光
―――朝、目を覚ますと、カーテンに遮られ、隙間からこぼれる光が出迎える。
憂鬱になりながらもなんとか布団から出て、早速PCの電源をつけると、時間の欄には10時と表示されている。
朝ご飯を食べるのも億劫なままダラダラと音楽をかけ、スマホの通知をチェックする。もうやっていないゲームの通知だけがうんざりするほど並んでいるが、その中に知り合いからのメッセージはない。
―――ようやく朝ご飯を食べ終え、服を着替えた時にはすでにPCの時刻表示は11時半となっていた。休日である今日は、近くの電器屋に行ってスマホの充電器を買いに行く予定だ。最近、コンセントに5回くらい刺さないと反応しなくなっているのだ。
―――12時になってやっと、外に出る決意をする。玄関で靴を履いてドアノブに手をかけたその時。
ピロロン♪
この音を聞いたのはいつぶりだろう。ドアノブに手をかけたまま、知人からのものだと思われるメッセージを開け、読む。曰く、
「久しぶりに会えないかな?返事ください」
とのことだ。
少し考えてから返事を打ち込んで送信する。
スマホをポケットに戻し、ドアを開ける。
光を遮るものがない外の世界に踏み出し、目的地までの道を一歩一歩進んでいくのであった。