無事卒業しました。
何事も無く卒業しました。
一週間なんてあっという間に過ぎ、今日は卒業式です。
勿論、ダスト伯爵令息との婚約は解消しましたので、とっても身軽です。
朝、今日で最後となる制服を愛しげに撫で、私は学園に向かう馬車に、家族全員で乗りました。
学園では、卒業式が厳かに行われ、卒業生代表として挨拶もしました。
私を含め多くの方が父兄の方や学園関係者の方々に祝福され、無事卒業しました。
感傷に浸り目元も潤んでしまいましたが、ゲーム内では、この後学園ルートの断罪劇なのですが、多分ダスト伯爵令息達は何も出来ないでしょう。
卒業パーティーの会場には既に多くの方々が来ており、ドレスに着替えたマリアーナはユリアスの手を借り、馬車から降りた所で既に会場に来ていたルシルから声を掛けられた。
「マリ、これを中に入ったら発動してくれ」
ルシルから渡された魔法陣を受け取り、マリアーナが首を傾げた。
「これで何が分かるんですか?」
「見ててごらん。きっと女狐の化けの皮が剥がれるから」
「ルシル、えげつないぞ」
「良いんだよ。マリに迷惑を掛けた奴に遠慮なんてする必要ないだろ」
「マリアーナが絡むと容赦ないな」
楽しげに笑うルシルを、ユリアスが呆れた顔でたしなめた。
ブックマークをつけてくださる方が増えて、感涙。