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Connected Stories ~繋がる物語~  作者: requto
2章 リーベルト侯爵家
36/186

第三十三話:神衣に宿る武具霊

語り:トロア


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

同一人物とわかったので後は説明聞くだけ

問題なく話を聞くだけで済めばいいが

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

「さて、食休みも終わったことだし・・・同一人物というのは確定したことで説明することも問題なさそうだな」

休憩後、少し館の中を案内・・・というか本日泊まらせていただけるとのことなので部屋に荷物を持っていっていた。

それも終わり、最初に案内された部屋で再度集まったのが今。


「どこから話をするか・・・そうだな。息子が旅立つ理由でもあることだし、まずは神衣について説明するか」

「それは気になりますし、ありがたいです。待ち合わせまで少し調べてましたが、結局ほとんど情報がなくて・・・」

「それはそうだろうな。いくらファルサラとはいえ、神衣の情報は国家機密にあたることだ。伝承くらいしか貴族家以外ではわからんだろう」

国家機密ですか・・・聞いても大丈夫なのか?

「機密を聞いて大丈夫かどうかに関しては問題ない。先に国王陛下にお伺いはたてている。息子の知り合いとわかれば他言無用の上で話してもいいと」

「なるほど・・・では、お願いします」

メイル乗りとしては、かなり気になる話だし。この後の話にも関係してることだろう。


「そもそも神衣と呼ばれるメイルと通常のメイルの違いだが・・・メイル自体には差はない」

「?」

いきなり意味不明な内容が出た。先の事件での戦闘結果を見る限りだと・・・実際見たわけじゃないが結果だけ見ただけでも異常だということはわかる話だ。

なのに、通常のメイルとの違いがないというのは・・・。

「言いたいことはわかる。おそらく、戦闘結果を見たか話を聞いたかして違和感を感じているんだろう。その辺りも合わせて説明する」

そう言って紅茶を一口飲み、話し出した。


「先にも言ったように、2種類のメイル自体に違いはない。これは間違いない。

なぜなら、違いは精霊炉に宿る武具霊の違いが明確な性能に影響を与えるからだ。

現在使われているメイルのその9割が、この世界で最も確認されている『無の武具霊』と呼ばれるモノたちだ。

この武具霊たちは、どのような武器にもその力を合わせることができる。故に魔銃といった魔力を撃ちだす武器や、その魔力を風や炎といった属性に変化させて撃ちだすことも可能。また、二丁や盾と同時運用が可能な理由もそこにある。

ただ、この武具霊たちは適応力は最高位なのだがそれ以外は最低位のものである。故に、騎士によって性能が変化するのは乗り手の影響ということになる」

熟練の騎士が乗れば高い性能を発揮、新米の騎士と戦闘時の結果が明確にでるのはそれが理由か。

「もちろん、国によってメイルの作り方が変わったりするので一概にそれだけが理由というわけではない。メイル自体の性能が戦闘力に影響していることもあるのも事実だ。君たちが会ったメイルがその例だな。

それと・・・協会に渡された男爵からの手紙には事件のすべてが記載されていた。おそらく、その黒いメイルについても教えたほうがいいと思ったのだろうな」

デスティン侯爵、黒いメイルの暴走の理由・・・あの武具霊のこともわかったのか?

「黒いメイルの武具霊はおそらく上位武具霊。無の武具霊より上位故に呼ばれていると思われるが、実際は違う。

無の武具霊の適性がわからなかった時代、下位武具霊と呼ばれていた故だ。

では、なぜ上位という呼ばれ方しかしていないのか・・・本質は同じ。多種多様の武器に力を合わせることができる点は一緒なのでややこしくなるからだろう。

だが、無の武具霊・・・そちらと明確に違う点が1点、上位には『意思』があるからだ」

意思がある・・・それなら人に影響を受けるというのも納得できる反面、自らの意思を示すこともできたんじゃないのか?

「今の説明で恐らく『武具霊自身の意思で負の感情に染まるのを防げたのではないか』と思っただろう。

それができなかった理由・・・意思があるとはいえそれは明確な意思ではない。言うなれば『自分で考えることをしない子供』のような意思だ。

それ故、乗り手の行う行動を見て『それが正しい行動』と思い込んでしまうケースは古くにもあったと記述が見つかっている。

その黒いメイルの意思・・・長年、相手を殺すことに特化して使われていたそうだからな。完全に敵対者を殺すことが『正しいこと』と認識しておったのだろう」

なんというか・・・武具霊にそんな事情があったとはな。


「さて、神衣についての説明といこうか。先の話から予想できただろうが・・・神衣と呼ばれるメイルに宿る武具霊には『明確な意思』がある。人と会話することができる意思を。そして、それらの武具霊は『決まった武器』のみに最大限の力を発揮することができる。

レクスの乗るメイルに宿る武具霊の名は『リッター』。剣の扱いにのみ特化している武具霊だ」

話の流れから予想していたが・・・なるほど。

「その説明で一つ思い出したことが」

「なにかな?トロアくん」

「先の事件の関係者・・・というか現場を見ていた人から後で聞いたのですが。『神衣起動』という台詞のあとメイルの姿が変わったそうなのですが、

その前に誰かと話をしていたと・・・」

「間違いないな。武具霊と話をしていたのだろう。・・・ただ、姿が変わるというのは、わしの記憶にもないことなのだが・・・」

「なんか、肩の装甲が変化したと言ってましたね」

マント型装甲が羽根みたいな形になったって言ってたな。

「ふむ・・・すまないがその点については、わしもわからないとしか回答ができそうもないな。記述の中でそのような現象があったという覚えがない」

「侯爵家の記述でないとは・・・。父上、国王陛下に一応ご報告したほうがいいでしょうか?」

「うむ。話を聞いただけなのと、当人も人づてということ含めて報告するかな・・・」

「では、城との連絡宝珠を使って母上に依頼しておきましょう」

そう言って、アレン殿が席を立って退出していった。


「まあ、神衣を簡単に説明するとこうだな。


①宿る武具霊とは意思疎通ができる。

②決まった武器を操るとき最大の力を発揮する


この②についてだが、武器の扱いに限定したことではない。

どうやら、その武器に合うようにメイル自体にも力を及ぼすようでな。

それ故、通常のメイルとは同じ姿をしていても性能が明確にでてしまうようだ」

その説明で、先の事件の時の状況にも説明ができる。

剣を使用するため、敵対者に接近するための能力と両断するための能力をメイルに与えていたと考えれば通常のメイルより機動力があるというのもわからないでもない。


「神衣についてはなんとなくわかりましたけど・・・それがレクス君が旅に出ることにどう関係しているんですか?」

エリアが質問する。確かに神衣についてはわかった。

だが、あいつが旅に出ることとどう関係が・・・


「あの武具霊には願いがある。具体的に言うなら『行きたい場所』があるそうだ。あいつには、その手助けをしてもらう事になった。半ば強制的にという感じになってしまったが・・・数代前の国王時代からの悲願でもある」



一番最初の設定では「意思を持たない武具霊」と「意思を持つ武具霊」の2種類だけでした。


前回の話を思いつき、話の流れを作ってる間に3つ目の「微弱な意思を持つ武具霊」が誕生しました。


一応、3種類の武具霊が存在しますが「意思を持っているかどうかで強さが変わる」くらいに覚えておいていただくだけで問題ないかと

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