第十四話:合流と提案
語り:トロア
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当初の予定では合流したあと目的地を決めるはずだった
さて、事前に目的地を決めたこと何と言われるか
と思っていたのだがな
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合流予定は、交易路の交わる街なのでそこそこ広かった。
商人が予想以上に多くいるので活気にあふれている。
そんな街だが、ここは犯罪件数が少ないことでも有名である。
理由の一つとして考えられるのは、そこそこ広い街でありながら入り組んだ道がないからである。
ほとんど一直線で家や店舗が建てられ、移動商人たち用の貸店舗も用意されているので路肩で商品並べて売買することもない。
家の間も「広い」か「引っ付いている」しかないので狭い道というのが皆無。
犯罪しても見通しが取られているので発見されやすいのが理由ではと考えられている。
そんな街のバウンサー組合が運営している宿屋が合流場所だ。
なんだが・・・
「いや、予想以上にデカいよ・・・」
そう。デカいのだ。
街の広さもあるからそれなりの大きさとは思っていたが
下手したら一国の首都にある建物よりデカいんじゃないか?
「そりゃ、デカいさ。なにしろ交易路の中心地、移動してきた商人たちから道中の色々な案件が入ってきたりするからな。」
そう言ってきたのは、合流する仲間の1人。名前はレイ。
元々、風属性の魔銃を扱っていたメイル乗りだ。形見分けで団長の使っていた風の魔銃を譲り受けている。俺とも何度も一緒に魔獣討伐をした背中を預けられる友人だ。
性格の問題さえなければ、相棒と言ってもいいんだが・・・。
「そうですね。商人からの護衛依頼、商売の時の補佐、道中にでた魔獣の報告。街の住人からの依頼もないわけではないですし。もしかしたら、首都の協会にはいる依頼数を超えてるのかとも思いますよ」
相槌を打ってきた男の名はライヤー。メイルの操縦訓練は受けたことがないが、トレーラーの操縦訓練は受けたことがあるのでそっち専門。
あと、情報収集もうまいのかその辺りでずいぶん助かっていた。どうやって集めているのかは結局不明なんだが。いつも一人で行くし。
「それより、合流が遅くなってごめんね。受けた依頼にトラブルというか契約内容に不手際があってそれの追求に時間かかってたんだよ」
最後の1人は女性。名前はエリア。情報収集を担当しており、隠れるのが上手くて任務時は斥候の役目なんかもしていた。
最後の依頼の時は風邪をひいており不参加だったことを悔やんでいたっけな・・・。
けど「彼女がいれば」なんてこと言うやつはあのメンバーの中にはいない。1人かけただけで機能不全になるような旅団じゃなかったからな。
ちなみに、料理の腕は高い。多分、彼女を誘ったのはそれが理由だろうな。
たまに、俺のだけおかずが少し多かったりしてたな・・・旨いから特した気分だった。回りの視線が少し気になったが。
そんなこれから一緒に行動することになる3人と再会祝して晩御飯中が現在の俺の状況。
これから彼らと組んで仕事をするんだが・・・さて・・・引きづっても仕方ないな・
「ところで、後で合流しておいてなんだが・・・少し行きたい国がある」
「いいよ。じゃあ、次の目的地はそこだね」
エリアさん、行先聞かずに同意しないでください。そちらも仕事受けた言ってましたよね・・・?
「まあ、エリアならそう言うだろうとは思ったが依頼受けてしまったんだよな。合流してからと思ったんだが報酬がよくて乗ってしまった」
「レイの突発には今更ですが、依頼を受けた後では文句も言えません。そのうえで聞きますが、行先はどこになりますか?」
「あの依頼、拘束期間が明確じゃないからなぁ・・・あまり乗り気じゃない。まあ場合によってはすぐに終わるかもしれない依頼でもあるけど」
なるほど、レイの突っ走りが依頼受けた理由か。今更だな、旅団時代もよくある話だった。
「行きたいのはファルサラだ。ちょっと調べたいことができたんだ」
「ファルサラ!?ちょうどいいじゃん」
「だな。偶然かもしれんが、実は受けた依頼の場所もファルサラの一都市からのものなんだ」
すごい偶然。なにも問題なしだな。
「ほんと、すごい偶然だね。依頼断る理由がなくなっちゃったよ・・・けど、なんでファルサラに?やっぱりメイル乗りとして行きたくなったの?」
以前言ったように、ファルサラはメイル誕生の国とされている場所。メイル乗りとしては行ってみたいという気持ちがないわけではない。
あの国は他国からの入国をかなり厳しく審査してるからな。ただメイルが見たいだけではさせてくれるかどうか・・・いや実際は厳しいだけで拒否されるわけじゃないんだが。
だが、今回の行きたい理由は違う。「実は・・・」と前の依頼中に起きた件を共有することにした。
「うわぁ・・・そんなことがあったんだ。彼のことは覚えてるけど、それは気になるね」
「神衣か・・・メイル乗りとしては確かにその名を聞いたことはあるが御伽噺と思ってたぜ。しかし実際にそんなことが起こったなら調べる必要はあるな」
「確かに。私の調べた限りでもそれに関してより詳しい情報を集めるならあの国以外はないかもしれません」
「だろ?現場を実際に目撃したわけじゃないんだが、話を聞いただけでも調べたくなるってもんなんだよ。まあ、あいつの出身地が本当にそこなのかは未確認だが」
満場一致で調査することが決まった。まあ、内容が内容だけに当然だと思ってたが。
と、聞き忘れてた。
「そういや、受けた依頼ってどんなやつなんだ?俺、依頼内容知らないんだが・・・」
「あ、忘れてた」
おい・・・
「いや、そっちの話がインパクト強すぎで依頼のこと忘れかけたわ」
「自分が受けて忘れるか・・・問題だな」
「今後、こいつが依頼表の前に立つこと禁止しようか・・・?」
同意見だな。
ひとしきり笑った後、レイは少し真剣な表情に変わった。
そこそこ重要案件のようだな・・・
「依頼内容は、とある都市で起こっている事件の調査。事件内容は有力者の殺害。同時に事件現場で黒いメイルが目撃されているからそれの調査だ」
こっちの依頼内容のインパクトも負けてないと思うぞ?
ファルサラの一都市でそんな事件が・・・?
1章スタートです。
続き書いてて時系列がややこしくなってきたから、そのあたりをメモするようにしようと思いました。
序章の終わりでも記載してますが、主人公不在の回です。




