第九十七話:新しい剣(後編)
語り:レクス
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最初の出会いは突然だった
旅立ち、それなりに一緒に戦ってきた相棒
新しい力を得て、今、新生します
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翌朝。
さあ、準備してテスト運転開始だ!
という感じにはならなかった。
「テストは昼からになりました!うちのバカたちのおかげでね!」
リーデルさんが元気な声で宣言した。
「どういうこと?」
よくわからん。
「技術士たちが昨晩完成祝いと酒盛りしましてね・・・全員、二日酔いになっとります」
ヴァドさんが教えてくれた。
「いつものことなので、恐らく昼には復活するでしょうからな。なので申し訳ないが・・・」
「まあ、手伝ってもらったんですしいいですよ」
「ありがと!復活してない奴は置いとくから昼からはちゃんとするね!」
そう言って、朝ごはんを食べ始める。
・・うん?
「そう言えば・・・後の3人は?」
「アンキセスとレヴァイは、昨日なんか見つけたらしいからその情報が有力かどうかを調べるって!
昼頃から始めるからって教えてるから、午前中にわからなくても合流するって言ってたよ!」
「ラウニィ殿は、これから移動するのに国から持ってきた服だと問題になりそうと言って買いに行かれましたな。行商人が来てると言う話を教えたところ、午前中に行ってくると」
なるほどね。
僕?
体力使うだろうからって、ゆっくり寝ておりました。
朝ごはん言いましたが、もうすぐお昼の時間ですね。
それから数時間後。
一部、まだ頭痛を訴えている中ついにテストが始まる。
ちなみに、行商人も何かあるのかと見に来てるからすごい人数になってる。
「何が起きるのかご存知でしょうか?」
「なんでも、技術士たちが総力を挙げて修繕したメイルの稼働テストをするとか」
「技術都市の総力ですか・・・とんでもない時に来ていたものですなぁ」
「一体どんなメイルなのか・・・」
そうこうしていると、トレーラーに乗せられてアースがやってきた。
搭乗してきてもよかったんだけど、起動時からのテストをしたいとのことなので先に待っていた。
・・・うん?
トレーラーに誰か乗ってる・・・ってラウニィだ。
衣装が大きく変わってるからびっくりした。
上はタンクトップ?みたいな感じになって、ジャケットを羽織ってる。
下はスカートになってるし、その上からサイドだけの長いスカートを着てる。
部分鎧は一部だけまた付けてるな・・・けど、小手だけなんか新しくなってる?
「小手、新しくしたの?」
近くに来たので聞いてみた。
「・・・うん。魔力を通すときに補助してくれるって」
「なるほど。その格好、似合ってるね」
純粋に思ったので言っておきます。
「ありがと」
少しうれしそうな顔をしていた。
さて、搭乗して準備開始だ。
【ようやく、実際に動くわけだが。私の感じでは問題はなさそうだ】
「了解」
【ただ・・・今までと同じ感覚ではない。少し慎重目でいこう】
なるほど。彼自身も変わった感じがしてるんだな。
『ただいまより、聖鎧「アースリッター」改め「アースリッター・コネクト」の修繕テストを行います!』
リーデルさんが宣言する。
一斉に歓声を上げる技術士たち。商人たちはなんかすごいのかみたいな感じ。
『まず最初に起動!トレーラーから歩いて降りてください!』
起動はすでにしてるから、そのまま歩いて降りる。
ふむ・・・歩いた感じ、確かに動きが軽い。
『うん!これは全く問題なし!次は、走って向こうの旗をとって戻ってくる!』
そう言ってみると、確かに巨大な旗がたっていた。
よし、いっちょ行きますか。
そう思い走らせる・・・ってはや!?
はやって思ってたらもう着いた。旗を持って走って戻る。
『動きに問題はないね!ちょっと予想より速かったけど・・・速いことが悪いことじゃない!』
そうなんだが・・・。
「確かに、今までの感じで操作すると動きにずれが出そうだな」
【そうだな。しかしラウニィ殿、今は補助していなかったのではないだろうか?】
『・・・うん。関節部強化しかしてない』
つまり、それだけの補助でも今くらいの動きはできるように調整されたと。
完全にはできないと言ってこれか・・・できてたらどうなってたんだ?やはり別格だなアースは。
ちらっと見ると、商人たちが目を点にしていた。
「・・・すごいな。あの速度は」
「うむ。拙者の最高速度並みの速さでござる。戦術の幅が広がりそうでござるよ」
「ラウニィ殿が全力で能力を使えば、今以上の動きができるわけですな」
「ちょっと待つでござる。ラウニィ殿、全力で使ってないと?」
「うん!できるだけ調整した状態の動きで見たいから、彼女には関節部強化だけお願いしてる」
「・・・出力方面でも補助入ったらとんでもないことになるな」
その後、剣を実際に振ってみたりジャンプたりしたが・・・どれも今までの動きとは全く違った。
すさまじく滑らか。技術士たち、恐るべし。
『さて!テストするのもあと2つだけ!と言っても、1つはおまけでテスト!』
なんだ・・・?
『まず、限定解除モード起動!ラウニィ、出番だよ!』
『・・・うん。まってた』
そう言うと、搭乗席のそばに新しく付けられたランプに灯りがともる。
なるほど。これでこちら側にも今の状態がわかるようになってるのか。
『・・・うん。準備完了』
その声と同時に、灯りが青色だったのが緑色に代わる。なるほど。
つまり、解除モードの時はこのランプにも注意しておいた方がいいわけだな。
先ほどから能力制限していたのは、この状態での持続時間の確認か・・・?
『アース!問題はあったりするかな!』
【うむ。問題は感じない。大丈夫のようだ】
その声に、行商人たちが驚きの声を上げる。
あ・・・彼らだけ知らなかったや。さっきまで内部だけで会話してたから突然だったこともあるしな。
まあ、いい。このままいこう。
『おっけー!じゃあ・・・お願いします!』
リーデルさんが大声で言った後、お辞儀をする。
では、答えましょう。
【『神衣起動』】
両肩の装甲が展開し、バイザーが上がる。
それだけでなく、スクワイアの盾も一部が開いた!そっちにも手を入れていたとは。
『すごい!初めて見た!感動です!!』
リーデルさんが飛び跳ねて喜んでる。
技術士たちが大歓声を上げている。
つられて、行商人たちも歓声を上げている。
その後、この状態での動きもテストしたが・・・より早くなっていた。
他のメンバーとの連携を考えると、本当に緊急時だけだな使うのは。
なお、持続時間を見るのかと思ったがそちらは全く関係なかった。本当に調整した状態のチェックを入れるためだけに彼女に制限してもらってただけ見たいだったや。
『では、最後のおまけテスト!背中の剣を抜いて!』
昨晩教えてもらえなかった剣だな。
アースがそれを手にする。柄が大きい。
『アース!柄の下の方にあるスイッチ押して!』
【ぬ?これか?】
なんかあるな。アースがそれを押すと。後ろ部分にあるカバーが開いた。
『次!左腰後ろにつけてるボックスから中身を1つ取り出して!』
なんかついてる思ってたけど、開くのか。・・・デカいカプセルみたいなのが出てきた。
『それを、カバーの中に入れてください!』
ポイッと。
『行きよいよく・・・閉める!』
カバーを打ちつけるように閉める!
すると、剣身の側面カバーが浮き上がり・・・隙間から魔力があふれて剣を覆った!?
『はい!準備完了!向こうの大岩、思いきり斬りつけて!』
よくわからんが、一足飛びで接近してぶった斬る!!
ドォーンッッ!!
というすさまじい音と共に・・・大岩が消し飛んでた?さらに地面も陥没していた?
なんじゃ・・・これ?
『うん!威力申し分ないけど・・・ありすぎる気もする!!』
同意見です。
唖然としているその手元、剣は元の状態に戻っていた。
調整された「アースリッター・コネクト」
調整前で「神衣起動」状態と同程度の動きを通常状態で出来るようになっている。
この状態で神狼と戦っていたら、作戦関係なく正面から戦っても勝てただろう。
起動状態なら、勢い付きすぎて「真っ二つ」にしていた。
聖武具霊の宿ったメイルは、他のメイルとそれほどの差がでる。
故に、魔獣大被害を被っていた過去にその存在が確認されているが、落ち着いた時期から現代に至るまで確認がほぼされなくなり・・・結果、その存在を知らない人が増えていった。




