第四十二話:遺跡の存在理由
語り:レクス
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事前情報で王家の管理遺跡と聞いた
勝手に入るのもどうかと思うような場所だが
理由を聞くと色々とわかるものである
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「あ、そこに落とし穴でござる」
「そこの壁、手を触れると回転するようござる。向こう側がどうなってるかわからないので不用意に触らぬように」
「・・・おや?このスイッチ踏むとなにかしらの仕掛けが作動しそうな感じでござるな。触らぬなんとやらにということで」
「というか、王家管理というのもあるだろうけど・・・分かりやすい罠が多いだね」
レヴァイさんが先行して罠を教えてくれているけど・・・正直言って言われる前に見ても気づけるような罠もあった。
もちろん、言われなければ気づけないものもあったけど。
「どうやら、見つけやすい罠に紛れて設置している罠が本命かと。・・・そこの分かりやすい足元スイッチでござるが、右横にある床もスイッチになっておりますのでご注意を」
「・・・そっちは全然気づかなかった」
「発動する罠は同じようで、おそらく2つのスイッチは連動しているのかと思われるでござるな」
「無駄にこった罠仕掛けてるなぁ・・・」
「というか、1人出来たら絶対奥にいけなかったよ。言われてもこれが罠だと気づけれなかったし・・・」
シィンさんはこの辺りのことは疎いようだな。
そのまま進むことしばし、奥に開けたような場所が見えてきた。
「・・・おそらく、この辺りからゴーレムが徘徊していると思います。罠で体力と精神力を削られたところをゴーレムに襲われたって記述がありましたので」
なるほど。
確かに、何かが動いている足音が響いてるな・・・。
「けれど、数はそれほど多くなさそうでござるな」
横を見ると、レヴァイさんが床に耳をつけている。本当・・・忍者みたいだ。
「とりあえず1体やり合ってみて、強さを確かめようか」
そう提案する。こちらの意図がわかったのか、すぐにレヴァイさんは立ち上がって頷いてくれた。
「とりあえず・・・?」
首をかしげているシィンさん。
「どの程度のゴーレムかによっては、各々で討伐できるかもしれませんから。そうすれば、最奥にいくのに時間短縮になるでござるよ」
「・・・と、話している間に1体広間にきたね」
剣を抜く。レヴァイさんも短剣と魔銃を持つ。魔銃・・・サイズ小さいな。接近して戦うのかも。
そして、広間に続く道の正面にゴーレムが差し掛かった時
同時に向かって走り出した。
はやい・・・普通に走る速度は彼の方がはやいな。
ゴーレムがこちらを向いたときにはすでにあと一息で接敵という位置だった。
彼はそのまま魔銃を撃ち、ゴーレムの頭部に命中。それほど威力は高くなかったのか倒せるような感じではなかったが
一瞬視界が防がれたことで動きが止まった。
その瞬間、距離はゼロ。彼は右手に持っていた短剣をゴーレムの頭部に突き立てた。
鮮やかな手並み。相手が行動に移す前に一気に先制攻撃を加えている。
ただ・・・ゴーレムの核は胴体。多分初手で倒してしまえば僕の技量がわからないと踏んだんだろうな。
なので頭部を破損しさらに動きが鈍くなったゴーレムに一気に残りの距離を詰めて胴体をぶった切る。
幸い、そこまで頑丈ではなかったので成功。ついでに核も一緒にぶった切って完全に終わらせてやった。
「・・・2人ともすご」
シィンさんは最初の位置から動いていなかった。呆然と見ていた。
「え?・・・バウンサーの技量ってこれが普通なの?・・・けど2人ともそれほど活動期間長くないというか1人は登録したてって・・・?じゃあ、熟練のバウンサーはもっと強い?それとも・・・この2人が異常?」
「熟練者ならもっと楽に討伐していた可能性はありえるでござるよ。動きが単調だし、動きが鈍い。長年、命令守って動き続けていたので限界が近づいていたのかもと」
頭抱えて悩みだしていたので、レヴァイさんがそれとなくフォローいれる。
「確かに、動きが鈍かったのは間違いないね。頭部正面から短剣突き刺したわけじゃないのにこちらの動きが分からなくなっていた感じだったよ」
そう、ゴーレムの目は直接攻撃を受けていなかった。なのに、首を横に振っていたから多分見えなくなっていたんだと思う。
「ともあれ、他のもこれくらいであれば各々で問題なさそうでござるな」
その意見には同意。多分、普通に攻撃してきても避けれると思う。
「1点だけ。ここのゴーレムって破壊しても問題ないでいいの?」
破壊するのは問題ないけど、破壊してしまうことに問題はないのか気になる。
「問題ないよ。ここのゴーレムたちは本当に長いこと、この遺跡を守ってくれていたからね・・・そろそろ休ませてあげたい」
では、そのお言葉通りにしてあげるとしましょう。レヴァイさんと頷き合って、お互い別方向に進むことにした。
それほど数がいなかったのか、1時間ほどで全ゴーレムは活動停止となるのであった。
そして、到着しました最深部。
「・・・なんだけど、どこにお目当てがあるの?」
そう、目の前にはただ広い空間があるだけだった。その広い空間の片隅に金銀財宝があったけど、事前情報でもらったお目当てはこれじゃないはず。
「文献によると、どこかに隠し通路があるって書かれてるんだけど・・・」
「ふむ。おそらくここのことでござろうな」
さっそく見つけたレヴァイさん。本当にすごい手並みだ。あっさり見つけた。
「あっさり・・・とは少し違うでござるな。最初に見つけたのが最終スイッチだったので」
聞くと、見つけたスイッチだけではなにも反応がなく調べるとなにかと連動している感じがするとのこと。
それでさらに周りを見ていると似たような感じに思えるスイッチが複数見つかったので順番に試していたところ、今の会話中に回答が見つかって無事通路が発見できたそうだ。
「それでも3回目で当たりを引くのはすごいと思うよ。・・・本当に2人とも雇ってよかった」
そう言って隠し通路を進んでいくシィンさん。
恐らくこの先には罠はないとのことなので普通に3人とも通路を進んでいくことにした。
本当の最深部に到着。そこにあったのは確かにメイルに使うと思われるパーツや装甲の一部だった。
「経年劣化してるのももちろんあるね・・・使えそうなのをより分けないと」
「最悪は、パーツを持って帰って今の素材で全く同じのを作る予定なので」
「ふむ・・・しかし、このパーツは・・・」
「?レヴァイさん、何か気になることでも?」
「うむ。1点目だが、さん付けで呼ばれるのにあまりなれん。ゆえに、今後は呼び捨てで結構」
「そこかよ?!」
「え?そっち?」
2人して意表突かれたわ。
「すまぬ。言おう言おうと思っておったのだが・・・タイミング逃していたでござるよ」
「まあ・・・わかりましたよ。で、レヴァイ。改めて気になったことは?」
「うむ。このパーツなのだがよく見ると見事な装飾が施されているでござるな。普通のメイルに使うにしてはなんというか・・・」
「豪華すぎるってことでしょ?」
そう言ってシィンさんが立ち上がり、こちらを見る。
「ここまで無事に連れてきていただいた2人には、本当のこととわたし達がやろうとしていることをお教えします。もちろん、その情報をどう使うかは2人にお任せしますし、協力を頼むこともしません。これは、わたし達がやらなければいけないことだから」
いきなり丁寧な口調になった。どういうこと・・・?
「わたしの名前はシィン。シィン・リア・コンシュ。かつてこの地に存在していた騎士国家コンシュの王族最後の生き残りの子孫です」
おう・・・2人して開いた口がふさがらん。
「わたし達の目的。それは、王家専用メイルの修復をもって現在争っている2国に停戦と融和を求めること。元々一つの王国だった3国での争いを終わらせたいと願っております」
つまりこのパーツは、王家専用メイルの修理用パーツだったと・・・その保管場所がこの遺跡本来の役割だったというわけでしたよ。
感覚空いているし、覚えてないと思いますが。
序章の最後に記載している話の1つがこの章です。
「壊れかけの鎧を救うために 探し物を続けるもの」の関わる物語。
それに旅をする主人公の物語が「繋がる」という流れです。
余談ですが、レヴァイの物語は「闇の中を駆け抜け ただ戦う意味をさがすもの」に当たります。




