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【青年と異世界】

本編です。よろしくお願いします。

【青年と異世界】


気が付いたら俺、佐藤海は草原に立っていた。

「ここはどこだ?確か紫色のテントの中へ入った記憶はあるんだが・・・」


俺はそう言って周りを見渡した、特にこれと言って何もなかった。

しばらく草原に立っていると、馬の歩く音と車輪の音が聞こえてきて、だんだん音が大きくなって近づいてきた。

そこにはきれいな服を着た一人の少年が馬を引いて荷台を動かしていた。


「あの・・すいません」

と恐る恐る声をかけた。すると少年は馬を止めて俺の方へ来てくれた。


「お兄さんどうしたんですか?」

「気が付いたらここにいて、どうしたらいいのか分からないんだ。」

「見たことない服を着ていますね。迷子ですか?ボクは今から街へ行くところなので良かったら一緒に行きますか?」

「いいのか?こんな誰とも知らない人が一緒で・・」

「ボクの名前は、セツです。お兄さんの名前は何ですか?」

「俺は佐藤海です。サトウが家名で、カイが名前です。」 

「お兄さんは、貴族か何かですか?」

「貴族ではないよ。変かな?」

「貴族でないなら、名前だけの方が怪しまれませんよ?」

「分かった。これからカイと名乗ることにするよ。」


こうしてセツの荷馬車に一緒に乗り、街に向かい始めた。


「ところでお兄さんは、何か戦えたりしますか?町の外には魔物がいて危険ですよ?」

「魔物?恐ろしいなぁ。俺は何ができるか知らないんだ。力はないのだが、魔法か何かあるのか?」

「魔法を知らないんですか。この世界には魔法を使える人もいます。ボクは武力の方が高いので剣を使って魔物と戦いますが、調べてみます?」

「調べれるのであれば調べたい。どうしたらいい?」

「ボクは今空の魔石を一つ持っています。これを手に持ち、力を注ぐイメージを石に向かってしてください。」


というと魔石をもらい、早速目を閉じ力が魔石に集まるようにイメージしました。

すると魔石は光だし、粉のようにはじけて消えました。


「お兄さん凄いです! 魔法の種類も一瞬でしたが七色に輝いていましたし、魔石が壊れるほどの魔力量なのでかなり多いと思いますよ!」


セツは興奮気味に教えてくれた。こうして話していると、街にたどりついた。

入り口の門番さんに挨拶をし、通行料をセツから借りて払い中に入りました。


「お金ありがとう。必ず返したいからまず、働ける場所を探さないとな・・」

「でしたら冒険者ギルトに行ってみませんか?ボクも冒険者登録をしていて、一応冒険者なんです。」


そういって冒険者ギルドへ行き、冒険者登録をした。

冒険者ギルドは、酒を飲んでいる大人が多くいて、賑やかな場所でした。

そして俺たちは冒険者ギルドを出て宿屋に向かって歩いている。


「そういえばこの町の人の服ってどれも高そうだな。」

「そんなことないですよ。ボクは平民ですが、ボクでも買える服沢山ありますよ。良かったら今から服屋に行きますか?」

「ありがたいけど、俺、金無いんだよな。」

「一つぐらいなら買いますよ?」


そういって、二人で服屋に行き、一通りの服を買ってもらった。

服屋を出て宿屋につき、ゆっくり休んだ。

次の日からしばらく、冒険者ギルドに行き、薬草や討伐のクエストを受け、森へ移動しクエストをこなす日々が始まった。

初めの1週間でセツに立替てもらっていたお金は返したが、その先も一緒にクエストをする日々が続いた。


冒険者登録をして、2か月冒険者ランクも上がり、一人前といわれるランクになった。


今日は、イノシシみたいな魔物討伐のため二人で森に来ている。


「これで9匹目、あと一匹だな。」

「お兄さんの魔法も安定して、連携もとれていて戦いやすいです。」

いつもセツが前衛で剣を振るい、俺が後衛として魔法で援護するという陣を組んでいる。

目の前にラストイノシシ型の魔獣が出てきて、セツが剣で首を落とした。そして魔法で魔物の血を綺麗にして、俺の持っているアイテム袋へ直していく。

「これであとはギルドに報告するのみですね。」

「あぁ、気は抜かない方が・・「キャー・・誰か助けて~~~」


話をしている最中少女の叫び声が聞こえた。

声がした方へ急いで駆けつけると、トラのような魔物が少女に襲い掛かろうとしていた。

「エアカッター」

すぐさま魔法で魔物の首を狩りアイテム袋へしまった。

「大丈夫か?」

「ひぃぃぃ。ごめんなさい。殺さないでください。」

声をかけると少女は土下座のような体制で泣きながら言ってきた。


「殺しはしない。だがなぜこのような森にいたのだ?」

「わ、私は、逃げてきました。私、死にたくなかったから・・」

「なるほど、もしかしてあなたは奴隷として売られたのですか?」

すると後ろからセツが質問した。

「そ、そう、です。怖くなって一人だけ逃げました。他の仲間も助けてほしいです・・・」

そういって少女は俯いた。

「奴隷?この世界はそういうのが存在しているのか?」


俺の友人はオタクだった。異世界のストーリを読んでは良く話してくれた。たしか奴隷がいる作品には悪徳な人が売買やっている話が王道だが、この国ではどうなんだ?


「この世界には奴隷は存在していますよ。奴隷の制度は良くは思われていませんが、一部の貴族が好んで買っているそうですよ。ボクは関わりたくないですがね。」

「私たちは、違法奴隷?性奴隷?てきなものだと運んでいる人が話しているのをきいたよ。」

と首を傾けながら少女は教えてくれました。

「なるほど、それなら奴隷商を捕まえて突き出したら、報酬がもらえそうですね。そうと決まれば情報収集ですね。」

「ミアたちを助けてくれるの?」

「いいですよ。その代わり作戦に協力してもらいますが、お兄さんもそれでいいですか?ボク違法奴隷は許せないのですよ。」

「あぁいいぞ。俺に協力できることはしよう。」


こうして、俺たちはミアを新たに加えて宿屋に戻った。

この日からしばらく、セツと俺は二手に分かれて情報を集める為街の中を散策した。

一週間後、ミアの服を買う為に三人で服屋に向かった。


「大体情報は集まった気がするけど、今回はおっかないことをしてますなぁ。これをして貴族に目をつけられたら最悪ですよ。」

「まぁその時はどこか逃亡でもしないか?ミアもいい子だし、セツの故郷へ行ってみたいな」

「いいですよ。これが片付いたらボクの村へ行きましょう。優しい人が多くていい場所なんですよ。」

「おい!そこの小僧たち!」


三人で街を歩いていると後ろから声を掛けられた。振り返ると、身長180センチぐらいの強面の男性が立っていた。


「ここ一週間前に奴隷が一人消えたの知ってっか?高値で売れそうな可愛い少女なんだが」

「さぁ、知りませんね。」

そういって、ミアを自分の後ろに隠した。

「今だれを隠した? ちょっと見せてみろ」

強引にはがされてミアを見た。

「見つけたぁ~。まさかこの俺に向かって嘘を言う人がいるとはなぁ。てめーは何様だ?」

急に男にセツが襲いかかろうとすると、セツの腹に一発けりを入れた。セツは後ろに下がり、体制を整えようとしており、セツの腹にけりを入れた男は、俺の腹にも一発殴ってきた。後ろへよろめいている隙にミアを捕まえて、男は姿を消した。

「相手の動き早かったですねぇ。さすがに少し痛かったですよ。」

「あぁすぐミアを取り返しに行こうか。」

「いったん宿に戻り、ミアの様子を確認し、急ぎであれば向かいましょう。少しでも万全の状態で挑んだ方が勝率は上がるのでね。」

「そうだな。心配だが、何かあればミアにかけた魔法が反応するだろう。」


こうして二人は宿屋へ向かい。魔法でミアの居場所を突き止めた。そこから作戦会議をして、眠りについた。

早朝、朝日がまだ昇っていない時間帯、俺とセツは奴隷商の店の裏手に居た。

俺は認識疎外の魔法をセツにもかけ、二人で中に入っていく、そして奴隷が沢山いてる部屋に入った。

「ミアはどこにいるんだ?」

魔法を展開し、位置を確かめる。すると奴隷部屋の一番奥の部屋にいた。

慎重にミアのいる部屋へ向かいドアを開けた。すると鎖で繋がれつられているミアがいた。部屋の中に入ると5人の男たちがいた。

すぐさま氷の矢を男たちに放った。


「よお、来たなぁ。俺たちが可愛く遊んだあげるよぉ。ニヒヒヒ」

と氷の矢をよけて男たちが汚い笑みをして近づいてきた。

セツは、剣を抜き、身体強化を使い男たちに切りかかる。

「許さない。絶対に後悔させてやる。」

セツの行動に俺は氷の魔法で相手の足を凍らせて動きを封じた。

すぐさまセツが切りかかり、男の首をはねた。

「ぐは・・」

「うぁ・・」

男たちは次々に死んでいった。すると一番後ろにいた太めの男が立ち上がった。

「よくもわしのおもちゃたちを殺してくれたなぁ。許さん、ゆるさん。ユルさんぞ!!!!」

そういって紫の魔石をポケットから取り出し、ミアの首輪にはめ込んだ。」

「うわぁぁ!! 誰か助けて~。」

するとミアが意識を戻したかと思うと黒い霧に飲み込まれた。

黒い霧からは黒い球が飛んできた。それが俺の肌にあたる。


「痛っ!何!? 肌が焼けてる? ヒール」

俺はすぐに回復魔法をかけた。

「セツ!この黒い球は肌を焼くぞ!当たったらだめだ!気を付けろ!」

「了解です!ミアを任せましたよ。お兄さん。」

するとセツは黒い球をよけながら男の方へ近づいていく。

セツが男に近づくにつれて黒い球はセツの方へ飛んでいってる。


ここで俺のできることは一つ、ミアを救うことだ。確か紫は闇だから、聖魔法で助けることが出来るのか?

王道な話では聖魔法があるらしいのだが、この国でもあるのか?

と考えたが、それ以外の良い案が浮かばなかった為。一か八かミアのいる黒い大きな霧に向かって、助けたいと思いながら、聖魔法を想像してはなった。


「うわぁぁあ! 助けて~。助けてよ。お兄ちゃん。」

とミアの声が聞こえてきて、あたり真っ白の空間に移動した。その真ん中では体育座りをして泣いているミアを見つけた。」

「やっと見つけた。ミア迎えに来たよ。宿へ帰ろう?」

するとミアが顔を上げ立ち上がった。

「うん。助けてくれてありがとう!お兄ちゃん!」


そういってミアと手をつなぐと元の空間へ戻ってきた。すると目の前には血で染まったセツが立っていた。

「セツ!大丈夫か?生きてるか?」

「ぶははあ!わしに勝てると本気で思っておったのかい?笑わせる」

セツの前にはさっきの太い男が満面の笑みで立っていた。


俺はすぐにセツに駆け寄り、回復魔法をかけた。するとセツは無事意識を取り戻した。

「お、お兄さんありがとう。もう少し戦えそう・・援護お願いします。」

するとセツは立ち上がり剣を構えて男の方へ向かった。

俺は強化と防御をセツにかけ、氷魔法で男の動きを封じた。

セツは一瞬で詰め寄り、男の首をはねた。


そのあとは、奴隷商に居る人を捕まえてから、近くに呼んでいた自警団の人を中に入れ、対応をしてもらった。

ミアと同じようにつかまっている人は解放されたが、行く当てがない人は孤児院へ行くことになった。


その後俺たちはというと、領主から報酬をもらい。ミアを連れて、街を出ることにした。

しばらくは報酬で生活できるので、のんびりとセツの村へ向かいながら、三人でのんびり生活をした。

途中知らない町や街にお邪魔して、冒険者としてクエストを受けたりしながらの生活をした。

セツの村についてからも三人の意見で旅がしたいとなったので、三人で旅をしながらたまに事件に巻き込まれつつ解決しては報酬をもらう生活をしている。

俺は異世界に来れて良かったし現実世界に戻りたくないなと思ったのだった。


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