ、この依頼受けます」

「いいんですか!?」

「先ほどの表情からして、ほかに受けたバウンサー達がそろそろ行動に移そうとしているからとかじゃないです?だから一人でも追加を送りたかったと」

「・・・はい」

「なら、これ以上の時間を使うわけにもいかないでしょうしね。・・・というか先に説明してくれてたら初日に受けてたかも」

「・・・うっ」

「ぶっちゃけ『緊急の対応が必要で人員集めている依頼』ということと『話だけでも』くらいを先に付けておいてくれてましたら、初日に受けてた」

「・・・はい・・・次の時の参考にさせていただきます」

そんな、次々と起こってほしくなさそうな案件だけどね・


というわけで、初の巨大魔獣討伐依頼を受けることになりました。まあ、受けるにあたって注意事項というか場合によってはこういう行動にうつるという許可もらっておいたけど。


ぶっちゃけ、そうなる可能性が一番高いと思ってる。


こんな受付が一人くらい出てもいいだろうと思って出した。後悔はない。

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