表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/44

一度原点に戻りましょう。

難問にぶつかったら原点へ。

「三度目ともなると、裏があるとしか思えないね」


ルシルがマリアーナの元に届いた手紙に目を向けながら髪をかき上げた。


「今度はニクラスさんですか」


やはり私に謝罪の手紙を送るのが流行っているようです。


「外交ルートで確かめたところ、ラスティックに厄介な生き残りが居るそうだ」


何故外交ルート?と思いましたが、あのアイテムの出処を探していたのですか。

すっかり忘れてました。


ミカリスお兄様が書類の束をルシルお兄様に渡していますが、私も見たいです。


「ラスティック?彼方はアレキサンド王国に忠誠を誓う国の筈ですが」

「阿呆は何処にでもいる」


ミカリスお兄様、それでは説明になってません。


「ジルコニアか。厄介この上ない奴だ」


ユリアス様が苦い顔で報告書を読んでますが、貴方のおかげで点の様に散らばっていた事案が形になって来ました。


「確認したい事がありますので、一度学園に行ってきます」

学園はまだ休みでしょうから、急ぎの理由が無くても入れる筈です。

「アイテム探しか?」

「アイテムはもう回収されてしまったと思います。ですが……」


どうしても気になる場所がある。


「学園には話を入れておこう」


ユリアス様が頷いた。



確かめる為に学園に向かうと青褪めた顔の学園長が正門で待っていた。


「お待ちしておりました」

「ご配慮、感謝します」


ユリアス様が丁寧に学園長に挨拶をし、門をくぐった。

ユリアス様。宰相の名前で圧力掛けましたね。学園長の冷や汗が滝のようです。


「場所は、あのガゼボだな」

「はい」


今回もユリアス様の同行を断れませんでしたが、2人で行動する事も慣れて来ました。


閑散としたガゼボの真ん中にあるテーブル。掠れた彫刻は指でなぞると微かに分かる。


「やはり、此処が出発点です」

「テーブルに仕掛けがあるのか?」


ゆっくりと学生の頃を思い出して仮説を話し始めた。

学生の頃、此処はサロンを使えない下位貴族達が時折使う場所だった。


デブリ男爵令嬢や攻略対象の彼らも人目を避けて此処で過ごす事が多かった。


「よく此処で、フローラさん達は5人で話をしていました」

「5人?」

「はい。フローラさんと令息達3人。そしてあの伯爵令嬢で5人です」


あの伯爵令嬢、と言うユリアス様が思い出そうと眉を顰める。


「卒業式の後、こちらに来た後謝罪に来たあの方です」

「あれか」


縦ロールが印象的な方でしたね。


「ルシルが調べたところ、あれの精神状態が普通じゃない、と言っていたが今までのと関係あるのか?」


ユリアス様、ナイス情報です。


「おそらくあると思います。フローラさんも放置していたら更に精神が崩壊し、暴れていたでしょう」


奇妙な連動性に、やっと法則が分かった気がします。


「魔法陣の基本である五芒星は一筆書きですから」

「その説明で理解しろって言うなよ」


既に理解している方が、何を言っているんですか。

明日は木曜日。1週間が早い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ