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シナリオなんて必要ないです。

これで本編は終わります。

後日、ルシル達の話を書きたい、と思ってます。

「自分の努力不足を棚に上げ、嫉妬でマリを虐げていたくせして、言い逃れの御託を並べるので、喉を潰し魔力を封じて最下層のスラムに捨てて来た」


卒業パーティーの後、ルシル達は即座に動いていた。

感情を殺したルシル達を見た途端、不味いと思ったトーマスは父親の制止を振り切ってルシルにしがみ付いた。


マリアーナに対しての謝罪も無く、アイテムに支配されていたが自分はマリアーナを愛しているだの、大切すぎて行き過ぎただの、保身の為、あの男は最後まで聞くに耐えない事ばかりを口にしていた。


簡単に死なせはしない。

マリアーナに対しての侮辱行為は一瞬の苦痛だけで許せる事では無い。


ダスト伯爵は苦痛の表情で、ダスト家の為にトーマスを切り捨てた。


「惨めに、物乞いにでもなればいい」


本当にそれだけで放置するとは思えないが、彼は2度と貴族社会に戻れないどころか、人としての尊厳を奪われたのだから捨てて置くのも考えられる。


「さて、報告も終わったので俺は愛しい婚約者の顔を見に行くぞ」


ユリアスがサッと立ち上がり、片手を上げ部屋を出ようとした。


「認めてないからな」


再度ラファエルが噛み付くように叫ぶが、ユリアスは手をひらひらさせるだけで何も言わずに扉を閉めた。


「あいつのにやけた顔は気に入らないがマリが嬉しそうに笑っているから」


ミカリスの言葉に、ルシルがため息をついた。


「悲しそうな顔や困惑していたら全力で潰したのになぁ」


兄としては妹の幸せが1番だ。



「悪役令嬢なのに断罪されなかった上、今の方が大変ってどう言うことかしら?」


マリアーナの呟きにフローラがにっこり笑った。


「お嬢様、断罪出来なかったヒロインですが、出来なくて良かった、と思う私はどうすれば良いのでしょうか?」


フローラの言葉にマリアーナは首を傾げ、クスッと笑った。


「そうね。では、今の幸せを大切にしましょうか。大変だけど、今の方がずっと幸せだもの」


あっちこっちに走り回ったり、胃が痛い思いもするけど充実した日々だし、初恋を拗らせた婚約者の愛は重いけど幸せだから、修道院での生活より今の生活の方がずっと自分らしい。


「お嬢様。そろそろジルコン公爵令息様がお見えになる頃です」


フローラの声掛けにハッとなり、マリアーナは玄関に向かった。


シナリオ通りにならないからと言って、生きているもの達が不幸なわけでは無い。

そもそも、人生にシナリオなんて無いのだから。


「マリ、今日も綺麗だね」

「ユリアス様、昨日も同じ事を仰っていましたが」

「昨日よりも綺麗だからね。早くお嫁においで」


抑え付けていた反動なのか、ユリアスはマリアーナへの賛辞が止まらない。


笑い合う恋人達の楽しげな空気が早めの春の気配に色を添えていく。

マリアーナが純白のドレスを身に纏うのも後少しだ。


FIN


読んでくださってありがとうございました。

前に作った設定を軸に書いてて、楽しかった。

少しでも読んで下さった皆さんの憩いになっていたら幸いです。

充電して、新しいものを書き、またお会いできる事を願っております。

読んで下さってありがとうございます。

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