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Connected Stories ~繋がる物語~  作者: requto
8章:繋がる騎士の思い
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第百二話:疑問の残る話と目標のメイル

語り:アンキセス


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

バウンサーとしての依頼だから

討伐は2人だけで行うという

だが・・・そのメイルは・・・異常だった

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

「組合員さんだけ、マシだった!」

リーデルさんのそのセリフにだけは全員一致。

なお、完了報告はこの3国内の組合は情報共有しているので別の国で報告してもいいと。

なら、なんで現在の状況が・・・という事になるのだが。


「組合で聞いた、現在のこの国の状況を再確認しよう」

という事になる。

「アーレスで聞いた内容のみだが、連絡を取り合ってるのでほぼ同じ情報となるらしいけど・・・一部やはり食い違いはあるそうだ」

「質問!その食い違い部分は情報の統一化しないの?」

「リーデルさん良い質問。答えはできない」

「?」

首をかしげておられるが、これに関しては俺よりバウンサーに聞いた方がいいだろう。

という事で、視線をレヴァイに移す。

彼は頷いて話す。

「バウンサー組合は基本、商人や住人からの要請を受けて動くのでござる。騎士団からの協力依頼もあるが、あくまで協力依頼。国家間の情報の不一致などに関して声を出すことはできないのでござるよ」

「・・・うん?その理由」

「理由は、バウンサー組合の強大さでござる。世界中どこにでもある上、それぞれの港町からは他大陸の情報も入手できる。バウンサーの実力も、下手したら騎士団を上回る者もいるでござる。そんなところが国の情勢に口をだしたら・・・」

「なるほど。他の国がその情報を信じてしまう。偽りの情報を流していた国は立場が危うくなりますな」

ヴァドが頷きながら答える。

「それでも、今回の件は声上げてもいい気もするけどな・・・」

俺は素直にそう言うと、レクスが苦笑いしていた。

「恐らくだけど・・・あの支部にそれほどの力がないからだと思う。確認したけど、首都にしか組合の支部がないと言っていた。その上、現在は戦力ともいえバウンサーの数が減っている。他の国の支部の状況も軽く聞いたけど、どちらも戦争状態が重なってバウンサーの依頼が激減。結果、登録していた者達が別のところに流れていったりしているそうだよ」

つまり、3国の支部が声を上げたとしても、簡単にもみ消されるくらいの声にしかならない。

最悪、支部の代表たちが「国に不利益となることを言いふらしている」と言って更迭される可能性もあるだろう。

「情報は共有してるけど、3国で同じ情報に統一するには、力が足りないという事だ」

「釈然としないけど・・・了解」

まあ、他にも理由があったりするかもしれないけど。


「さて・・・話を戻す。俺たちがこの国に入る前に聞いた情報は、豊かな地にあった国が滅び、3国で取り合いをしている。簡単に言うとこうだ。

だが、アーレスの支部で聞いた話はこうなる。

2国の武力行使により国は滅亡、救援に駆け付けたアーレス国が退けてその地を属国という形で吸収。現在も2国から攻撃を受けているが退けていると」

そう言って、出発前に印つけていた地図に、アーレス国から遺跡回りまで囲む丸を付ける。

「ただ、遺跡の北の一部地域は吸収できず、現在2国がその地を取り合い戦争状態。現状、アーレス国は監視しているだけとのこと」

そう言って、北の地を2国の色で丸を重ねて書く。


「続いて、他の国から回ってきている情報」

そう言いながら先ほどと同じ地図を用意。複製しておりました。

「他2国での話だと『アーレス国が王族を殺害、国を乗っ取った』だ」

「全く違うでござるな・・・」

「正反対!」

「ただし、入手できた情報では両国とも確実な証拠は掴んでいないとのこと。後半部分は一緒。北の地を取り合いしている」

そう言いながら、先ほどと同じように丸を付けるが・・・真ん中の国はバツ印もつける。

「この2つの情報で一番気になるのは、このバツ印の真意だ」

そう俺が言うと、全員が頷いてくれた。

「本当に属国になっているだけなのか?それとも滅ぼされているのか?」

そう言うが・・・俺は目を閉じながら言う。

「ただ・・・俺たちの目的は『遺跡に入り口があるのか』ということ。正直、この国家争いに加担する理由がない」

「・・・うん。確かに」

ラウニィさんが頷く。


「だが、俺個人としては、アーレス国が何かやったことは間違いないと思っている。個人的感情だが、国を見た限りだとやっててもおかしくないと」

「それについては同意!」

「まあ・・・間違いないとは思う」

リーデルさんとレクスが同意してくれる。

「なので、依頼のメイルに遭遇する前に1つだけ決めておきたい。この先の状況次第でどうするのかということを」

国内に行くのだから、不審な点に気づく可能性もある。

それを見て見ぬふりをするのか?それとも真実を突き詰めるのか?

「まず、見て見ぬふりをする」

そう言うと、ヴァドさん、俺、ラウニィさんが挙手をする。

「正直申しまして、あの国に思う所がないわけではありません。それでも、無用なかかわりは避けるほうがいいかと」

「・・・うん。この国いるとお金なくなる」

「国を相手にするには、理由が少ない」

これが、俺たちの意見。


「続いて、真実を突き詰める」

残りの3人が挙手。

「あの国叩けるなら!」

「それもあるでござるが・・・どうも違和感がぬぐえぬ」

「理由が少ないのは同意だけど、気になると調べたくなる」

なるほど。

「ちょうど別れてしまったか・・・なら、この後の状況次第で意見の変えた人物が一人でもいたらということで」

そう言うと、全員が頷いてくれた。



話し合ったけど、結局その場で決めるという事しか決まらなかったな。


「しかし・・・そのメイル、気になるでござるな」

レヴァイが疑問を浮かべる。

「どういった部分が気になるの?」

リーデルさんが聞くと、彼は目をつむり・・・答えた。


「1機だけで真っすぐにアーレス国目指していると言うが・・・乗り手は食事などどうしているのだろうかと」


・・・うん?

「それだけ戦闘をしながら進んできているとなると、乗り手の疲労は相当でござろう。だが・・・その問題のメイルが近くの街や村に立ち寄ったという情報がないでござる」

「・・・そうだな」

レクスが頷く。

「それに、あの国が言うように複数機がいたとしたら・・・立ち寄らずに来てると言うのも不自然だし、他に目撃情報が無いのも気になる」

・・・言われてみれば。

「ふむ・・・休憩や食事をどうしてるのかという部分。メイルに備蓄があるとかではないでしょうか?」

ヴァドが質問するが、すぐにリーデルさんが回答する。

「それは無理!メイルの積載量的にそんな大量に詰めるスペースはない!」

「それもそうでしたな・・・」

あっさり撃沈、と。


とりあえず、疑問が残るがそれぞれ持ち場に。


それから1時間後。


「・・・前方に目標と思えるメイル発見!」

俺はそう言って全員に警戒態勢を取らせる。

どうやら・・・1機だけという情報が本当だったようだ。

しかし・・・なんだあれ。

「・・・追加情報。武装は右手に持つ剣だけのようなんだが、様子がおかしい」

『・・・うん?どういう風に?』

メイルに搭乗準備をしているラウニィさんからの質問に回答する。


「遠目でもわかるくらい、ボディに傷がついている。激戦を潜り抜けてきた猛者みたいだ」

なんというか・・・よく動いてるなと思ってしまう。

遠目でそんな感じに見えるくらいなんだが・・・足取りはしっかりとしている。


【・・・おかしい】

アースが会話に参加してきた?

「どうかしたか?」

【・・・私の間隔では、生命の息吹を感じない】

・・・なんだって?


「トレーラー停止。格納庫開放。よろしくお願いします」

ヴァドがそう言って、扉を開く。

『僕が行く。相手が騎士なら、一応最初は1機で出たほうが話に持っていける可能性が生まれる』

『了解でござる。一応、追撃できるよう待機しておくでござるよ』

どうやら、主力を最初に投入するようだな。


そう思ってると、格納庫からスクワイアを装備した完全状態「アースリッター・コネクト」が出撃する。


・・・やっぱり、見事な騎士って姿だよ。


『・・・え?』

『・・・うん?なにあれ』

【なるほど・・・そういうことだったか】


接近した彼らから声が聞こえる。

「どうした?何かわかったのか?」

聞いてみると、彼らから回答がきた。

『・・・長距離モードで、奴の胸部を見てくれ。それでわかるよ』


そう言われて、監視用双眼鏡を長距離モードにする。

これは、近距離になると完全にぼやけてしまうのだがその分遠くを見ることができるようになる。


そうして、その光景を見て、俺は言葉を失った。


向かってきているメイル、その胸部には、剣を突き立てられた痕がしっかりとついていた。


あの傷の感じだと・・・乗り手の生存は絶望だ。


つまり、あのメイル・・・武具霊が暴走状態になっている、ということだ。



次回


章はじめの閑話:別視点にて

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