兄弟喧嘩
室内に入るなと、リープに忠告されたから、外に出てみたはいいものの、判断を誤ったか?
ゲイブと戦闘中のヴァッフェは、地形を理解できておらず、苦戦を強いられていた。正面玄関を出てすぐの場所には、不安定な土壌が広がっている。硬い地面と柔らかい地面があり、思うように動くことができていなかった。ゲイブはどこに硬い地面があるのかを理解しているため、何不自由なくいた。
不自然ではあることが、思うように動けていないヴァッフェをゲイブは詰めようとしていなかったのだ。
遊ばれているのか?
これまでヴァッフェは距離をとりつつも、攻める気持ちを忘れないでいたが、ゲイブの狙いを見定めるべく、受けに徹した。最強だと名高いはずのゲイブの剣を受け止められていることも、不審に思った。
この調子なら、少し余裕を持って観察できるな。
ヴァッフェのメガネ、スーパービジョンには対象が移動した形跡を映すこともできた。ゲイブが着地した所を意識して移動する。
徐々に場所を把握し始め、ゲイブの狙いが時間を稼いでいるのだと、予想した。
「地形を理解したようだな」
「俺を殺す気で来ないのか?」
「殺す気満々なんだけどなぁ」
嘘だ。ゲイブの顔から殺気は感じられない。それは時間を稼ぐということを意味している。つまり、このままいけばお互いに倒れることはない。でも、それでいいのか?
「なにで俺が本気じゃないと判断した?表情か?戦法か?剣術か?見えているもので判断しすぎじゃないか?」
見えているもので判断しているわけじゃない。俺の第六感がそう感じているのだ。恐れていないのだ。
今回の目的は母含む被害者の解放。だけど、俺の実力がどんなものか知りたい。敵わないことはわかっている。けれど、ゲイブと俺との間にどれくらいの差があるのか確かめたいんだ。こんな抑えた戦い方じゃ、本当の強さを出せないし、ゲイブも出してくれない。どれくらい頑張れば最強になれるのか、最強を越すことができるのか。
「わりぃ、リープ。忠告は守るから、俺のわがままを許してくれ」
ヴァッフェは硬い地面を転々と移動し、タイミングを見計らって、ゲイブに突撃する。刀が防がれそうになれば回避し、当たりそうならそのまま突っ込む。決して、捕まることのないように。
「ようやくおもしろくなりそうだな」
ゲイブは口角を上げ、戦闘を楽しんでいる様子だった。その余裕をヴァッフェは知ることなく、無我夢中に自分の戦闘スタイルを貫いた。
二人は段々とスピードを上げ、やがて飛び交う刃しか視認できなくなっていた。
さらに速度を増そうとした時だった。ヴァッフェの足が地面に引っ張られた。
どうして!ゲイブはここも使っていたはずなのに!
「ベストタイミングではまってくれたね」
ベストタイミング…?
「だから、見えているものだけで判断しすぎだと言ったのだよ」
言いながらゲイブは距離を詰めてきた。
はめられたのか?わざと、柔らかい地面も使って戦っていたのか?せめてもの互角で戦えていたと思っていたのに、ギアを上げる前からもう、ゲイブの手中に…?
戦術、剣術、知力、体力…どの力でもゲイブには到底及んでいない。俺に勝てるものは何も、なかったのか…。
硬い地面だと思い込み、勢いよく突っ込んだために、中々足は抜けず、気づけば目の前にゲイブが立っていた。
「おもしろいくらいに時間ぴったりだ。俺も未来見えてるのかな」
時間ぴったり…何が起こるんだ…?
「もう戦えないと思うと、寂しいねぇ」
嘘だ。寂しいやつはそんな顔しない。そんな殺気のオーラを放たない。俺との勝負がしたいのなら、こここら出せ!
「一」
何も見えなくなった。何も聞こえなくなった。何も匂わないし、味もしない。はまっていた足の感覚すらなくなっている。なんだ、この孤独感は。
「ニ」
何も聞こえないはずなのに、数える声だけは聞こえてくる。聞こえた途端に、ヴァッフェと体は震え出し、汗が噴き出てきた。孤独であるが故に、恐怖していた。
「三」
ゲイブの囁きを最後に、ヴァッフェは後ろに倒れた。
「まずは一人目っと」
セターとの戦闘を終えたツァオバーは応援に向かう途中、ショーケースにいたブルーメを見つける。
「ブルーメ、大丈夫か?」
「私は、大丈夫です」
「急いで二人の応援に向かおう」
「応援に向かいたいのですが、隣の狭い部屋に被害者を避難させているので、様子を確認してから行こうかと」
ツァオバーは夢を見ているショートの周りを歩きながら観察している。
「いやらしい夢でも見てんのかね」
ショートの鼻の下が伸びていた。
「一緒に見に行こう。あとは、王室に向かうだけだからな」
二人はショーケースの隣の狭い部屋に入った。中は被害者を敷き詰めてあり、歩けるスペースがほとんどなかった。なんとかくぐり抜け、ケガや異変がないことを確かめると、二人は部屋を出ようとした。
「これ、エアのカラスに似てないか?」
「ほ、本当ですね。もしかして、エアさんの言っていたペットって…」
鳥小屋に入っていたカラスが頷いた。
「話はわかるんだな。どうする?連れて行くか?」
「もちろん!エアさんも会いたがっていると思いますし」
ツァオバーが鳥小屋の鍵を開けると、カラスは勢いよく飛んで行ってしまった。それから数秒後、廊下を走る何十もの足音が聞こえてきた。
「な、なんだ?増援か?」
「いえ、兵士の方たちとは違う匂いがします」
足音が去っていった後、二人は急いで足音が向かった先に走って行った。
リープとリーブは王室へ向かっていた。
「君、男好きなの?ずっと手繋いでさ」
「違うよ。でも、こうしないと何か悪さするだろ?」
「しないって、もう僕は能を使えないんだから」
嘘をついているとは思えない言い方をされ、リープは握っていた手を離す。
「僕はリーブ。君はリープだね?」
「なんで僕の名前を?」
「父と母から聞いているよ」
「父と母って?」
「もうすぐ会えるから、またその時に話すよ」
もしかして、王族の子どもなのか?
「話変わるけどさ、リープには兄弟はいるの?」
「いない、と思うよ。リーブが僕とそっくりだから、兄弟なの?って言われ…た気がするけど」
「そうか。ケンカはしたことある?」
「ケンカはないかな。人と関わることが少なかったから。ケンカって、人間同士のいざこざでしょ?できるだけしたくないなぁ」
「僕はしてみたいんだよね」
「やめといた方がいいんじゃない?」
「ただ、始めても終わり方を知らないんだ」
「あ、それなら本で読んだことあるよ。勝った方が諦めたら終わるんだって」
「勝った方が諦めるの?」
「らしいよ」
「勝負とは違うんだね」
「あとは、お互いに謝って終わり…だっけかな」
「お互いに謝るの?負けた方だけとか諦めた方だけじゃなくて?」
「うん、そこには"愛"が必要らしく…僕が説明してもよくわからないよね。おばあちゃんにもよく言われるんだ。何言ってるかわからないって。でも、優しく聞いてくれる」
リーブは、愛…愛…愛…と独り言を始めた。
「じゃあ、兄弟喧嘩は愛の証明ということか」
リープはリーブが案外悪いやつじゃないと、話していて思っていた。
「王室、着いたね」
王室…よぎった光景では中に男性と女性が座っていた。ヴァッフェと来たが、今はリーブという少年といる。果たして、どうなるのか。
リープは恐る恐る扉を開く。
「初めまして、もしくは久しぶりかな。ここには何をしにきた?」
男性が口を開く。
「あれ、リーブも一緒じゃない」
女性が口を開く。
「うん。運悪く捕まっちゃって」
リーブの表情は曇っていた。
「リープだ。ここへは捕われた人々の救出に来た」
「救出、ねぇ」
「リープ…」
顎を触る男性と、悲しい表情の女性。
「私はこの国の王、ラーピだ。隣は妻のソアミ。そして、リープ、君の隣にいるリーブは私たちの息子だ」
だから、さっき、ここで両親のことを話すと言っていたのか。
「人々の救出、と言っておったが、難しい話だな。国のための…」
「父さん、僕、兄弟喧嘩してみたい」
リーブが被せるように口を開く。
「兄弟喧嘩?誰と?」
ソアミは口元を抑えながら、王室から出ていった。
リーブはリープを見つめる。
「ほう、失敗作と完成品の対決か」
間。
「リープ、この対決に勝てば人々を解放してやろう。負ければ、まぁ、どうなるかわかるよな」
悪くないやつじゃないのはわかっているが、そういうことならば仕方ない。僕の目的はおばあちゃん含めた人々の救出。その障壁となるならば、たとえ自分を兄弟と呼んでいる少年と言えど、相手になる。でも、なんで僕と兄弟喧嘩?
「これは対決じゃない。ケンカだ。ケンカは勝敗が決まるまでじゃなくて、諦めた方の負けだ」
「それじゃあ、勝ったら負けじゃないか」
リープは背中に携えていた二本の木刀を構える。向かい合うリーブは特に戦う様子をせずにいた。
こうして見つめ合っていても仕方ないが、リーブの出方を伺いたいところでもある。しかし、ケンカにおいては先行が強いというのは本で読んだことがある。僕から仕掛ける!
リープが腰を深く下ろし、地面を蹴り上げようとした時だった。
「リープ!」
開いていた扉から、聞き覚えのある声が聞こえてくる。リープは思わず扉の方を見てしまった。リーブがそれを待っていたかのように、ラーピの方を見る。すると、リープの体が突然重力によって地面に押し潰された。
「リープ!?」
扉の前には、コヘンが立っていた。なぜ、ここにコヘンがいるのかはわからなかったが、この状況がまずいことだけはわかる。
リーブを見ると、見下すような表情を浮かべていた。全部、読まれていたのか?
絶体絶命の状況だ。このまま終わってしまうのか?脳をよぎった光景のように、失敗に終わるのか?
「ここか、王室は!」
「みんな続けー!」
「息子を返してもらうぞー!」
コヘンの後ろから次々と人が入ってきた。誰も見たことのない顔だった。
即席の武器を手に持ち、政府に反抗しているようだった。どういう状況なんだ?
「なんだね、君たちは?」
「俺たちは家族を奪われた被害者だ!」
ラーピはリーブを睨み、それに対しリーブは首を横に振った。
この人たちは街の人か?じゃあ、味方ってことでいいんだな?でも、なんでここへ?どうやってここへ?
「国は政府があって、国民がいる。それで成り立つものなんだ!国民のことを考えないやつが統べる国なんか終わりだ!」
ラーピは大きく、わざとらしいため息をつく。
「わかった。攫ったものたちを解放する。それと、今後はもうこんなことはしない。約束だ。いきなり言われても信用できないと思うが、街に何か異変が起きたら、すぐに政権を変えてもらって構わない。それまでは私がこの国を統べる」
気づくと重力から解放されていたリープが立ち上がり、コヘンの元へ駆け寄る。
「これはどういう風の吹き回しなんだ?」
「その話はまた後で。ヴァ、ッフェが危ないんだ」
「ヴァッフェが!?」
「ここはみんなに任せて、僕たちは外へ出よう」
ヴァッフェ救出のため、走り出そうとした時、ラーピが口を開く。
「リープ、君が嫌でなければ、リーブを連れて行ってほしい」
リーブは表情変えずに俯いている。
「頼んでいいか?」
リープは急がなくてはいけないこの状況で、少し時間を使った。リーブと話して、悪いやつではないことともう一つわかったことがある。リーブには何かが足りていない。何かを求めているようだった。助けて欲しそうな彼の気持ちを暖めてやりたいと思った。
リープはリーブの元へ行き、手を握ってコヘンと共に駆け出した。
「子どもの成長は読めないものばかりだ」
廊下を走っていると、向かいから走ってくる二つの影が見えた。
「ツァオバーさん!ブルーメさん!無事で何よりです!」
「そっちにすごい数の足音が向かって行ったけど…そっちの二人は誰だ?」
「コヘンとリーブです」
「なぜここにコヘンさんが…?」
「詳しい話は後で。ヴァッフェが危ない状況にあるらしいんです」
「わかった。でも、もう用は済んだのか?」
「僕らの他にも仲間がいたんです!」
ツァオバーは急いで話す内容を理解できていなかった。
廊下の傷つき具合を見ながら、ヴァッフェのところへ向かう。傷は建物内に留まらず、外にまで続いていた。リープたちは建物を出て、周囲を見渡すと、仰向けになっているヴァッフェと、ヴァッフェを見つめるゲイブがいた。
「ヴァッフェ!!!」
リープの叫びにゲイブが気づく。
「あれ、仲間増えた?しかも、リーブまでいるし。何がどうなっちゃったの」
あまりの光景にみな静まり返ってしまった。この距離から見ると、ヴァッフェは息をしていないし、鼓動も動いていない。苦しそうな顔をしている。
リープたちにとって、人間の死を目の当たりにするには時が早すぎた。信じたくないと、目を逸らし始める。
僕もそうだ。信じたくない。ゲイブに負けたという事実ではなく、仲間を、ヴァッフェを失ったことが信じられない。全身がそれを拒絶している。
「もうこの子は死んじゃったよ」
聞きたくなかった。その事実を述べる言葉を聞きたくなかった。けれど、耳には僕たちの願いが届かず、聞こえてしまう。なんで、どうして、ここまでうまくいっていたのに。最後になんでこうなってしまうんだ。
全員顔を下げていた中で、ツァオバーだけが前を向こうとしていた。
「リープ、ヴァッフェの死を無駄にしちゃいけない。今、僕たちができること、しなくちゃいけないことをするんだ」
小さな声で話す。
「わかった。ヴァッフェのお母さんのためにも、みんなのためにも、動かなくちゃ」
「そんな静かでお通夜みたいだね。安心して、順番に消していってあげるから」
ツァオバーはゲイブがヴァッフェから視線を外すその瞬間を待っていた。コインをリープに投げると、コインとヴァッフェの位置が入れ替わった。しかし、入れ替わると同時に、ゲイブも動き出す。瞬きもできないほど速く移動し、剣を振り上げ、リープたちをまとめて斬りかかる。
「クソガキ!後ろは振り返らず、前だけ見て走れ!逃げるんだ!」
斬撃を避けようとしたリープたちを助けた男の声を聞き、ヴァッフェを抱え、政府に入る時に使った道へ向かった。
「なんで助けるんだ」
「仕事なもんで」
ゲイブとスティーは剣を交える。
「わかってるだろ、俺らの戦いは不毛だって」
「俺が攻撃の手を止めたらそこをどいてくれるのか?」
「どかないけど」
逃げ出したリープたちは通路を抜け、民家を出て、急いでエアフィンの塔へ向かった。
「エアさん!僕です!リープです!ヴァッフェが…」
なんの返答もなく、エレベーターが開く。一同は九十九階の大広間にやってきた。リープがヴァッフェを寝かし、涙を堪えていると、エアフィンが現れる。
「無事に帰ってきてくれてなによりだ」
「無事に?この光景を見て無事と言えるのか?」
ツァオバーが声を荒げる。
「まぁ、待て。先に言っておくが、ヴァッフェは死んではいない」
「じゃあ、生きているのでしょうか?」
「呼吸してないし、鼓動が動いていないのにか?」
「生きている状態に"死"を与えられたのだ。おそらくゲイブにやられたものだ。彼は贈与という能を持っている。それでわしに発明を与えたことは言ったな。それと同じような原理だ」
「でも、それは死んでいると同義なんじゃないですか?」
「人間は死ぬと生き返ることはできない。しかし、与えられたものを盗ることができれば、生きている状態に戻る」
「そんなことできるのか?」
「一人だけ。少し離れたナチュラル家が統べる国の戦闘員をしているスティーという男だけが可能だ」
「じゃあ、早速向かわないと」
「落ち着かんかい。今のまま向かっても、途中で君たちが野垂れ死ぬのが目に見えておる。向かうのなら準備をしてからじゃ」
「このまま放置していちゃだめですよね?」
「もちろんだ。栄養を体内に送り続けていれば、身体が腐ることはない。そのための施設も用意してある」
「どうしてそんなに知っている?それに用意周到なんだ?」
エアフィンは左肩にいたカラスを右腕に移動してみせた。
「助けてもらったわしのペットが教えてくれたんじゃ。おかげで色々と動けた。この通りだ」
エアフィンは深々と頭を下げた。
「じゃあ、リープ、ヴァッフェを九十二階へ運んでくれるか?」
リープは頷いてから、ヴァッフェを担ぎ上げた。エレベーターで、治療室へ向かい、ヴァッフェを寝かせた。
「僕の忠告が届かなかったのかな。いや、そんなことはない。何を言ってもヴァッフェは僕のことを信じてくれていた。僕もヴァッフェを信じないでどうする」
ヴァッフェの手を握り、回復を祈った。
「よく見ると見ない顔が二つあるが…まぁいい、今日は疲れただろうし、ゆっくり休め。この場所は政府には見つからない」
眠りにつく者もいれば、外の空気を吸いにいく者、ヴァッフェを心配する者、一人になりたい者、様々な思いが塔の中で彷徨っていた。
「コヘン、今日のこと聞かせてよ」
移動することなく、大広間で横になっていた二人が口を開く。
「今朝、忘れ物をしたお客さんに物を届けに行ったら、たまたまブルーメのアホ毛が見えたんだ」
「アホ毛?」
「うん。姿は見えなかったけど、確かにあれはブルーメのアホ毛だとわかった」
毎日が忙しくて、緊張していたのか、ブルーメにアホ毛があることなんて知らなかった。
「それで僕の体は気づいたらリープたちについて行ってたんだ。誰もいないのに民家の扉が開いたのは驚いたよ。それから街が異様に静かなのに気づいたんだ。地上に滅多に出ない僕にでもわかった。そこでリープたちがシュピルで話ていたことを思い出した。人がいなくなってるって話ね。それで政府に向かっているのだと考えた僕は犯罪予告風のチラシを作って、街中にばら撒いたんだ。結果、街の人は一致団結して政府へ向かって行った、というのが全部かな」
「なんでわざわざそんな面倒なことを」
「三人を見てて、羨ましいなって、僕も混ざりたいなって思ったんだ。手助けしたらぼ、僕も、仲間になれるかなって」
コヘンが珍しく表情を変えていたのを、リープは見逃さなかった。
「僕はもう仲間だと思ってたよ。コヘンはシュピルで働かないといけないと思ってたから誘わなかっただけで…てか、お店はいいの?」
「うん、ドヒさんにどうしてもな理由を伝えたら、承諾してくれよ。メモだけど」
「良かったじゃん!」
リープはコヘンが笑ったのを初めて見ると、満足したように深い眠りについた。




