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プロローグ
俺は退屈していたんだと思う。
学校に行ってバイトして帰って寝る、充実しているように見えて似たような日々を繰り返している。それのどこが不満なのかと言われても、これといった答えなんて出なかった。
やりたい事も無くただ周りと同じことをしているだけ。これからもそれが続いていくのかと考えると、うんざりしてしまう。
そんな時、一人の友人に声をかけられた。
”アイドルのコンサートに行かないか”
友人からすれば余ったチケットの人数合わせのつもりだったのかもしれない。でも、俺の人生はこの一言で大きく変わることになる。
この時俺はまだ20歳で、進路に悩む普通の大学生だった。