閑話:湖と森で起きた異変
語り:--
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その国は3種類の資源によって成り立っていた
その日までは穏やかとはいかないまでも
普通に生活できる環境であった
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その日、湖で異変が起こった。
広大な湖。この大陸でも他にないのではないかと言われる湖。
海にも負けないくらいの資源が得られるその湖で・・・
「よーし!今日も張り切っていくぞー!」
「「了解です!」」
一隻の船が、どの船よりも早くに湖に進む。
他の船は先を越されたと準備を急ぐ。
戻ってきた船から荷下ろしをする者たちは大きく手を振っている。
「相変わらず、あいつらは早いなぁ」
「今日も期待できそうだな」
そんな、毎日繰り返される光景であった。
しかし、その日だけは違った・・・。
「・・・うん?なんだありゃ?」
海面に何かが浮かんでくる。黒い塊が。
「あんなデカい魚、いままでいたか・・・?」
船長を長年していた男も見たことがない大きさだった。
これは、なにかあると長年の感が告げている。ここから離れないとと。
その指示を出そうとした矢先のことだった。
「船長!黒い塊が・・・さらにでかくなってきやす!」
「なんだ・・・なんだ!?この船よりでかいぞ!舵取り、早く離脱城!」
「・・・ひぃ!なんか二つの光がともってやがる!」
「な・・・なんだこれは」
その言葉が、彼らの最後の言葉だった。
港から光景を見ていた者たちは、ただ目の前で海面が上昇、爆発したような巨大な水しぶきを上げる。
そして、その水しぶきの中に灯る2つの光と・・・打ち上げられバラバラになって落ちてくる船の残骸を。
光は一瞬のことだった・・・水しぶきが落ちるころにはすぐに海面に姿を戻し、黒い影だけ残して移動していったのであった。
それは、この日だけではなかった。数日おきに発生し、そのたびに湖に出た船と乗り手たちが消えていった・・・。
「湖に巨大な黒い影。今まで確認されたことのない魔獣出現」
バウンサー組合は、その調査と討伐に向けての依頼表作成、報酬をどれくらいにするかで議論されていた。
その議論の最中に、まさかもう1件予断を許さない事件が起きるとは思いもしていなかった。
3つの資源の2つ目。広大な森から得られる食料。
この国を支える流通の主流アイテムであった。
その森のそばにある一つの小さな村で異変が起きた。交流している村からの連絡で発覚。
10日ほど前から連絡が途絶えているというもので、確認に向かった者たちも帰ってこないということであった。
それは、湖で事件が発生してから数日がたった日であった。
とあるバウンサー3人組が調査に向かった。
そして、数日後・・・一人だけ帰ってきた。それも死に物狂いといった雰囲気であった。
荷物は何も持たず、余程必死だったのか不眠不休で走って帰ってきたようで・・・組合に戻ってきたときはそのまま倒れて数日意識を失っていた。
湖の案件がまとまりそうになった時、そいつは眼を覚ました。
語れる内容は・・・さらに頭を悩ませる案件が発生しているという情報であった。
「村は全滅!生き残りは1人もいなかった!他の村から向かったって人も1人も見つけれず・・・。
不審に思い森にはいって調査を開始。そして・・・」
「「そして?」」
「きょ・・・巨大な魔獣を遭遇!あれは・・・ただの魔獣なんかじゃない!」
仲間の1人が奇襲を受ける形で襲撃され、殺された。トレーラーの運転席はそいつに喰われたような形でごっそりなくなっていた。
後部ブロックでメイルの出撃調整をしていた自分はあわててトレーラーから降りてそれを見た。
オオカミ種と思われるが、今まで見たことがない大きさだった。尻尾が異常に巨大に見えたと。
そして・・・そいつが口を動かし・・・その端から赤い液体が流れていたと。
仲間の1人は、メイルを起動させ応戦。しかし、一人では倒せないとわかっていたようで自分にこの事態を伝える役目をまかせしんがりとして残ったと。
組合長は思った。
「まさか・・・神狼じゃないだろうな・・・」と。
森の中、倒れた金属の塊でできた巨人。
その傍にいる、4本足の巨大魔獣。
その魔獣の尻尾は、3本あった。
巨人は倒れて、その体は鋭利な傷が多数できていた。何か鋭いもので切断されたような跡も。
そこからは、なんかを食べるような音が少しの間だけ聞こえていた・・・
新章出だし、めちゃくちゃ短くなりました。
この章まで話の中には登場しているのに、序章以降まったく出番のなかった魔獣。
そのことに気づいたので、急遽増えた章の始まりです。




