結構危ない橋を渡ってます。
なんとなく危ない橋を渡っているかも?
こっからの話、聞いた時は私もヤバイ、と思ったもの。
「……学園に入ってすぐ、ハモンド・タガー子爵令息と親しくなりたい、と思っていたのですが頭の芯が痺れる様な感じになり、気が付いたらタガー子爵令息だけでなく他の方達にも渡されたアイテムを使って、媚びていたんです」
フローラさんの話を初めて聞いた時、ヤバさにちょっとゾッとしました。
頭の芯が痺れるなんて、精神干渉魔法の典型ですもの。
「それって……」
ミカリスお兄様が眉を顰めている。
「学園内には精神干渉魔法の痕跡なんて無かったよ」
ラファエルお兄様、調べてたんですね。
本来の仕事である外交官では越権行為ですよ。
「魔力のレベルの低い者や防御魔法を怠っている相手に対して狡猾に、痕跡を残さず掛けることは可能です」
ユリアス様が静かな声で怖いことを言ってきた。
「魔術院のトップクラスのレベルを持つ者なら、可能です」
「精神干渉魔法が使われたとしても、誰が何の為に、と言う疑問が残ります」
この場合、方法はあまり意味がない。誰が、何の為にと言う目的が問題なんですよ。
「何の為に、フローラ嬢を利用して学園内に精神干渉魔法を掛けたんだ?」
ミカリスお兄様の態度が軟化した。
「フローラさんを使って問題を起こし、その裏で何かをしようとしていた、と考えると辻褄は合います」
そう考えると、あのアイテムも目眩しの為に用意されたものでしょう。
「マリ、フローラ嬢が外に出た、と言う情報は」
「遮断してあります。フローラさんは今回の件では唯一の、犯人を知る生き証人ですから」
ルシルお兄様が頷いた。やはり兄妹ですね。考える事が一緒です。
本人はよく分かってないみたいですが、フローラさん、貴女、命を狙われてますよ。
「では、フローラさん。目立つその髪と目の色を変えて下さい」
「えっ、はい」
驚いた顔で頷くフローラさんのピンクの目と髪は何色が似合うかしら?
「ごく平凡な、茶色で統一した方がいいだろう」
ミカリスお兄様の提案にフローラさんも頷く。
では、髪は小麦色で瞳はヘーゼルにしましょう。
あら、可愛い。
昨日は雪で今日は小春日和。




