第三十九話:戦争
語り:レクス
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元は騎士団を目指していた身
戦争がどういうものなのかわかってるつもりだった
目の前の光景を見るまでは
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コンシュ地方交易都市ルーク。
次の目的地に指定していた街で、この地方唯一の街とのこと。
ただ名前からわかるように北と南をつなぐ主要街道の街として多くの商人が立ち寄る街である。
もうすぐその街が見えてくるかと思っていた時、少し離れた場所から爆発音と煙が立ち上がっていた。それも複数。
【どうやら、近くで戦闘が行われているようだな】
「そういやこの地方と隣接する2つの小国が争ってるって話を聞いてたな・・・」
僕はその話を思い出し、少し考えた。
「・・・今後を考えると、2国の争いがどんな状況なのか調べる必要があるかもしれないね」
【そうだな。この地で少し路銀の補充をするのなら、関わりになる可能性がゼロというわけではなさそうだ】
「じゃあ、とりあえ・・・」
【街にいってから、というのはお勧めしないぞ。おそらく街に入ったら戦いが終わるまで避難していろと言われるか、門が閉まっていて入れないかのどちらかになるだろう】
「ぬぅ・・・」
【私がトレーラーを守っている。メイルで行くより人で見に行くだけのほうがまだ隠れやすいだろう。
遠くから見る分なら気づかれたりする可能性も低いと予想されるぞ】
それしかないか・・・思いつつ、望遠レンズもって煙の上がってるほうに行くことにした。
小高い丘の下で行われていたようなので、丘の上から現場を見たのだが
正直言って、これが騎士の戦いなのかと思ってしまった光景だった。
騎士じゃなく銃持った兵隊により戦争だった、そこに広がっていたのは。
盾に身を隠しながら攻撃から仲間を守るメイル。
その陰から魔銃をただひたすら撃つメイル。
岩があればその陰に移動して魔銃を撃つメイル。
巨人の兵士が銃を撃って戦ってるだけだ。
これは・・・騎士の戦いとは言えない。
やっぱり、リンカーとしての記憶が「これは騎士じゃない」と違和感を盛大に訴えている。
見たところ、数は両軍40機前後。確か6体で小隊編成だったはずだから両軍何機かは撃破されているのだろう。
そう思いながら見ている間にも1機2機と被弾して倒れるメイルがある。
「・・・うん?」
今倒れたメイル・・・倒れ方がおかしい。
正面から攻撃を受けたのではなく、横から攻撃を受けたような気がする・・・。
そう思っていると、向こうがにある林の中から8機のメイルが躍り出てきた。
見たところ、2国のメイルより旧型のような気がする。デザインが似ているので同系列のメイルだと思われる。
しかし、その8機は躍り出るとそのまま両軍に向けて攻撃を開始しながら接近していっている。
全機2丁形態のようで、通常より攻撃の数が多い。
両軍は奇襲を受けた形で正面と側面両方に気を回さないといけないので動きがのろくなっている。
新兵が混ざっているのか、慌てているようにも見られる行動をとっている。その場で右左とせわしなく見まわしているから間違いないだろう。
そいつらから優先的に撃破されている。もちろん、両軍ともだ。
旗色が悪くなったのか、両軍は同時に撤退を開始し始めた。
奇襲をかけた8機は追いかけるでもなく魔銃を撃ちながら追い払っているような感じにも見えた。
「なんか・・・普通の領土争いって感じじゃないのかもしれないな」
そんなこと考えながら、トレーラーに戻ることにした。
【どうだった?戦闘は】
「戦闘というか・・・戦争だな。騎士同士の戦いを見たって気分には到底なれないよ」
【まあ、この大陸の普通は今日君が見た光景なんだがな・・・その意見には同意するよ】
「ただ、あいつらは・・・ちょっとすごいと思ったな」
【あいつら?】
「2国が争ってるようだったんだけど、奇襲をかけたメイルがいたよ。多分、この国のメイルと思う」
【この国のメイルと思う根拠と、どうすごかったのか気になるな】
「2国のメイルと同系列と思える見た目だった。多分、旧型じゃないかなと思う。そっちのほうが動きに無駄がなかったよ。
相手を見て、新兵だと思える相手から優先してた。多分、自分たちの力量とメイルの状態を把握できてるんだと思う。
そのうえで奇襲をかけて場を乱し、確実に数を減らす方法を選択していた」
【なるほど。それは確かにすばらしいな】
できれば、関わりになることがないようにしたいな・・・。
【それほどの相手達なら、君にも気づいていたりしてな?】
言わないで、気づいてる気がしてくるから・・・
ーその頃ー
『隊長。どうやら上手く行ったようですね』
「そうですね。・・・これがあと何回できるかわかりませんが・・・」
『ですね。今回は優秀な指揮官がいなかったようですし』
「そうですね。・・・いたら、こちらにも被害がでていたかもしれません」
『かの将軍がでてきたら、さすがに奇襲もせず撤退してましたよね・・・いや、運がよかった』
「そうですね。・・・運がよかったと思いますよ」
『隊長たいちょう』
「そうですね。・・・と、どうしましたか?」
『それ、こっちの台詞です。どうかしましたか?少し上の空のように思えましたが』
「失礼。少し気になることがあったので」
『気になること?』
「・・・さきほどの戦闘を見ていたものが向こうの丘の上にいました」
『・・・なるほど。どちらかの諜報員かもしれないと』
「そうでないことを祈るばかりです。こちらには奇襲攻撃しか今できることがないので・・・」
『しかし、おそらく諜報員ではないかもしれません。もしそうなら、今回の奇襲も初手のあとすぐに状況が変わったかもしれませんよ?』
「その可能性もありますね・・・ともかく、少し気にしておいた方がいいかと思います」
『いつもの感ですか?今回はどっちのほうで?』
「いい予感の気がしますが・・・前回それで外れてしまったので自信が」
『なるほど。では、今後の状況に注意しつつとりあえず拠点に戻りましょう』
「そうですね・・・って、他の隊員は?」
『みんな帰りましたよ?戦闘終了の合図があったのでって言って』
「・・・わたし・・・隊長ですよね?」
『そうですよ?』
「・・・号令出す前に隊員に帰られる隊長って、探してもわたしくらいでしょうかね・・・」
※投稿していると勘違いして気づいたのがこの時間
気になる部分が見つかったから、この章も見直して手直し入れていかないといけないかなと思った




