第四十八話:事件の真相
語り:レヴァイ
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この国にきてよかったである
どう考えてもおかしすぎる
首謀者は必ずこの国に
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コルド。この国は、かつて存在していた国に仕えていた貴族が建国した国である。
内乱の時、一部の貴族たちが追手がかかる前に逃走を成功させこの国を建国したそうでござる。
生活していくための資源のある地を考えてこの地にやってきたそうであり、元々この地方の領主だった人物も協力者だそうでござるな。
のどかな国であるとやってきたときに感じたのでござるが・・・。
「到着して数時間で、この国の違和感がはっきり出てしまったでござる」
拙者は大急ぎでこの国に来て、レクス殿やシィン殿が行動に移す前に何かを掴もうと思っておった。
そんな拙者だが、今は休憩所にてジュースを飲みながら通りを眺めておる。
うむ。柑橘系の味でうまい。
・・・ではなく。
数時間でわかるこの国の違和感。というかおかしすぎるところ。
それは
「まさか、第二王子が病にかかって城の自室より出てこれないという話になっておるとはな・・・」
そう。コルドではその件の第二王子が「死亡した」ではなく「病にかかっている」となっている。
どちらにしろ顔を出すことができない状態という事で不審に思って居るものがおらん。
なにしろ、この情報を最初に教えてもらったのが首都の入り口警備員だからな。
『ようこそ!コルドへ。バウンサーの方がくるのは珍しいですね』
『仕事の行き抜けにあまり立ち寄らない地に行くのが気晴らしにしておるのでござるよ』
『なるほど、この国はあまり立ち寄らない地なのですね。まあ、間違ってないので否定しませんが!』
『ははは・・・ところで、あまり悲観した空気が流れておらんことに少し疑問なのだが』
『おや?なにかこの国に関して悲観するような話でも?』
『ぬ?・・・第二王子殿が亡くなられたのでは・・・?』
『うん?そのようなことはありませんがね。まあ、病にかかっておられてベッドから出れない状態であるから心配ではあるが。城付きの医者がいうにはそう遠くないうちに元気な姿を見せられるとのことであるが』
『・・・え?』
というのがこの国にきて、この国の住人と最初にした会話である。
街に入り、色々と話を聞いてみたが誰もかれも同じ回答。
「第二王子が死亡した・・・死亡したのは影武者?」
王族ならいてもおかしくないのだが・・・さすがに影武者がおるかどうかの質問などできんしな。
仕方ないので今は休憩かねながら、通りを歩く人々の会話に耳をそばだてているというわけである。
「今年は豊作らしい。収穫後、一部の野菜が値下がりするでしょうな」
「それは嬉しい話ですね!けど、今晩の材料が足りないので今買わないといけないのは変わりないのですが」
「メイル隊が野党に襲撃されたって話聞いた?」
「結構手練れの野党がでるらしいね。今のところ騎士団しか襲われてないみたいだけど・・・なんでだろう?」
「この本、今週新刊出るって聞いてきたんですけど・・・」
「うん?・・・ああ、今日の入荷の中にあったと思うよ。少し待っててくれ」
「隣から毎晩、やたらと声が響いてきてな・・・しかも何か運動してるみたいな息遣いもしててよ。最近寝不足だわ」
「・・・お前の家の隣って、最近引っ越してきた新婚だろ?しばらく続くんじゃね?耳栓買っとけ」
「ねえ、聞きました?昨月に城内務めの警備兵に内定された人・・・先日解雇されたそうですわよ?」
「ええ、聞きました。なんでも、大臣様の言いつけをやぶったとかで・・・一度くらい大目に見て差し上げてもねえ」
「まったくですわ。大臣様の事で何かがあったって聞くと、必ず本人が解雇処分されてるのも気になりますわよね」
・・・一部どうでもいい情報と良い情報に混ぜってとんでもない情報がありましたな。
騎士団が襲撃というのは、おそらくコンシュ地方の襲撃もしくはバルドの騎士との衝突のことではないかと思うでござる。
第二王子が死亡したという情報が真実なのに隠してるとしたら、そちらも隠す必要がありそうであると思うのでござるが・・・。
それ以上に気になったのは大臣の話。言いつけをやぶったら解雇処分?
まあ、確かに大臣クラスになると最重要の秘匿情報を持っていてもおかしくない故、重い処分もやむを得ないだろうとは思うでござる。
だが・・・現在の情勢とこの国にきて聞いた情報と事前情報の食い違い。それらをまとめて考えると違和感が生まれる。言いつけを破ったとあるでござるが・・・内容がどんなことなのやら。
もしかして・・・という考えが抜けきれない。
「・・・ならば、やることは一つでござるな」
その夜、拙者は城に忍び込むことにした。
小国の警備、切り抜けれる自信があった。失敗すれば悪手にしかならぬ。しかし、現状から突破するにはどうしてもやる必要があった。
目的は一つ。第二王子の真相確認。
侵入後、それとなく警備員の話を聞いたりしつつ目的地を予想。
恐らくはという部屋を2か所に限定することができた。あとは突入あるのみ!
「・・・特に警報の類は無し。陰で護衛しておるものもなし」
一つ目の部屋に突入、周囲確認で安全を確認。ゆっくり部屋を見回す。
「・・・ハズレでござったか」
どう見ても寝室ではない。執務室だった。
少し落胆しつつ、机に近づく。
整理しろ・・・と人ごとのように言える机の上。乱雑に積まれておるなぁ・・・っ!?
「これは・・・!」
その乱雑に積まれた資料の中、この地方の地図を思えるものに丸印の入ったものを発見した。丸印だけではない、まるで進路を表すかのような矢印も。
この地図がコルドのみであれば気にもしなかっただろう。騎士団の演習予定ルートかと思えた。
だが・・・コンシュ地方も載ってるなら話は別だ。しかも、ルークへの矢印が複数入っている。
気になったのでもう少し資料を確認する。
そして、見つけた!騎士団の行軍予定表。それも・・・侵攻目的の行軍表としか思えぬ内容のものが!
これだけでも大臣が限りなく今回の戦争に関わっていると予想できる。
だが、決定打が欲しい。
故にもう一つの部屋に向かう。
「こちらも問題なし・・・警備雑でござるな」
その部屋は寝室であった。誰もいない寝室。
部屋の装飾やベッドを見る限り、それなりの地位のものが使う部屋で間違いなさそうである。
誰の部屋か調べようとしていると、足音が聞こえてきた。この部屋にくる!?
慌てて隠れることしばし、部屋に人が入ってきた。2人だ。
1人は無駄に装飾された服をきた禿げ頭。肥満体。・・・リンカー殿の無駄知識のひとつ「悪党大臣の典型的な恰好」に見事に合致。
もう一人は、がっちりとした鎧をきてマントをつけた騎士。それなりに高齢に見えるが足取りにそれは全く感じられない。今のしっかり鍛えている男。
予想できるとすれば、騎士団長といったところではないかと。
「・・・どうやら、私の取り越し苦労だったようです。このような時間に申し訳ございません」
そう言って騎士が礼をする。
「構わぬ。お前が不審に思ったことを無碍にするより間違いでも確認する方が今後の影響が少ないからの」
どうやら、結構信頼を寄せられているようだな。
「ありがとうございます。さすがにこの部屋だけは確認しないわけにはいきません故」
「そうじゃな。この今は亡き王子の部屋だけは、何人たりとも立ち入りさせるわけにはいかんからな・・・」
ここが王子の部屋・・・もしかして第二王子の部屋?
「未だに清掃と言いつつ中に入ろうとする者がいるのが何ともです。まあ、おっても計画の邪魔にしかならぬのですぐに追い出すようにしておりますがね」
「まったくだ。騎士や警備兵のくせに掃除など・・・第一王子がなにやら探っておるだけであろうな」
第一王子は第二王子のことに不信感をもっている・・・ということか?
街で聞いた言いつけを破ったというのは、この部屋の中に入ろうとしたという事でござるかな。
そして、盗み聞きをして正解であった・・・真実を知るときがきた。
「そういえば、密偵からの報告がありました。どうやら、かの地に探しているメイルがあることは間違いなさそうです。現在修復中とのこと」
「そうか。これでわしが国王になる未来への道が完全につながったというものだな」
ぬ!
「メイル修復の知らせが出れば、バルドの短気将軍は攻め込むでしょう。そうすればかの地と結んだ協定でわが軍はコンシュ地方に入れます。あとは、気をみてかの王族の血を引く女を殺害しメイルを入手。必ず成し遂げてみせましょう」
「頼むぞ。わしはそれの騎士団を国境まで見送るという内容で城を開ける。戻ってきたら第一王子に第二王子は殺害されたと発表。国民は政治に疎い第一王子より第二王子を推して居ったからな。それを妬んでの犯行とすれば問題ない」
証言いただきました。この事件の首謀者、第二王子の母国の大臣。
実行犯は恐らく、あの騎士団長と思える男。
調べにきてよかった・・・あとはこ奴らの罪を明るみにし排除するのみ。
という形の事件といたしました。
書かない部分の補填としてあげるとすれば
「第二王子の向かう日を、バルドがちょうど国境付近で演習する日に合わせるように動いた」という戦争きっかけを作ったのもこの2人です。




