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異界の威廻  作者: 箕被 啄木
1章 始まりの日
3/4

2話 能力の使い方

未来の俺が死ぬ


それが意味することは……


「死ッ………」


待て、希望を持て!俺!

よく観察しろ、未来の俺が何故死んだのか!

ただ″見る″んじゃなく″観察″しろ!



すると、壁の中から銃を持ったあの男が出ていた

そこから煙が微かに出ている事から、やはりあれで死んだんだろう


背後から撃つのを見る限り、恐らくあいつは奇襲が成功すると思って油断している

それならタイミングを計って

避ける事は可能だろう


だが待て、相手は俺の″まがん″を知っている口ぶりだった


知っているのなら対策をするのでは無いか?

いや、でも俺の目を予知の魔眼、みたいな名前では無く″威廻の魔眼″と言った

つまり俺の目は単なる未来予知では無い?


兎にも角にもこのままでは俺はどのみち殺される

だったら一か八か……





   ◇  ◇  ◇




「さ〜て、あのホールダーはどこに行った〜?

おっ、そこにいたのか〜」


その男は銃を取り出して、


「止まったら〜

いけないじゃないの〜」


そしてトリガーに指をかけて、


「じゃあバイバイ〜」


撃つ!!


「!?」


突然しゃがんで弾を避けた俺に恐らく驚いて


「こいつ!もしかして魔眼の力をっ!」


そうして壁の中に戻ろうとするやつを


「引きずり出すッッ!!!」


そうして俺は亡くなった先生の授業で教わった

投げ技を思いっきり食らわせた


筈だった…………



「感触が無かった…………

もしかして投げた後床の中に入ったのか?」


よくよく考えれば壁の中に入れて

床の中に入れない道理なんて無い


「クソっ!引きずり出した後に

素手で殴ってやれば良かった!」


だが今更そんな事を言っても

後悔先に立たず、だ


問題は次の相手の行動だ

相手は俺の能力を恐らく今ので分かった筈だ

とすれば確実に俺を殺すために

慎重に行動するだろう


これからは未来視を常時発動しとかないと…


そうしてまた走って逃げた

出来るだけ人がいない所に


「この調子だったら周囲にも被害がでるな…

早くあいつを何とかしないと……」


そうして曲がり角に来た時突然


「いや〜、さっきはビビったよ〜」


「!?」


そこの廊下の先からあいつの声がした


「まさか君がそこまで能力を使えるとは

思ってもみなかったよ〜」


まだ未来視には俺の死んだ姿は見えない

つまりあいつはすぐには俺を攻撃しない


「でも僕ってあんまり近接戦闘は苦手だからさ〜

君には大人しく銃で撃たれて欲しいわけよ」


こいつ、何を言って……


「だからさ、君の友達、連れてきちゃった〜」


「もしかして……」と小声で呟くと


「なぁ、かなめ?そこにいるのか?

これはお前のせいなのか?

何でこんな壁の中通る化け物に俺は捕まってんだ?」


がくを離せっ!!」


「やっぱりそこにいたか〜

だったらお望みどおり離してやるよ」

「君が大人しくそこから出てきてくれればね」


「なっ……」

そんな事したら俺は蜂の巣じゃないか!

未来視でも何発も撃たれたら避けきれるだろうか…

あ〜くそっ…

悲鳴がうるさくて集中出来ない…




「どーしたの〜?早く出てこないと

君の友達、死んじゃうよ〜?」



どうしてこうなったんだ……

全て、″魔眼(こんなモノ)″のせいなのか……



でも………

このまま逃げたらきっと学は殺される


そんなのは嫌だ!!


何か打開策があれば………

何かっ……





「ならば私から助言をしてやろう」






次の瞬間、自分以外の全ての時が止まった

と言っても体は動けない訳だが

つまり俺の意識だけが残ってるような状況だ


「安心しろ、これは私の能力だ

限定的な時間停止とテレパシーの同時行使、

と思ってくれればいい」


何か普通に凄くないか?

て言うかこいつも能力者……だよな?


「今の君の力の使い方では、学、とか言うやつの救出とあの男、名をアナスルと言うがそいつの打倒の2つを達成する事は難しい」


「じゃあどうすれば良いんですか!」


「だからさ、その能力をもっと上手く使いこなせば良いだけの話だよ」


「もっと上手く使う?」


「あぁ、その事について詳しく説明したいが何しろ″こちら″と″そちら″では世界が違うからね、あまりこの能力も行使出来ない

だからできるだけ手短に説明するよ

しかと耳に刻み込むように」


そうして一呼吸置いた後にその声の主は




「君の目には未来と入れ替わることの出来る能力がある、それを使ったらこの危機的状況も乗り越えることが出来るんじゃないかな?」




また次の瞬間、世界がまた動き出した

そして俺の頭の中には先程まで抱いていた

恐怖や焦りは無かった



「なるほどね、だったら奴に俺が近付いた事を気づかせずに1発かましてやれる

待ってろよ、アナスル!」

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