第二十四話:行き先は王都
語り:トロア
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この街での依頼は終了
無事・・・とは言えないが
さて、この国にきた俺の目的を果たそう
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「色々とあったが、これにて完全に依頼終了だな」
今、俺達4人とラーク男爵は居間で一緒にティータイム中。
レヴァイの旅立ちから2日後、これ以上はいすぎだと思えた。
「そうですね。そろそろ、俺達も次の目的地に出発しようと思います」
そう言って紅茶を一口。うむ、うまい。
やはり砂糖は4ついれるのが基本だな。
まわり・・・男爵や付き人のメイドさん含めて少し引いていたが気にしない。
「だな・・・って、目的地ってこの国だろ?」
レイがまともな返しをしてきた。
エリアさんあたりが言ってくると思ってたのに。
「レイがまともな返しをしたのにも驚きですが・・・この国でやることがあったでしょうに」
「?トロアはこの国で情報収集するために次の場所へ移動しようって意味でいったんじゃないの?この街で調べても結局わからなかったんだし」
ライヤーが疑問をぶつけるが、エリアさんが回答してくれた。それで、さっきの返しがなかったのね。
「ふむ・・・君たちは私の依頼とは別に、この国に用事があったという事か。そしてそれは、なにかについて・・・というかメイルについてかな」
「よくおわかりに・・・というか、この国に調べものをしに来るなんて、ほとんどの理由がメイルに関してですもんね」
そう、この国によく学者や研究者が調べものにくるがほとんどがメイルについてだ。
バウンサーの一部も、メイルについてでこの国にくるパターンが大抵だ。
「この街は交易の街ゆえ、かなり情報が入りやすいのだが・・・それでもわからなかったと?」
「ええ。ちょっと特殊なメイルについての調べものなので」
「ふむ・・・よければ、そのメイルについて教えてもらえないだろうか?なにか力になれるかもしれないからね」
男爵の申し出はありがたい。
男爵・・・貴族・・・一応、あいつの件も含めて質問してみるかな。
「では、俺がこの国で調べようとしている2つのことについて」
「2つ?メイルについて?」
「いえ、1つはメイルなのですが・・・もう1つは人についてです」
「人について・・・貴族か何かなのかね?」
「そうかな・・・という予想でしかないですが」
男爵が不思議そうな顔をしている。
「調べているメイルは『神衣』と呼ばれるものについて。そして人物は、貴族の中に『レクス』という名の人物を知っているものがいるかどうか、です」
「!!!!」
あまり期待せずに質問したら、男爵の顔が劇的に変化した。誰が見てもわかるくらい驚愕といった感じに。
なんだ・・・なにがあるんだ・・・?
そう思っていると、男爵はメイドに目配せをし、部屋から退出させた。
この場にいるのは、俺達4人と男爵だけだ。
「・・・ひとつ聞きたい。その2つを調べている理由は?」
真剣な表情で聞いてくる。
下手な返しはこれまでの信頼関係を一気に壊してしまいそうだな。
そう思い、俺はすべてを話した。
彼を拾ってしばらくともに行動していたことを。
旅団が解散したあと、この国に来る前にとある領地で起こった事件で再会したことを。
そして、俺自身は直接見ていないが、あいつが「神衣」の名を呼んだことを。
あいつが戦闘したあとと思われる場所に、数10機のメイルの残骸ができていたことを。
「・・・なるほど。それで神衣について」
「はい。あと、あいつの知識量を考えると一般の学校で受ける内容より高度なものがあったりしたので・・・貴族だったのではないかと」
「神衣に関しては、確かにこの国でなら・・・か。そして出会った位置でこの国が出発国かもしれないとそう思ったわけだね」
「はい。・・・もしかして、なにかご存じのことが?」
返答がくるとはあまり思っていないが、一応聞いてみる。
しばらく男爵は目をつむり考えていたが
「わかった。君たちのことを信頼し、私の知っていることを話そう。だが、その前に少し待っていてくれ。用意するものがある」
そう言って男爵は部屋を退出していった。
「・・・男爵様の顔、かなり真剣だったね」
エリアさんが息を吐きだした後つぶやいた。
「ですね。一気に空気が緊迫して、すこし息苦しかったですよ」
ライヤーも少し息をきらしていたのか、深呼吸していた。
「だな。俺でもわかる、やばいかもしれないって雰囲気だったわ」
メイル乗りとして戦いに出ているからか、レイは少し余裕がありそうだった。
「俺もあんな反応があるとは予想していなかったさ。だいたい、この国があいつの故郷なんて本当にただの予想だったんだから」
あの雰囲気だと、あいつがこの国出身だというのは間違いなさそうだ。
しばらくして、男爵は封筒を一つ持って戻ってきた。
「この封筒は、この国の首都ファルサラにあるバウンサー組合にあてた書状だ。君たちのことと目的と私のことを記載している。私の話を聞いた後、首都にいき書状を渡してほしい。家紋印を押しているので、そのまま長のところに持っていってもらえるだろう」
「首都になにかある・・・と」
「そうだ。私の口からあまり詳しい内容は話せない。これは、私より遥か上の立場の者による緘口令がだされているからだ。なので、話せる部分だけ話す。それ以上知りたいのなら、首都にいくのだ」
「・・・わかりました。お話を聞かせてください」
そう言って、4人とも聞く体制をとる。さて・・・どんな爆弾発言がでてくるのか。
「私の予想も含まれているんで断言できないが、おそらくその人物とメイルはこの国から出発した者達で間違いないだろう」
メイルも含めて者達という言い方・・・なにかあるのか?
「そして、特徴から恐らくその少年は、元貴族で間違いない。表向きに公開されている情報なら伝える分に問題ないだろう」
表向き・・・裏側は首都で聞けと。
そんなことを考えていた時に、とんでもない爆弾が落とされた。
「その者の名は『レクス・リーベルト』。首都ファルサラを守護する2大騎士団、その一つを預かるリーベルト侯爵家の次男だ」
「「「「っ!!?」」」」
貴族位で言うなら上から2番目じゃないか!?
そんな大貴族の次男だと!?
「そして、成人直前、騎士育成学校を退学処分となり、侯爵家から破門された人物でもある」
意識が飛びそうになった。
なにがあってそうなったのか まったくわからん・・・
ラーク男爵
この章の概要を思いついたときは彼はお亡くなりになる予定だった。だが、そうするとこの回での会話がなく国の街片っ端から回る話になりかねないので情報役として生き延びてもらいました。
なお、次章で語られる「裏の内容」も彼は知っている設定です。
そのあたりの補足説明は次章にまとめてしようかと思います。忘れないように気をつけないとな・・・




