テンプレですね。
好きな設定を使って、新しいモノ始めました。
「お前みたいな、野暮ったい石のような女、僕がエスコートする訳無いだろ」
学園の廊下の真ん中で、婚約者からの言葉に頭を抱えそうになった。
偉そうに言ってますが、婚約者が居ながら別の令嬢に入れ込んでいる段階で、立場的にアウトなのが理解出来てないようです。
「分かりました。では、失礼します」
面倒な事になりそうですが、彼の腕に絡み付いている令嬢や後ろの取り巻きの令息達がにやにや笑ってますね。
嫌だ、と泣いて縋るとでも思っているのでしょうか?
本当に面倒です。
「お父様、ご相談したいことがあります」
卒業まで後1週間になった時、私、マリアーナ・ガーネットは父、ダドリー・ガーネットの執務室を訪れた。
私の訪問を知っていたようなお父様の顔に決心が揺らぎそうになったけど、顔を上げた。
「お父様。誠に申し訳ありませんが、私の力が足りず、トーマ様の心を繋ぎ止めることが出来ませんでした」
「トーマス・ダスト伯爵令息の事は知っている。マリ、何故もっと早く相談に来なかった?」
「お父様に相談をすれば、お祖父様達にもご迷惑を掛けると思って」
普通なら、普通の貴族ならすぐに親に相談する事だけど、うちはねぇ。
「シオン兄さんやアーネスト父さんがヤキモキしてたよ」
やっぱり。
「ま、さっくり片付けておくからゆっくり寝なさい」
「はい」
トーマ様、終わったな。
私は頭を下げ、お父様の執務室を出た。
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