第百三話:託されし願いと真実
語り:レクス
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
願いを託された
そして、真実を知った
やるべきことが決まったよ
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
『・・・うん。暴走してる』
ラウニィが言うように、武具霊の意思が暴走していると考えられる。
問題は・・・暴走の理由だ。
搭乗者が死亡しているだろうこの状況、どうやって理由を知ることができるだろうか・・・。
【君は・・・今の状態がわかっているのか?】
不意にアースがしゃべりだした。
けど・・・だれと?
・・・!もしかして
「アース。あのメイルの武具霊と話ができるのか?」
【微弱な意思がある。だが、あいつに集中していないとできないようだ。すまないが、少し時間を稼いでくれ】
「わかったよ」
斬りかかることはせず、相手の出方を待つことにする。
【・・・どうやら、わかっていないようだな】
相手は自分の状況が分かっていないということかな。
【ああ、そうだ。・・・君を救いに来た】
救いに・・・?なにかを感じた?
【・・・すまないが、それはできない】
救いに来たといいつつできない・・・うーん。
って、斬りかかってきた!
かなりの速度、なので避けずに防ぐ。
その後も連撃を繰り出してくる!
これなら確かに、並みの騎士では太刀打ちできないだろう・・・見事な剣技。
アンキセスに訓練してもらってなかったら1,2太刀くらっていただろうな。
【それは・・・一体どういうことだ?】
なにか言っているのか?
【・・・だが、君のその炎を叩きつけた結果、さらなる復讐の炎が燃え上がるかもしれないぞ?】
・・・復讐の炎。やはり、北の国ではなにかがあったということ?
【ならば・・・終わりにしよう・・・そして、約束しよう】
そう言って、アースの力が伝わってきた。どうやら、次の一撃で終わりにするようだ。
相手の剣をはじき、斬り返す刃で頭部・・・精霊炉を破壊する。
そして・・・そのメイルは力を失ったように崩れ落ちる。
【約束しよう。少しでも君の願いが叶うよう、力を尽くすと】
その後、調べたところやはり搭乗者は死亡していた。戦いの末だったのだろう、遺体がメイルの中にあった・・・と思われる。
すでに白骨化を通り越していた。遺品の経過状態からかなり時がたっていると思われる。
恐らく・・・北の国が滅亡した時期にすでに死亡していたと思われる。
ただ・・・気になる点もあったようだ。
「あのメイル、どうもこの大陸で作られたものじゃないみたい」
リーデルが調査結果を教えてくれる。
「どちらかというと、レヴァイのメイルに近い作りになってる。向こうの大陸で作られたものというほうがしっくりくるね」
「・・・うん。間違いないと思う」
ラウニィが自国のメイルのと覚えてる限りで見比べて見たそうだけど、少なくとも隣国で作られたものでもないと。
「あくまで予想だけど・・・旅をしてこの地にきて騎士として迎えられたってところかな?」
なるほど。
さて・・・。
「アース、先ほどの武具霊と話した内容を聞かせてほしい」
【了解した。彼の言っていた内容はこうだ・・・】
そうして聞かされる内容は、真実の一つとなる。
「復讐・・・国王や貴族、民の無念。そして卑劣な手段により奪われた土地か」
【卑劣な手段がどのようなものなのかは話さなかった。だが、あそこまで暴走したということは・・・】
「恐らく、搭乗者の無念がそうとうすさまじかったんだろうね。武具霊にそれが完全に写るくらいに」
リーデルが目を閉じながら言う。
しばらくして・・・アンキセスが立ち上がる。
「すまない。北の国にいったら別行動させてほしい」
「なにをするため?」
一応聞く。
「その地で何があったのか、真実を調べるために」
どうやら・・・この後の予定が決まったようだ。
「・・・うん。賛成」
ラウニィも意見変更。
「ラウニィ殿は、レクス殿と一緒に遺跡のほうへ行ってくだされ。わしがトレーラーを運転してアンキセス殿に同行いたします」
ヴァドが言う。彼も変更が決まった。
「・・・うん。頑張れば一人乗せれるからリーデル連れて行く」
「了解!遺跡調査はまかせて!」
「申し訳ないが、拙者も別行動をとらせていただく」
レヴァイがそう言い、立ち上がる。
「と申すか、ここからメイルに乗り先行させていただきたく思う」
「・・・どこへ?」
リーデルが少し不安そうに聞く。
「遺跡よりさらに北。2国の争っている地へ」
「それは・・・少し危険では?」
ヴァドも心配そうに聞く。
「危険かもしれないでござる。だが・・・そこを調べておくことで何か今後の展開に有利に運びそうな気がするのでござる」
「というと?」
「明確には回答するは難しいのでござるが・・・そこにも何か裏がありそうと思い」
なるほど。
「なら方針はこうだね。僕、ラウニィ、リーデルさんの3人は遺跡へ。アンキセスとヴァドさんがこの地での調査。レヴァイが2国の争いの現場調査」
「・・・うん。なんか心配してなさそう?」
「心配は心配だけど・・・レヴァイのこの手の調査能力は以前一緒に仕事した時に知ってるからね。巻き込まれない限りは心配ないだろうと思ってる」
「うむ。調べるだけ調べて、さっさとずらかってくる所存でござる」
なら問題ないでしょう。
その後、レヴァイがメイルで先行する。
・・・しばらくしたら通信機で連絡があった。
『・・・どうやらアーレス国が滅ぼしたという話は真実のようでござるよ』
「何を見つけたの?」
リーデルさん・・・リーデルが聞く。「さん付けやめて!」って言われました。
『もう少し進めば町が見えてくるのでござるが・・・アーレス国の紋章の旗が翻っているでござる』
「属国になったというのであれば、間違っていないのでは?」
ヴァドが質問するが・・・帰ってきた答えはこうだ。
『その町が半壊状態でなければ信じられたでござるがな』
「・・・うん?他の2国の攻撃を受けたという可能性は?」
『ないでござるよ。なにしろ・・・壊れた家屋のある場所が南側に密集しているでござるからな。北側は軽微。どう考えても、南側から侵攻されたとしか言えぬよ』
「「「・・・」」」
全員絶句。
『とりあえず、道をそれて別の町を目指すことをお勧めするでござる。騎士に見つかると面倒そうでござるなこれは』
「ヴァド!ルート変更!」
「あいあいさー。すぐに」
なお、遠くから望遠モードで確認したが・・・レヴァイが言っていたことを見るだけだった。
【あとは・・・真実をどうやって見つけるかだな】
アースの意見に、どうしたものかと思う。
恐らく、この国の騎士は全員・・・そう考えると生き証人がいない可能性がある。
町にいる人に聞いて、どれだけわかるか・・・。
とりあえず、途中で別行動を開始。
僕たちは遺跡に向かうのであった。
そして・・・僕たちはそこでもまた、嫌な光景を見るのであった。
遺跡回りは資源豊富は豊かな土地と聞いていたけど・・・
荒れ果て、燃やされ、至る所に大きな穴ができ、
半分ふさがった、遺跡の入り口を目撃することになるのであった。
騎士は・・・メイルは1機もいなかった。
復讐の騎士、けれど彼は忠義の騎士でもあった。
その意思をつぎ、彼らは行動を開始する。
なお、この章の誕生には
作者が「序章の最後にあげた今後登場予定のキャラ設定」のことを忘れていたことに気づいたのがきっかけであった・・・




