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TS転生したけど、子供いた  作者: 赤途碧
TS転生したけど、子供産んだ
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聖女と苦手意識


 わたし、貧乏神ことびーちゃんは友人である疫病神ことやっくんと行動を共にしている。


 普段は単独で動いているけれど、今回は創造神様からの直々な命がある為、一緒にいることが多い。


調査対象 ノガミ・ミカ

調査1回目

 

 ノガミ家の住居を確認。

 庭も広く住居も大きい。

 そして、なんか小さい創造神様とソフィアが空で殴り合っている。

 あ、決着がついた。

 ソフィアがうつ伏せでピクピクしてる。

 てか創造神様! 防犯対策に結界まで張っている上に、わたし達まで入れませんよ!


「やっくん、見た?」

「ええ、まさかソフィアに子供がいるとは思っていませんでした。あのユキって子は外国人でしょうか?」

「わたし知ってるわ。ダークエルフって言うのよ」

「見た目は人間と似ていますね。じゃああの子は女神とダークエルフのハーフですか。しかし、門前から人の家を覗く為に神眼を発動するってどうなんでしょう?」

「……まあ視覚を強化してるだけだから」

「女神の戦いを見たというのにミカさんも飄々としていますし、なんというか動じない人ですね」

「うーん、なんか忙しそうだし、今日は帰ろうか」

「そうですね」


調査2回目


 ノガミ・ミカの夫であるノガミ・ハルに娘のノガミ・サキを公園で発見。

 2人の後を付けて回転寿司屋へと向かう。

 少し離れた場所に席を確保。 

 子供の方はとびっ子ばかりを食べている。

 え? 次も? どれだけ好きなの?

 わたし達も2人を見ながらお寿司を食べる。


『おめでと〜! 当たりだよ! 当たりだよ!』


「「え?」」


 ノガミ父娘が食事をしている場所から聞こえてきた機械ボイスに、わたし達は目を見合わせた。


(貧乏神と疫病神がいる時に景品が当たるなんて有り得ない)


「ねえ、やっくん。これ、まずくない?」

「ええ、たぶんミカさんの影響かと……」

「どうする?」

「多少強引でもハルさん達に接触するしかないですね。少し程度なら体調に変化があったとしても創造神様達がいますし、あの2人が厄を持って帰れば、わたし達がいることも伝わるでしょう」

「そうね。そうしましょう」


 今回の調査でわたし達の存在は創造神様達に伝わり、次はノガミ・ミカが1人で出歩く時を作り尾行する作戦となった。


 というか、呼んどいて忘れてましたよね?


調査3回目


 門前にてノガミ・ミカが部屋の中にいるのを確認。

 子供番組で大爆笑。

 笑いのツボは浅いらしい。

 途中でヒマを感じすぎて外出。


「出てきた! いくよ、やっくん!」

「……」

「どうしたの?」

「……いえ」


 少し様子のおかしいやっくんとノガミ・ミカの尾行を開始。

 少しずつ距離を詰める。

 神眼発動。


「やっぱり近くで確認しても金運が下がることはないわね。そっちは?」

「同じです。厄年もなければ厄というものすら存在しません」

「性別が変わったり子供を育てることになったりと色々苦労したのに苦労とすら思ってないってこと?」

「たぶんそうでしょう」

「なら少しでも金運を下げておかなきゃね」


 おっ、自販機にお札を入れたね。

 ふふっ、貧乏神の力を見せてあげましょう。

 さあ、消えろ! 千円札!


『あれ? 飲み込まれた?』


 よしよしよし。いい調子だ。


『おっ、電子マネーも使える』


 機械か。

 やっくん出番だよ!

 自販機かスマホを壊しちゃって!


 ガチャン!


『よし、今度は買えた』


 え? なんで壊れてないの?


『あ、当たった』


 しかも、もう一本ジュース当ててる!?


「やっくん、どうなってるの?」

「……やっぱり」

「1人で納得してないで教えてよ。貧乏神と疫病神が揃ってて商品が当たる上に電子マネーも使えるとか有り得ないんだけど?」


 回転寿司屋で会ったノガミ・ハルやノガミ・サキの時みたいに油断していたわけでもないし、わたし達が意識した上で対象に不運が続かないのはおかしすぎる。


「最初は女神連中と過ごしているせいだと思っていましたが、びーちゃん、たぶん彼女は……聖女です」


 うん? 

 せい……じょ? せいじょって……あの聖女?

 あの女神だろうが邪神だろうが、悪いことしたら叱る人間の女性?

 え? 日本に存在していたの?


 わたしだって神だ。

 昔いた他の世界や国などで聖女と関わったことだってある。

 

 そう……怒られる。怒られる。


「え? どうしよ、どうしよ?……に、逃げなきゃ」


 そう、わたしは聖女に対して苦手意識しかないのだ。


『あの……』


 声がした。

 目が合った。


「ひぃっ!」


 悲鳴が出た。




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