第百四話:遺跡での真実と町での話、そして
語り:
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荒れ果てた遺跡回り
衰退の道を進むかのような町
この国は、滅亡していた
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遺跡回りは荒れ果てていた。
豊かな土地という言葉など昔の話だったということだろうか。
1機の白いメイルが、その荒れ果てた土地を見渡しながら歩いている。
真っすぐに、入り口の壊れた遺跡を目指して。
その遺跡は、装飾された入り口を持つ洞窟のようであった。
だが、近づいてみたその入り口は・・・無残な姿を見せていた。
精霊の森への入り口が頻繁に出ていたことから、一部の信仰を集めていたんだろう。
見事な装飾の施された入り口に、整地された洞窟の道。
洞窟自体はそれほど深くないように思えるが、やはり暗い道。横には灯りが並べられていた。
洞窟の奥に祭壇が作られ、そこに入り口が出来ていたのではないかと予想できる。
だが・・・その見事な装飾の入り口は無残に壊され、残った部分も装飾がなかったかのような形まで傷をつけられていた。
壊れた入り口から中をのぞくと、整地されていた道はする必要があったのか疑わしいくらいに叩き壊されていた。
横に並べられた灯りは、ほぼ全てが破壊され、二度と灯ることがないだろう。
そして一番奥、祭壇は無残に壊され瓦礫の山となっていた。
『・・・うん。どういう意図があったんだろ』
ラウニィが疑問を口にする。
精霊の森への入り口、その結果生み出された豊かな土地。
それを完全に失くしてしまうかのような破壊の痕。
この地を手に入れようとしていた意味が見いだせなかった。
『そうだね・・・理解できない光景だよ』
一緒に乗っているリーデルも、貴重な文化遺産が無残に破壊された光景をみてショックを受けていた。
ただ・・・1人と1機は別のもの見ていた。
彼らの視線の先には・・・一つの剣が刺さった土の盛り上がった場所があった。
1人・・・レクスはメイルから降りてその場所に近づいた。
恐らく墓と思われるその剣に黙とうをささげ、一緒に置かれていた本を手に取る。
【レクス、それは?】
彼はページをめくる。所々ボロボロになっている。
「・・・かなり古いものだけど、日記のようだね」
『日記・・・?』
「・・・ボロボロだから読める範囲が絞られそうだけど、簡単に目を通しただけで少しわかったことがある」
『・・・うん?それは?』
レクスはその日記を静かに閉じ、剣を見ながら言う。
錆ついてボロボロになっている剣を見ながら
「・・・この小国が攻め滅ぼされたのはつい最近のことじゃない。もっと昔・・・少なくとも数十年前にはなるようだよ。100年まではいかないだろうけど」
そして、彼は日記を持ちながらメイルに乗り、続けて言った。
「そして予想通り、この国はアーレス国の当時の国王によって攻め滅ぼされた。・・・続きはみんなと合流してからこの日記を読みながらにしよう。下手にめくって破れてしまっては、他の3人が読めなくなる」
【了解だ。それに・・・どうやら、もう、ここは二度と繋がることはなさそうな感じがする】
そう言い、アースリッター・コネクトは遺跡の入り口で騎士の礼をとり、その地を後にした。
「・・・さてな・・・わしの爺さんの代にはすでにこの生活になっておったそうじゃからな」
「そうですか・・・ありがとうございます」
そう言って、日陰で座って遠くを見つめる老人に礼を言ってからヴァドは立ち上がった。
その老人の視線の先は・・・壊れた町の壁とその向こうに広がる草原だった。
ゆっくり町を歩きながら、彼は周りを見ていた。
どこの家も半壊、無事な家を探すどころか、住める状態の家を探すことから困難な状況と言えるだろう。
これだけでもわかることは。それは
「この国の復興支援は一切行われていないという事ですな・・・」
ヴァドはため息をつきながらゆっくりとトレーラーに戻った。
「戻りましたよ」
「おかえり。どうやらそっちも似たような感じだったようですね」
アンキセスが調査した結果をまとめながら返事をする。
彼は一足先に戻ってきていたようで、自身の調べた内容を整理していたようである。
ヴァドも椅子に座り、机に向かって書類を書き始めた。
「移動は少し待ってくださいね。忘れないうちに報告をまとめておきたいので」
「問題ないよ。俺もまだ途中だから」
そう言いながらも、アンキセスの手元は止まっていなかった。
「確か・・・メイルを使って別の場所に行っていましたよね?何かわかったのですか?」
興味があったのでヴァドは聞いてみた。
返答は・・・彼の予想していなかった内容だった。
「ああ。全員そろってから言うけど・・・アーレス国がこの国を攻め滅ぼしたのは事実のようだ」
「なんと!証拠が見つかったのですか!?」
「ああ。証拠と言えば証拠だな・・・」
「それは素晴らしい!他の所でも何かわかりましたら、大きく動けそうですなぁ」
ヴァドは嬉しそうに言う。
アンキセスの表情は・・・あまりすぐれない。
不審になるのと同時に、違和感が感じられた。
「・・・どうやら、それ以上の何かを見つけられたようですな」
その雰囲気から、何か良からぬものを見つけたのではとヴァドは思った。
そして、それは的中していた。
アンキセスはペンと止め、彼のほうを向いて言った。
「先に少しだけ言う。俺が見つけたのは・・・滅亡した国の首都だった。ここ以上に壊された、人が住んでいないんじゃないかと言えるような場所だった。それでも懸命に生きている人たちがいたんだが・・・その人たちを、アーレス国の紋章をつけた騎士たちが欲望のはけ口にしていた」
「それは・・・騎士のやることですか?」
「そう言いたくなる光景だったよ。・・・頭にきたから、全機ぶった切って、騎士も全員その場で斬り捨てた。えらい感謝されたよ」
「まあ、そうなるでしょうなぁ・・・」
「この情報だけでも、あの国によって攻め滅ぼされたという確証になりそうなんだけど・・・何代にもわたって伝わっていた話でもあるからな。決定的な物品証拠があればよかったんだけど・・・」
そうして彼らが合流しようとして移動を始めた頃。
北の方から全力で彼らに合流するため移動しているメイルがいた。
その名に恥じぬ速度をもって移動する黒い影。
「・・・手に入れたでござる!かの国を終わらせるための手札を!」
レヴァイは、2つの書状を握りしめて、全力でメイルを走らせていた。
「拙者の掴んだ情報、彼らから託されたこの書状、この2つがあれば・・・」
焦る気持ちを抑えながら、彼は懸命に走らせた。
「・・・だが、もう一手欲しいところではござる。あの国に終焉をもたらすための切り札となるものが!」
現状でも十分ではないかと思えるくらいの情報と協力者は得られている。
だが、それでも彼は望んでいた。
切り札を手に入れることを。
そして、そのために、何をやる必要があるのかを・・・。
首都で見た光景、そこにいた人から聞いた話
遺跡で見つけた、当時の騎士が残した手記
そして、別行動によって手に入れたもの
それらによって得られる答えとは・・・




