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元剣聖ハル・シアード・レイの神獣討伐記  作者: 夜て
神獣白虎編
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都市パース

 都市パースの中心に位置する古城アイビーは、小高い崖の上に建っていた。


 古城アイビーの敷地は広く、小さな町がすっぽり入るくらいあり、ぶ厚く高い城壁で囲まれていた。


その防御の高さに特化した城の姿は、元の国の過去が壮絶だったことを想像するにはたやすかった。


 さらに古城アイビーの敷地を出入りすには、巨大な橋が一本あるだけで、他の場所から入るには、崖をのぼるか、飛行魔法に頼るしか方法が見当たらなかった。


 しかし、このパースの都市周辺には【マナ】が満ちているため、実際に魔法を使うことができた。


 城壁の崖に面した壁には、普通ならありえない場所に扉のようなものがあり、飛行魔法を使っている人を見ることができた。


 古城アイビーから橋を渡るとそこには、緩やかな傾斜の土地が扇状に広がりその上には、大きな石畳の道に、美しい石造りの街が広がっていた。


 古城アイビーを中心にぐるりと、街が広がっているため、崖下にも、橋にも人々の住む建物が建っていた。


 ハルたちの軍は、古城アイビーに直行するため、街の中を進む。


 その間、兵士たちも初めて来たものが多いのか、テンションが上がっていた。


 さらに、そこで目撃したのは種族の種類の多さだった、貿易都市と言われるだけはあり、五大種族と呼ばれ、人族をはじめ、獣人族、エルフ、ドワーフ、竜人族がそろっていた。


 そして人族以外の人種族は、亜人種と呼ばれた。


【人族】は亜人種すべての基本となる、最初の人の種族と言われていた、そのため、この大陸に占める人族の割合はどの種族よりも多い。


【獣人族】は人族に、人族の耳の位置に、獣のぶ厚い毛がある耳があり、お尻のうえに尻尾が生えた姿をしており、下半身が動物のような毛でおおわれていて、上半身も腕と手だけが動物のような毛や鋭い爪など動物的な特徴を持っている。顔や、首、胴体は人族と全く変わらず、人族より身体能力が優れている点が多いのが特徴である。


【エルフ】は、背が高く、耳が長く、金髪が基本的に多く、五大種族の中で一番寿命の長いのが特徴である。


【ドワーフ】は、人族と見た目が変わらないが、成人になっても、背が低く、人族より力が強い。さらに土属性の魔法適性が高いのが、特徴である。


【竜人族】は、人族に、鱗が生えている姿をしており、鱗の生えた尻尾がある。鱗は胴体以外に生えており、顔や首にも少し鱗がある者もいた。鱗が無い部分の皮膚も防刃性に優れており、竜人族は、耐熱と毒に対する強い抵抗があるのが特徴だ。


 王都にも少ないが亜人種はいる、どの種族も基本的に自らの国があり、そこで暮らしているが、ここでは多種多様な種族が街の中を歩いていた。


「やはり、ここは亜人種が多いですね」


 ライキルはあたりを眺めて言った。


「そりゃな、各国の貿易の中心に位置する都市だからな、王都よりは他種族がいるだろうよ」


 エウスが言った。


「ここだけ、レイド王国っていうより異国みたいな感じなんですよね」


「まあ、七王国の時代はここもセウス王国って言われて………」


そうエウスが喋っている途中に、ライキルは。


「ハル、ハル、甘菓子が売ってます!ほら、あっちで売っています!後で一緒に行きましょう!」


とはしゃいで言った。


 エウスはこの街の豆知識を披露しようとしたら、甘菓子の魅力に負けてしまったようで、ライキルは馬をハルの横につけ、袖を引っ張って、菓子屋の方を指さしていた。


 エウスは目を細め、つまらなそうに街の景色を眺めた。


「はいはい、わかったから、ライキル馬から落ちるからあんまり強く引っ張んないでくれよ」


「ふふ、後で絶対行きましょう!」


 石畳の緩やかな坂を、ハル達の軍はどんどん昇っていく。そこから見える景色はどんどん絶景に変わっていった。


 そこでエウスは、景色を眺めるのに飽きたのかハルに話しかけた。


「アスラ帝国の剣聖は来てると思うか?」


「ああ、来てるんじゃないか多分、あっちの方が」


そう予言めいたことを言うハルの顔は、嫌そうな顔をしていたが、逆にエウスは顔をにやつかせていた。


「そうだな、フォルテ剣聖が来てくれるだろうな」


「くそ、仕方ないことだ、帝国には協力してもらわなきゃいけない」


「あいつ、絶対ハルに勝負を申し込んでくるぜ」


「あああああああ、めんどくさい」


「アハハハハハ、お前が最初に、あんな勝ち方するからだよ」


「でも、あいつどんな勝ち方してもめんどくさく絡んできそうだけどな」


「違いないね、だが剣聖になっても立派な向上心を持っているのは一般の兵士の俺からしたら怖いね」


「エウスが剣聖だったら、全力で剣聖の地位を商売に利用しそうだけどな」


「当たり前だね」


 二人が笑いあっていると、いつの間にか、古城アイビーに続く巨大な石造りの橋が目前に迫っていた。


「やっと着いたな」


 エウスが言った。


「そうだな」


 ハルが返事を返すと、橋の先には、大きな城門が、ひっそりとたたずんでいた。












矛盾があったので修正しました。修正内容は、エウス以外パースの街に訪れていないと書いたのですが、修正して、ハル、エウス、ライキル、ビナはパースの街に何回か過去に訪れたことになっています。2021/7/11


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