前話:旅団の解散
「団員全員の意見の一致を確認。本日をもって当旅団は解散とする」
その一言が、副団長から言われた時に思ったことは
「ああ、終わってしまったんだ」だった。それ以外に何かあるだろうとは思っていたけど、いざその時になると何も出てこないものだと実感した。
僕の名はレクス。この旅団「銀の双刃」に所属しているバウンサーだ。
バウンサーというのは、いわゆる「なんでも屋」のこと。
国から国へ、町から町へと渡り歩き
先々でそこに住む人や国から依頼を受けてその報酬で生活をしている者達のことである。
一応、世界共通で認可されている組織であり依頼も正式な手順で持ち込まれているものばかり。
事前に簡単な審査を行い、成功報酬の確約ができそうもない依頼に関してはこの時点で受付拒否されている。
もっとも、人によってはそういった依頼も受ける者もいる。犯罪行為の加担に関しては受けたものも厳罰になるのでお断りだが。
数か月前、国を飛び出しあてもなくトレーラーを走らせていた時のこと。
元々が旧型だったこともあり、国を出て1週間後には度々故障するようになってはいたが、その時は完全にストップ。
あまりお金も持っていなかったこともあり、町との距離もそこそこの位置だったのでどうしようかと思っていた時この旅団と出会った。
団長夫婦がとても気のいい人であり、所属している団員たちも気のいい人の集まりとしか言えない旅団。
事情を話すと、バウンサー登録に可能な年齢に達していなかったが見習いという形で団員に加えてくれた。
また、故障したトレーラーもメンテスタッフが手の空いてるときに修理を請け負ってくれたのであった。
見習い期間が終わったらすぐに登録できるよう、全員が手の空いている時間に色々なことを教えてくれた。
と言っても、登録するにあたって厳しい審査などはない。条件さえ満たしていればだれでも登録ができる。
条件は3つのうち2つクリアしていれば問題ないくらい。
1つ。成人年齢を超えていること。この世界の成人年齢は16歳である。
2つ。犯罪履歴がないこと。これは自己申告ではあるが、それを調べる機械も使って二重に調べられる。
3つ。メイルを所持していること。これを達成できない人はかなり多い。
メイル。それは人の姿をした機械兵器のことである。
標準サイズがだいたい8m~9mくらい。
操縦席はあるが、基本は操作球を握って自分自身が動いて戦っているイメージをすることによって動く。
基本的武装は手にもつものだけだが、中にはそれ以外にも備えている機体もある。
その場合は、操作球だけでは無理なので傍についているスイッチを切り替えることによって武装を切り替えて対応する。
それゆえ、多数の武器を装備していてもそれを一度に使えるメイルは存在していないとされている。
まあ、誕生した遥か昔にはそういったメイルもあったという話ではあるそうだが。
ちなみに僕のメイルは・・・まあ少し特殊な分類に入る。旅団の人たちも頭に「?」浮かべてた。
そんな情報込みで、色々と教えてもらっていた矢先。
魔獣討伐の依頼を受けて現地にやってきた一行なのだが、依頼内容より魔獣の規模が大きかった。
依頼内容にあった数倍以上。
当初想定していた規模もギリギリくらいだったので無茶な依頼であった。
後でわかったことだが、依頼内容は間違いはなかったそうだ。
ただ、依頼が発行されてうちの旅団が受け取る間に近くの群れの分断行動があったようで
それにあぶれた魔獣たちが合流していたのが原因だと判明した。
地形も悪く、ちょうど森との境目だったこともあり攻撃を開始した後に森から出てきたので対応が遅れてしまったことも原因の一つになっていた。
あとで報告された内容だが、その分断した群れを監視していた者達からその情報がきておらず、監視員たちはその後厳罰を受けていたようだ。
普通に「解雇処分」だった。監視中に喋り込んで群れの行動を見ていなかったことが発覚したのであった。情状酌量の余地なし。一つの旅団壊滅のきっかけにもなったことで犯罪履歴持ちに認定もされたという話だ。
まあ、この話を聞いたときにはすでに犯罪者として捕らえられていたけど。履歴持ちもなにもない、すぐに牢屋に行くことになった。それだけ旅団壊滅の原因作りは重罪ということだね。
不運が重なり、旅団の半数のメイルが全壊。残った内2割が破損。全壊したメイルの搭乗者は全員戦死。その中に団長夫婦も入っていた。
「これまでと同様に依頼を受けても現在の旅団では達成不可能。全壊したメイルに関しては通例通り搭乗席の認証札を遺族に送る対応をするが修理しても搭乗者が不在の上費用が掛かるだけの為、申し訳ないが修理などは行わずそのまま売却することにする。合わせて残った団員が必要なものを分配、残ったものも売却して合わせた金額を分配する」
「副団長、質問。団長夫婦のメイルも売却するのですか?」
「ああ。俺は一応団長たちと同じ町出身でな。故郷には2人の子供がまだ残ってるかもしれない。そいつは技師を目指すと言っていたから、渡してやろうと思う。だからそいつだけは売却しない。
ただ、団長の遺言でメイルはそうしてくれと言われてたが『魔銃』に関しては適性のある団員に渡してくれともいわれている。あとでその話もするのでな」
「俺からも質問でーす。残った団員で小旅団登録したら副団長は一緒してくれますかー?」
「俺はこの依頼前にバウンサーを辞める手続きを始めていたのは知ってるだろ?だから頭が欲しいなら別の奴を探してくれ」
「落ち着いたら団長の墓参りいきたいから、後で場所教えてくださーい」
「問題ない。全員に教えるが・・・くたばったやつはくるなよ?町の墓場はそんな大きくないんだから別の場所に埋まれよ」
質問結構あるかなと思ったけど3人だけかな・・・じゃなく、もう一人いる。忘れてた聞くの。
「僕からも質問。もうすぐ誕生日なので成人迎えるわけですが、このあとってどうすればいいんでしょうか?」
「「「あっ」」」
そうすると、何人もの団員が申し訳なさそうな顔をしていた。
「すまないな、そういう時期だって時にこんなことになって・・・」
副団長の発言で理解。
「いえ、バウンサーという職業については色々と教えてもらっていたのでこういうこともあるかと・・・なってほしくない状況ではありましたが」
「そうか、そう言ってもらえると少しは救われるよ。とりあえず、旅団解散についても一度組合にいって書類にしないといけないからな。ここから向かってる間に誕生日くるから組合に行ったときに手続きまで面倒みる。そのあとは、個人で動くか他のバウンサー続けるやつと一緒に行くかを決めてくれや」
「りょーかい」
手続きまで教えてもらえたら、後は組合の人にルールなど聞いたら問題ないと思う。いけるだろ。
「じゃあ、湿っぽい感じで終わるのもなんだし、売却額のいくらか使ってパーッと最後にやりましょうよ」
「いいね、それ。新しいバウンサーの誕生とこれからのそれぞれの道に祝福があることを祈って、って感じでやろうぜ」
「ふむ・・・なら分配金額を少し調整する感じになるが手続き完了日にやるとするか」
「全員均等に、ですよねー?」
「いや?俺は満額もらうぞ」
「「「がめついぞ!副団長!」」」
そんなやりとりから約1週間後
1つの大きな旅団が解散され
1人の新人バウンサーが誕生したのであった。
ある者はひとり旅立ち
ある者は以前から交友のあった旅団に向かい
ある者は引退して故郷に帰っていった。
そして、新人バウンサーは・・・
とりあえず、直してもらったトレーラーと最初からもっていたメイルと一緒にがんばっていこうと思います。
僕の相棒
両肩についた前面だけに展開する鋼のマントを身に着け
片手に古びた剣をもった
「魔銃」での戦いが主流の世界において異質と言われる
それでも僕が選んだ「剣」という武器をもったメイルと一緒に
正直言います。ノベルの書き方とか書いてる本とか読んだことありません。
ラノベを読み漁ったりしてるだけの、ラノベ大好きなだけが書いてるものとなります。
至らないところは多数あるかとは思いますが、昔から自分で物語を考えたりするのが好きでいつか形にしたいと思い今回ださせていただきました。
各話の文字数はこれくらいにしつつ、ゆっくり書いていこうと思います。