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異界の威廻  作者: 箕被 啄木
1章 始まりの日
4/4

3話 運命の決断

「もう〜い〜かい?

ま〜だ〜なの?」


「もういいよ」


「おっ!しっかりと殺される覚悟は

出来たみたいだね」


「ふっ、それはどうかなっ!」


そうして俺は全速力で走っていった


当然相手も銃を撃ってくる

距離的には廊下の半分くらいはあったから

避けながら行ったとしても中々辿り着けない


だが体を前傾姿勢にして被弾面積を減らしつつ

頭を守りながら行ったら致命傷を避けつつ

何とかやつに辿り着くことが出来るだろう


一体一なら……


お互いあと数歩という所で


「は〜い、ストップ〜

そこで止まらないと学君殺しま〜す」


「くっ………」


「ふっふっふっ、君には驚かされっぱなしだよ

まさかあの状況で逃げずにこっちに向かってくるなって思わなかったよ〜」


そして銃口をこちらに向けて


「じゃあ今度こそ……」


「いや、まださよならの時間じゃない」


「何っ!?何故お前が背後にい……」


アナスルが言い終わる前に、いや、正確には学が殺される前に俺は奴の顔面を思いっきりブン殴った


「グハッ……………カクッ」


見た感じ気絶したみたいだ

一か八かの作戦だったけど何とか上手くいったな

と言ってもこっちも弾何発か食らって

めっちゃ痛てぇし血は出るしで完勝とは言えないけど


これで万事解決……

じゃあないだろ!

こいつはこのままではまた床の中に潜ってしまう…

でもどうすれば良い?

ずっと吊るす、なんて事も出来ないし……



「目を隠せば良い

そいつの能力も魔眼によるものでな

自分が見たものの中にしか入り込めん」



またあの声だ

俺を事実上助けてくれた女性の声



「早くしろ、奴が目を覚ます前にな」



俺はその女性の声に従って目を隠した

目を隠す布や手を結ぶ布が周辺には雑巾しか無く、

致し方なくそれらを使ったから、

そこはちょっと申し訳ない

まぁ、元はと言えばコイツのせいだし

気にしない気にしない


「なぁ…要…、これは一体……

てかお前は一体……何者なんだ…?」


「なぁ学、この事は追追おいおい説明するからさ、

今は早くこの学校から出るんだ

まだ危機が完全に去ったとは限らない」


「じゃあ怜も一緒に……怪我も酷いし…」


「ごめん…俺にはまだすべき事があるんだ…

でも大丈夫!すぐにまた再会できるよ」


「わ、分かった……じゃあまた後でな……」


そうして学の姿が見えなくなったとほぼ同時に

アナスルの目が覚めた


「うぅぅぅぅん……臭っ!

何だこの匂い!何か腐った匂いがするな!」


「ようやく起きたか、

こっちは色々とききたいことがあるんだけど」


「お前は……ホールダーか?

ならその前に聞かせろ、何故お前は俺の背後に急に現れた?その直前までは俺の銃口の先にいたのに」


「う〜ん……中々言っても分からないと思うけど

まぁ、つまりは未来の自分と現在の自分を入れ替えたんだよ、地理空間情報だけをね

でもそれをやるのは今回が初めてだったから本当に一か八かだったんだよ」


そうしてアナスルは笑って、


「ふっ…なるほど……威廻の魔眼には

そういう使い方もあるのか……

未来視や過去視の様なことをすることが出来るって言う噂は聞いた事あったけど、まさかそこまでその魔眼を使えこなせてるとは思わなかったよ」


「まぁ、最期のあれは俺も知らない女性からの

助言だったけどね

いきなり時間止めたりテレパシー来たりでちょっとビックリしたけど」


「なっ………、

おい、ちょっと待て

あいつがお前を助けた?

いや、そんな筈はない……

だってあいつはお前のその魔眼を……」


すると次の瞬間、アナスルの体が

異常な程に膨張し始めた


「くっ………あいつ!

俺が使えないと判断した途端にこれか!

ちょっ……やめっ………あぁぁぁぁ………

ぐぶぅぅ………ゥ……」


まずいまずい

このままでは俺も巻き添えだ


「早く逃げないと…」


「今逃げても無駄だぞ、この爆発はこの学校を全部吹き飛ばす程強力だからな」


えっ?じゃあ俺詰み?


「そこで1つ提案がある

と言ってももうそれを選ぶしか君が生き残る

道はないわけだが」


「何でも良い!早く教えてくれ!」


「では言うぞ」











今振り返ってみると、

俺はきっとこの一言で

今後の俺の全てが決まったんだと思う




どんなに楽しい事も

どんなに辛い事も




そして……



俺の人生がどんな末路を迎えるかも














「異世界召喚、されてみるか?」




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