表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/3

魔法のお水

まさか猫に転生するとは...。


予想も何もあったもんじゃない事態に驚愕しながら、近くの湖のそばに近づいた。


どうやら転生した先、最初にいたのは森だ。だけど、どうも普通の森とは違う。なんだかこう、漫画の中に出てくる、キラキラ光ってて青緑っぽい色の森だ。


湖といってもそれほど大きいわけではないし、どこを見ても森ばかり。


うんざりである。


それにしても、視界が鮮やかだ。

普通の猫は色覚が人間ほど綺麗では無いはず。なのに前世人間だった頃より色彩感覚が鮮明なんて、何か普通の猫ではない気がする。


……ちなみに、この世界での私の名前は

【ネリネ・ラ・ヴェネチアルア】。

何故分かるのかは本当に分からない。気づいたらこれだけはハッキリとわかっていた。

そして、毛や瞳の色は、

白銀色の毛に瞳は金色。水面に映って見えている。


綺麗な見た目してるなぁ...って呑気なこと考えてたけど、今の私は子猫といえど生まれたてのような大きさでは無い。

生まれて生後1ヶ月~2ヶ月ほどの大きさだ。


どうして生まれたての大きさじゃないんだろう?

普通の猫じゃありえない見た目をしているのは何故?


様々な疑問があるが、暫く考えていたらなんだかどうでも良くなってきてしまった。

これについては後々考えることにしよう。


水面に写っている自分の姿を見ながら、まずは喋れないか試してみる。


"どうしてこうなっちゃったの?"


「にゃう...にゃ..みゃあぅ?」


高くて透明感のある鳴き声だけが響く。


………喋れたりしないかは諦めることにした。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


───数週間後


ふわふわふかふかの場所の上で目が覚める。

日の出方の感じを見るに、朝だろう。


初日の夜は、周りが見えなくならないか心配だったけど、なぜか周りは見えた。

猫の目って夜の中で光ってたし、たぶんそんな感じなのかな?

それはそうと、初日の夜、寝る前に木の葉をたくさん集めてきて、その上に乗って寝た。

この森の木の葉は、少しもふもふしていたから、集めて上で寝ればふかふかだった。それからはこの上で寝ている。


そのあと、喉が渇いたので、湖の方に行った。

驚く程美しい水に、視界を吸い寄せられた。


透明でキラキラと光っていて、あまり深くないからなのか透明だからなのか、底まで見える。

ゴミ1つ見えないし、富士山の天然水並に美味しそうだ。わかりづらいかもしれないけど。


よーく見てみると、陽の光の反射で光っていたのかと思っていたけど、明らかに違う光もあった。

こう、水が自ら輝いているような。


見ていると、不思議と本能的に飲みたくなる。


喉も乾いたし、初めていくらか飲んでみる。

すると、なんだか力が湧き上がってくる感じになった。

なんだろう───今ならなんだってできそうな気がする。


だから、探検に行こうと思った。そしてそのまま湖から離れ、前から気になっていた奥にある建物に走った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ