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ヒドインのテンプレです。

やばい子認定しようかと思いました。

「ルシルお兄様。あの方ときちんとお話ししたいのですが」


当事者ですので、魅了魔法や服従魔法のアイテムの出所を探る為にもヒロインと話をしたい、とルシルお兄様に相談すると


「父上に話を通してもらうか」


と、返してきた。

やはり我が家は世間の常識から外れている気がします。


身内でも無い、外交官補佐の家が罪人の面会を簡単に取れる筈ないのに。

でも、通ってしまうんですよね。かなりあっさりと。



数日後、私がお父様から許可をもらい薄暗い牢に行くと、奥の牢の中でピンクの髪を振り乱し、デブリ男爵令嬢が叫んでいた。


「アタシは転生者で、このゲームのヒロインなの。ゲームだからアタシの願いが叶う筈だったのに。アンタのせいでなんでアタシがこんなとこに居なきゃなんないのよ」


なんですか?このテンプレのヒドインっぷり。

こちらに通して下さった警護官の方達がうんざりしていた意味がよく分かりました。


ですが、ちょっと聞かれてはまずいので、会話の防音魔法は掛けさせていただきます。


「ゲームゲームって言わないでくれる。転生者だからってなに。私も私のお祖母様も転生者よ」

「うるさいうるさい。此処はアタシだけが幸せになる世界なの。あんたなんかさっさと処刑されればいいのよ」


うん。言動が壊れてます。

でも、ちょっと変ですね。

もしかして……。


「解除」

「えっ?」


ヒドインっぷりに違和感を感じて解除の魔法陣を水晶の簪で描き、発動してみると、あれ程喚きまくっていたデブリ男爵令嬢が正気を取り戻した。


「やはり精神干渉魔法に掛かっていた様ですね」

「あの……。アタシ……。アタシはなんて事を」


解呪した事を話すと、どうやら落ち着いたのか、ポロポロ泣きながらフローラは自分の事を話し始めた。


頭を抱えたくなったのは、フローラがゲームの設定が崩壊している事を知っているのに強引に王宮ルートをこじ開けようとしていた事だろう。

この子、何がしたいの?


「今の貴女には2つの選択肢しか無い。1つは罪人として処罰を受ける。もう1つはこの騒ぎの黒幕を捕まえる為に私達に協力する。さあ、どっち?」


フローラは目の前に立つマリアーナのガーネット色の瞳をジッとみた。

そろそろ花粉の季節。

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