斜め上の返事が来た。
ヒロインが斜め上を暴走したら面白いかも。
「すごい。髪の色とか変えられるなんて」
フローラさんが驚いていますね。これはアーネストお祖父様直伝です。
「マリのように全属性の魔法を使えるものしかできないからね」
ラファエルお兄様が嬉しそうに説明してます。
姿を変えるのは禁止魔法薬を使えば出来ますが、あれは後遺症がヤバイんです。
「全属性!すごい」
おっと、思考が違う方に向いてました。頭を切り替えましょう。
属性から見ると、フローラさんは光属性が一番強いですね。
「お祖父様から教えていただいたの」
「教えたからって、できる物では無いけど」
ユリアス様がまた、仏頂面でぶつぶつ言ってます。
「フローラさんは……」
「私、ガーネット子爵令嬢様の侍女になりたいです」
何故?子爵令嬢に侍女はあまり必要ないと思いますが。
普通は、私のような身分が高位の令嬢の侍女になるんですけど。
「ほぅ、何故ですか?」
ミカリスお兄様の目が、また鋭くなった。
「命を助けて下さいました。多分、あのまま牢にいたら気が狂っていたと思います」
あり得ますね。あの精神状態では長く持たなかったでしょう。
「少しでも御恩返しがしたい」
「裏切れば、死にますよ」
ミカリスお兄様、何処の悪役ですか。私でも怖いです。
「ガーネット子爵令嬢様に助けていただいた命。ガーネット子爵令嬢様の為ならいくらでも差し出します」
キリッとした顔で言い切りました。
……うん。ツッコミ所満載だね。
命は一つしかないので大切にしてください。
「では、ラリマー家で君を預かろう」
ミカリスお兄様がニヤッと笑う。
悪役感満載です。
ですが、フローラさんを保護するのにはうってつけです。
外交官のラリマー家に忍び込むのは、まず無理でしょうから。
「ミカリスお兄様。フローラさんをお願いします」
「うちのメイド長がきっちり教育してくれるよ。侍女は無理でも専属メイドならどうにでもなる」
いえ、そちらでは無く保護を……。
「ガーネット子爵令嬢様。私、頑張ります」
「……無理はしないでください」
なんとなく方向性がズレた気がします。
「ある意味、良い目眩しになるだろう」
ユリアス様。それ、フォローになってません。
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