1話 遭遇
俺の名前は″斎藤要″
都内生まれ都内育ちのいわゆる都会っ子ってやつだ
交友関係は…まぁそこそこ、恋愛経験はzero
一見、どこにでも居る普通の高校生に見えると思うが、
一つだけ誰も持っていない物を持っている
それは″目″だ
それもただ視力が良いとかではなく、原理は分からないが
″未来と過去を見ることが出来る目″なのだ
とは言ってもそこまで先の未来、過去は
見れないんだけど
それを自覚したのはいつだったか分からないが、
生まれてこの方、誰にもこのことを話してはいない
ハズなのだが………………
〜現在〜
7月2日(金) am11:50
「君が威廻の魔眼の持ち主かな?」
何だこの男、図体はデカいし、手には何か持ってるし、何しろ、″威廻の魔眼″って何だ?
もしかして、俺の目の事か?
……まぁ、いいや、無視しよ
このおっさんとは面識無いし、
ワンチャン俺じゃない説あるし
その見た目で厨二病発病させてんのはヤバイわ
すると今日の朝、鋭い視線を送ってきてくださった生徒指導の先生が怒鳴り込んできた
「おい!!お前は誰だ!
何故勝手に校内に入っている!」
「よし、今のうちに………」
隙を見て逃げ出そうとした瞬間
バン!
と銃声が響き、それと同時に人が倒れる音がした
何だ今の音?てか誰が倒れた?
いやいや、まさか先生が倒れる訳……
だってあの先生柔道5段くらい取ってる人だし……
今のはきっと投げた音が強すぎて銃声に
聞こえただけで…
「あ〜らら、君のせいで1人死んじゃった」
いやいや、まさかまさか……
恐る恐る見るとそこには………
「………………!!!!」
輝きを失った目がこちらを見ていた
「うあああああああ!!!!」
とにかく逃げた
全力で逃げた
死ぬ気で逃げた
無我夢中で逃げた
逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた逃げた
「なぁ、魔眼所持者〜
君いつまで逃げんの〜?」
あいつの声が聞こえる
でもあいつ銃持ってるし、話通じそうに無いし
今はとにかく逃げるしか………
その時俺の目に写った″未来の俺″は
既に頭から血を流して死んでいた………