第百一話:依頼を受けたくない国での依頼
語り:レクス
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とりあえず、一言
1日でも早くこの国でよう
依頼なんて知らない
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アーレス王国首都アーレス。
夕方についたので一泊する必要があった。
トレーラーで寝泊まりもなんだし、
最初についた首都でもあるし、
行く先の宿に泊まったり、
そこでの食事を楽しんだりというのが旅の醍醐味ではなかろうか?
そんな翌日
「さっさと出よう、この国」
「同意でござる。一日でも早く」
「・・・うん。間違いない」
「異論はない。金がなくなるだけだ」
「うん!見る気もない!」
「ですな。どんだけ部品一つにぼったくられるか・・・」
6人の意見は一致した。
簡単に言おう、何があったのかを。
首都に到着したらまず入るために金をとられた。国境で言われたのと似たようなことそえて。
ブチ切れたラウニィが即金で渡した。
トレーラーの待機所に止めることに。
メイル別料金。他の国で言うならトレーラー預け料と同じくらい。それが3機分。
宿に泊まる。当然、法外な値段。例によってここでも国境と似たようなことが。
ついでに食事別料金。先の条件飲まなかったら料金倍額。
本当にあるのか?こんな国?
って言いたくなるだろうけど、今いる国がその国です。
ちなみに、住人は法外な値段じゃない。他の小国で見たのと大差ない金額。
それでも高いと思うような金額だったけど。
女王国から受け取った資金、7割くらい消えた。
あと1日でもいたら、根こそぎ取られそうだ。
「食材、大量に持ってきておいてよかった。この国で補充する気がまったくない」
アンキセスが黒パン食べながら言う。
こいつ、滅茶苦茶固いんだよね・・・。
「そうでござるな。とても旅人が来るような国ではござらんよ」
レヴァイがスープに付けながら食べる。
そうしないと固すぎて食べれない。ちなみに、スープは具材なにもなし。
「・・・うん。体に悪い」
ラウニィがスープだけ飲む。黒パンなしだと、小さく切った野菜が少しだけ入る。ふざけとる。
「食べたら即行動!待機所で追加料金とか言ってきそうだこの国!」
リーデルがレヴァイと同じような食べ方で。
「ですな。そうなる可能性しか思い浮かびません」
ヴァドが、ラウニィと同じスープを飲みながら。彼には黒パンは固すぎて食べれなかったそうだ。
そういう僕も、ラウニィと同じスープだけ。
本気でふざけてると言いたくなるレベルで固いのだ。
「・・・なんか、ボロカスに言われてるな」
店主が食器吹きながらぼやいているが、言われて当然という自覚がないのかと言いたい。
トレーラー待機所に行くと、職員が残念そうな顔をしていた。
「・・・もう30分遅かったら追加料金とれたんだがなぁ」
リーデルナイス!
サムズアップすると、彼女も返してきた。
そして、トレーラーの所に行くと・・・一人の男性が立っていた。
「・・・あ!もしかして、このトレーラーの持ち主の方々ですか?」
そう言ってにこやかな顔をしながら近づいてくる。
けれどこちらは・・・警戒心全開。
その表情に気づいてるのか気づいてないのか・・・絶対気づいてないな。
表情全く変えずに近づいてくる。
「わたし、この国のバウンサー組合の職員なのですが・・・実はお願いがありまして」
「「お断りします(するでござる)」」
僕とレヴァイは即答。
「えと・・・他の方々は・・・」
「「全員バウンサー登録なし」」
追撃。
彼の笑顔が固まる。
「「では、これにて」」
そう言って、さっさとトレーラーに乗り込もうとする。
「お願いします!どうか、助けてください!」
職員の彼、いきなり土下座してきた。
・・・残念。さすがに無視できそうもない。
「・・・とりあえず、聞くだけ聞くでござる」
レヴァイがため息と共に言う。
「ありがとうございます。ちゃんと依頼料もお支払いしますので・・・なにとぞ、お願いしたく」
「必死だけど、他のバウンサーには頼まないのか?」
少し疑問に思ったので聞いてみる。
「それが・・・この国の騎士のおかげで、メイルをもって入国するバウンサーが少なくて・・・。
依頼に関係しているのですが、今この国の登録バウンサーも激減してますし」
「正直言って、この国で登録しているバウンサーがいること自体驚きでござる」
レヴィア、ついにぶっちゃける。
「・・・わたしも、交代してくれるって職員がいたらさっさと出たいですよ、こんな国」
職員さん、ついに涙目。
どうやらこの人は、この国には染まっていないようだ。
「それで・・・依頼とは?恐らく、討伐依頼になると思うのですが」
それがわかったので、ちゃんと聞く姿勢になる。
レヴァイもそう思ったのか、先ほどまでの雰囲気が消えていた。
「ありがとうございます。予想されている通り、依頼は討伐依頼です。ただ・・・対象が魔獣ではなくメイルです」
「メイルの討伐依頼?」
「はい。・・・聞きたくない部分もあるかもしれませんが、この依頼は騎士団から回されたものです」
「あ、聞きたくなかった」
「そう言うと思うのですが・・・一応最後までお願いしますです。で、そのメイルなのですが・・・どうやら騎士団に多大な被害を与えているようで。すでにこの国の所有メイルの総数で3割ほど撃破されており、そのうちの1割ほどがまだ修理中という状況でして」
「それは・・・かなり強力なメイルのようで。何機でござるか?」
「数は騎士団が秘匿してまして・・・ただ、噂では1機だけという話もあるようで」
「1機?そいつは・・・かなりの強敵みたいですね」
「はい。そもそも被害調査もこちらがしてやりましたし。それを隠して、組合に討伐依頼を持ってきたものだから・・・相手の力量がわからず」
被害が拡大していると。
多分、それで被害調査を独自にしたんだろうな・・・。
「で、調査員を雇って確認してもらったところ・・・国土を真っすぐ南下してくるメイルを発見したということです」
なるほどね・・・うん?
「ちょっと待つでござる。北の地は・・・小国3つで取り合いをしていると聞いているでござるが?」
レヴィアが聞くと、彼は不思議そうな顔をした後・・・ため息をついた。
「本当に・・・内と外で情報が一致しない国ですね、ここ」
つまり・・・この国内では違う話になっていると?
「この国で広がっている情報は・・・北の国は随分昔に2国からの侵攻に耐えきれなくなってこの国に救援要請。結果、2国を退けて属国になったとなります」
すでに領土取り合い終了してる?
「ただ、属国の調印は生き残っていた貴族が行ったことになってて王族は救援が間に合わず首都は陥落しているとか」
首都陥落してるということは2国のどちらかが制圧に成功したという事・・・つまりその後攻め落としたと?
いや、崩壊していたとすれば侵攻していた騎士団を撤退させたということか。
生き残った貴族・・・それ決める権利持ってるくらい有力?それともその人しか生き残りがいなかった?
考えると・・・どうも引っかかる。
とりあえず、他の2国に行くんだし・・・。
メイル討伐のついでと言って遺跡のほうにも行ってやろ。この国の領土なら、他の2国の許可はいらんでしょということで。
ちなみに依頼を受けたら、料金払わずに首都からでれる通行証もらえた。それだけが、ありがたいことだった。
この依頼の情報だけで話の流れはわかりそうな、ありきたりな展開となりますね。




