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(・・・・・・この文章をを見ている方が一人でもいれば、こんなに嬉しいことはありません)


「仮面ライダー電王」+「特命戦隊ゴーバスターズ」+TSF

的なものです。



目の前には、女の子がいた。

首のあたりまで伸びた髪。前髪はくっきりと線を描いた眉のあたりまで覆っていて、その下にはぱっちりとした丸くぱっちりとした瞳。

白くきめ細かな肌、頬のあたりはほんの微かに赤みを帯びている。そして開かれた口の周りを彩るピンク色の唇。

しっかりと形の浮き出た目、口をぼんやりと開きながら、彼女は僕の方をじっと見つめている。

そんな彼女の方に、僕はそっと右手を伸ばした。

すると、彼女の方も左側の手を僕の方にそっと近づけてきた。

雪のように白い掌の上にはくっきりと手相が浮かび上がり、細く伸びた指

そんな彼女の左側の手と、僕の右手との距離がどんどん近づく。

やがて二つの手と手が、ぴたりと重なった。

その瞬間僕の手に伝わったのは、冷たい感触だった。掌を突き刺すような、冷たく無機質な感触。

続けて僕は左手を伸ばした。彼女は右側の手を伸ばした。そして二つの手が同じように重なり合った。

重なり合った、ように見えるだけだ。手と手の間には、決して超えることの出来ない壁がある。

光を反射する、鏡という板の上で。

僕は確かに今、鏡の前に立っている。僕の上半身より少し小さいくらいの、主に顔を見るための鏡。

清掃の徹底されているこの学校、その鏡には汚れどころか傷一つ見受けられない。

その鏡には、僕の姿が映らなければならないはずだ。

名前は白石アヤト。年齢は16歳。

身長は170センチ、体重60キロ、数週間前の健康診断で計った時の数字だから、今もそんなに大差はないはずだ。

とりたててカッコいいというわけでも、かといって不細工というわけでもない、ごくごく平凡で一般的な外見を持つ、男子高校生の姿が。

なのに、どうして目の前には女の子の姿が、年齢にして映っているのか。

僕は鏡を見たまま、鏡に置いていた右手を離し、自分の身体の方に運んでいった。

目の前の彼女は、左手を胸の上に置き、軽く力を入れた。

ふに、という擬音をあてるのが相応しい、柔らかい感触が、僕の右手に伝わる。

それは、今までの僕の身体には無かったもの、有るはずの無いもの。

何故、どうして、僕の身体にこんなものがあるのか。

さっきまで男性だったはずの僕が、どうして女の子になっているのか!

「どうなってるの、これ……!」自然と叫びを上げてしまっていた。

女の子の甲高い叫びが、トイレの壁に反射して空間中に響き渡る。

鏡の中の女の子は、もちろんその疑問に応えてくれるはずもない。ただ、驚愕の表情を露わにして僕の方をじっと見ているだけだった。


どうして、こうなったのか。

人間の体がいきなり別のものに変わってしまうなんて出来事が、どうして起こってしまったのか。

頭の中で考えを巡らせてみる。はっきりした原因となる出来事が思いつかない、思いつくはずはなかった。

でも、心当たりがないわけではなかった……


朝の目覚めは、普段と何も変わらなかった。

いつもと同じように、ベッドの中で目覚めた。机のスピーカーがけたたましくアラーム音を鳴らし、スピーカーには「時間だよ!」という丸みを帯びたポップな文字が、エフェクト映像とともに点滅している。

僕は重い体を起こして、机の目覚ましをストップさせた。ベッドに備え付けの目覚ましを使うより、離れたところにある目覚ましを使うほうが、二度寝を防げるという意味ではちょうどいいのだ。

ディスプレイの表示を見ると、メッセージの着信通知が来ていた。僕はスマートデバイスを充電用のクレードルから持ち上げる。メッセージを読むのは朝食の間だ。

つめたい水で顔を洗い、台所へと向かう。夕べ作った野菜炒めの残りを電子レンジに放り込んで、食パンをトースターに入れる。

家の中に響くのは、僕の足音、水の流れる音、食器のぶつかる音、電子レンジやトースターの駆動音……みんなが僕が手を動かした結果、空間の中で奏でられるものだけだ。

僕がこの家に一人きりだということを、しみじみと実感させてくれる。

寂しさが滲み出してきた。たまらなくなりそうだったので、テレビを付ける。明るいBGMと共に、朝のニュースの映像が飛び込んでくる。別に見たい番組があるわけではないが、家を包む静寂が少しだけ打ち破られ、気分が少しだけ晴れる。

スマートデバイスを脇に置き、ニュースをBGMにしながら、焼きあがったパンをかじり始める。

一通だけ届いていたメッセージ、その差出人の欄には「白石レイ」と書かれている。僕にとって唯一の肉親である、姉さんからのメッセージだった。


僕の姉さん、であるらしい人物。

でも正直もう「姉である」という実感はない。五年間も会っていないのだから。

姉が今どこにいるのか、何をしているのか、そもそもどのような人間なのか。僕は知らない。

最後に見たのはもう5年も前になる。それは僕にとっての始まりの日。

眠っている僕。視界に入ってくる小さな小さな女の子。その子は自分が僕の姉であることを名乗った、あの日。

年齢は僕より10歳上とのことだが、記憶の中にあるその姿は、その年齢よりも幼かったように思う。

今もその姿は変わっていないのだろうか。

姉である以上のことは知らない。どうして家にいないのか。一体何をしてお金を得て、僕に対して生活費を送ってくれるのか。

連絡を取り始めた最初の頃は、何度かメールのやり取りの中で聞いてみたことあった。しかし答えてくれることは無く、いつしか僕は聞くことをあきらめていた。

テーブル上の布巾で指を拭き、スマートデバイスの画面上をタップし、メッセージを表示モードに切り替える。

「元気しているか。気を付けろ。姉」

これ以上に無いくらいのシンプルなメール。いつも通りの姉さんからのメッセージだ。

「元気か」「学校に行っているか」「家の中に変わりはないか」……僕の現状を確かめるために、最低限の言葉だけを詰め込んだメッセージ。姉さんが家から姿を消した五年前から、絶えず僕の元に送られ続けている。

姉さんが僕にメッセージを送る。僕の方がそのメッセージを受信し、その通知が姉のほうに行く。これが姉弟の安否確認だ。

僕は返信をする必要はない。メッセージを読むだけでいいのだった。逆に見ておかないと既読通知が向こうに行かず、面倒なことになる。実際に数年前に無視したら「大丈夫か」というメッセージを立て続けに送られた。

弟に対してこれだけのメッセージしか送ってこない姉でも、弟のことは心配してくれていたのだと、その時思い知らされた。

いつも通りのメッセージを見て、僕は注目の対象をテーブルの上の朝食に戻す。パンと野菜を一気にかき込み、水でさっと流した。

空っぽの僕を満たすには、十分な朝だ。


学校への道を、ゆっくりと歩く。

何度も歩いた道は身体が覚えている。何も考えずとも、足が勝手に目的地まで導いてくれる。

道の各所に置かれたサイネージが、様々な情報を伝えてくれる。

ひらがなが多めの交通安全の標語、マスコットキャラクターが会話形式で伝える病院の広告も兼ねた健康情報、キャラクターや文字が嵐のように襲いかかるパチンコ屋の広告。

内容はどうでもよかった。それが既に何度も見ているものかもしれないけど、そんなのも関係なかった。

ただ、僕の中身を埋めてくれれば、それで良かった。

途中のコンビニで昼食を買い終えても、登校時間にはまだ余裕があった。僕はゆっくりとした歩調を保ったまま学校への道を進んだ。


学校に到着したのは門限の15分前。普段通りの余裕ある登校だった。

校舎にぶら下げられているデジタルサイネージには「よりより学校を作ろう」という標語が光とともに表示されている。部活動などで実績が出た際その祝福用に使われるという噂を耳にしたが、一年の僕はまだその光景を見たことは無い。

周りの生徒が挨拶や会話を楽しむ中をすり抜けて校舎に入り、教室を目指す。

教室には半分以上の生徒が既に登校していた。各々がグループを作って繰り広げる他愛ない会話を傍目に、僕はまっすぐ席へと向かった。

机のスクリーンを立て起こし、スイッチを入れる。すぐに端末が起動し、時間割や今日の予定が並ぶトップ画面が表示される。

僕はそちらには目をやらず、自分のスマートデバイスを鞄から取り出す。デバイスのニュースアプリで、今日のトピックスを一覧する。

ニュースを見るだけなら机の端末にインストールされている。でも僕にとっては、自分のタブレットで見る方が良かった。

勉強に関係しないエンターテインメントの分野のニュースまで見られるし、何より机の下でこっそり見られるのがいいのだ。先生が来るまでは一人スマートデバイスを覗くのが、僕の日課だった。

「おはよう、白石くん」

おずおずと、僕の席の近くに近寄ってくる陰があった。

黒縁眼鏡の下に微笑みを浮かべた、黒髪を頭の脇で結んだ、大人しい印象の女の子。

「黒川さん」

僕の方も、少しだけ笑みを作って挨拶を返す。彼女はさらに強い笑みを返して、ぺこりとお辞儀をした後に、別の席へと向かっていった。

黒川チアキ。彼女は、登校した僕に話しかけてくれる唯一のクラスメイトだった。

もっとも、それは彼女が僕を特別視しているからとか、そういう理由があるわけではない。

彼女は毎朝、このクラスにいる30人の生徒全員に挨拶をしているのだった。彼女僕の元を去って向かっていったのも、女子生徒三人のグループが三人揃って教室に入ってきたところだった。

彼女は毎日欠かさずこれを行っているらしい。クラス中の人間に10人近くで集まって話している集団から、僕のように一人で過ごしているものまで、彼女は毎朝欠かさず声をかけて回っていた。

何の意味があって、何の目的でやっているのかは知らないし、聞こうとも思わなかった。

彼女の飾らない笑顔と共に送られる挨拶は、決して悪いものではなかった。

おそらく、僕以外の生徒も同じ感想なのだろう。

彼女のそうした行動は、最初は当然煙たがれていた。彼女を拒絶し、排除しようという動きもあったみたいだ。

しかし彼女は自分を曲げることは無かった。彼女とクラスのみんなの触れ合いは、いつしか教室のの日常と光景として当たり前のものになっていた。

彼女と触れ合っているうちに、僕にもその理由が分かってきた。


僕は再びタブレットに目を戻した。

トピックとして表示されているのは「あの偉人の好物とは!」という雑学系のニュース。

こういう豆知識を読むのは特に好きだった。画面を指でめくりながら、ジャンルや内容を問わず次々に現れる情報たち。

本来はアプリケーションに年齢や職業、興味関心など情報を予め入力しておくことで、ユーザーにとって必要な情報だけが選択され、送られるようになっている。

でも僕はその機能を使わず、ざっくばらんに集められた情報を見られるようにしている。

次々と目の前に繰り出される新しい情報。内容も情報の量もてんでバラバラなニュースたちを僕の中へと次々と取り込んでいく。そうすることで、僕の心が埋められていき、満足を覚えるのだ。

しばらくそうしていると、机のディスプレイにアラーム表示が出た。授業開始まであと5分。

そろそろスマートデバイスを仕舞い、授業の準備でも始めようかと思ったその時。

「メッセージ着信」

ニュースアプリを閉じて再び顕わになったトップ画面に、その文字が躍り出る。

後回しにしても良かったのだが、とりあえず既読だけはつけておこうと思って、そのメッセージを開いた。


瞬間、無数の黒い影が僕の顔面めがけて襲いかかるような、そんな感覚に襲われた。

それは例えるなら、虫の大群が円を描いて飛び回ることで形成される柱、その中に顔を突っ込んだような感覚だった。

思わず僕は呻き声をあげ、顔を背けた。もし周囲で見ている人がいたら、大層怪訝な目を向けられていたことだろう。

十秒ほど経っただろうか。

顔には何も付いている感触はない。何かがぶつかった感触もない。

僕はそうっと顔を上げ、デバイスの画面を覗き込んだ。

そこにはひたすら、無機質な文字の羅列が並んでいた。ひらがなに半角カナにアルファベットに繁体字に数字……いわゆる「文字化け」状態だった。

差出人の欄を見ると、そこにもやはり意味を成さない文字列が並んでいた。

ウィルスメールの類だろうかと思って、僕は慌ててメールを削除し、ウィルスソフトを開いてタブレットの状態をチェックした。

一分ほどの簡易チェックで、端末の状態に問題はないと判断された。

もう少し動作状態を確認しておきたかったが、そこでチャイムが鳴った。

授業時間に入ると、自前の端末の使用は原則禁止となる。授業中にメッセージを受信して鳴り出そうものならお説教ものだ。

僕は急いでデバイスの通知機能をオフにし、マナーモードになっていることを確認してポケットに仕舞い、机上のスクリーンに向き直った。


異変の予兆は確かにあった。今にしてみれば数分前の出来事だ。

学校到着後に送られた、差出人不明のメール。

メールを開いた直後、文字列とは違うものが視界に入ってくるような感覚があった。

でも、それがどうして今の状況に繋がるのか。どうして僕の身体が変化することに繋がったのか。どう考えても分からない。

しかし、今はそれしか原因が思い浮かばない。

だって、異変はこの直後に起きたんだから……


5分のホームルームを挟んだ後、授業が始まる。

今日の最初の科目は数学だった。数学教師の山本先生が入ってくる。数学教師の見た目に違わずたくましい肉体の持ち主で、授業の厳しさもそこそこのものだ。しかし人柄もいいので、男女問わず人気のある先生だ。

山本先生がが入ってきてスイッチを入れると、教室全面の大型スクリーンが起動し、前回までの板書が表示される。同時に、僕たちの机の画面にも数学用の教材ソフトが起動し、画面に表示されるようになっている。

先生がペンをスクリーン上で走らせ、画面に数字や線を書き進めながら、授業を進めていく。

授業は僕にとっては、割と充実した時間だった。こちらから動かずとも、新しい知識が次々に入り込んでくる。僕も気になるところを机上のスクリーンにメモ書きしながら、授業の内容を頭に入れていく。

異変が起きたのは、授業が始まって10分ほど経った頃だろうか。

最初は、僕の視界が揺らいだのかと思った。

僕の目の前にある、ペンを持った右手の輪郭がぼんやりとし始めていた。

目をぬぐってもう一度見る。やはりぼやけている、歪んでいる。

目を凝らして、よく見た。そして僕は目を疑った。

腕が、まるで開封直後の炭酸飲料のように、しゅわしゅわと泡立っていた。

いや、泡というよりは粒子状というのが近いかもしれない。僕の手の、腕の表面が、泡立つことでその形を崩そうとしている。

手が震えるのが分かった。異常な状態になっているのに、腕からはかすかにむず痒さを覚えるだけで、何の痛みも感じないというのが怖かった。

ガタっと机を鳴らして、僕は立ちあがっていた。クラスの視線が、一斉に僕のほうに集まる。先生は目を丸くしてこちらを見つめていた。

「す、すみません……ちょっと気分が悪くなったので、トイレに行ってきていいですか……!」

「あ、あぁ……別にいいぞ。一人で大丈夫か?」

「だ、大丈夫です……」

先生の気遣いにそっと感謝しながら、僕はそそくさと、異常を見られないように全身を庇うようにしながら、教室のドアへと向かっていった。黒川さんも心配そうな視線をこちらに送ってくれていた。

廊下に出ると、僕は一気にスピードを上げた。

腕を包んでいたむず痒い感覚は、いつしか胴に、足に、身体へと広がっていた。走る感覚にも、いつの間にか違和感が出始めていた。

そして目的地であるトイレに駆け込むと、とりあえず洗面所のふちに手を置いて顔を伏せ、思いっきり息を吐いた、

そしてゆっくりと顔を上げ、目の前の鏡を見た。

そこには、女の子がいた。


改めて、全身を見回しながら、少し動かしてみた。

それまで全身をしっかり覆っていたはずのワイシャツとズボン、そして上履きが、少しだぶついて感じる。

よく見ると、普段来慣れているはずのトイレの視界にも違和感があった。視点がいつもより低いのだ。

僕の身長が、縮んでいるのだ。

顔を動かすと、髪がそれに合わせて纏わりついてくる。今までにない感触だ。僕はそのたびに指を動かして髪を払う。

右腕を動かし、左腕を、顔にそっと手をやっていた。

服に覆われた部分からは、いつもよりも柔らかい感触が、素肌が露出した箇所からは、すべすべと手触りの良い感覚が伝わってきた。

どれも初めて体験する感触だ……もっといろいろなところを触ってみたい。

その瞬間僕ははっと我に返り、動こうとする右手をがしっと左手で掴んで抑えた。

何をやっているんだ僕は……いくら女の子の身体だからって。それは確かに僕は男だし、女の子への興味関心が無いと言えば嘘になる。自分の体、僕にとってもっとも身近な場所にそれが現れたんだ。

って、そんなことは問題ではない!そう、僕は男。この学校に通う男子生徒、白石アヤトだ。今考えなければ別にある。

どうしてこうなったのかを考えても答えは出そうにない。

考えるべきは、これからどうすればいいのかだ。再び僕は、鏡の中を覗き込みながら、考えを巡らせた。

0……1……0

そこに映っている女の子の顔は、元の僕の顔とは似ても似つかなかい、凛々しくて可愛らしい顔をしていた。

0001010000……00000101101101010……000010110110100010

この状態で教室に戻っても、不審な目を向けられるだけだろう。見知らぬ女子生徒が校内に、しかも男子の制服という奇異な姿で。先生には何を言われるか分からない。

 010001000101101000101001

そしてここにいても、いずれは授業が終わって他の生徒が入ってくる。男子制服を着た女子が男子トイレに……これもマズイ。

最善の策は、誰にも見つからないように学校を出て、そのまま家に戻ることだろう。家に戻れば、とりあえずじっくり対策を考えることだけは出来る。

 010100100010 me 01001000110001010 me

ん?

僕の脳内に、思考と別に、もう一つ別の何かがある。それは電流のように脳内を駆け巡っていて、視覚的なものでも聴覚的なものでもないが、僕の中で確かに形としてとらえられるものだった。

 me me me

数字の羅列であったのが、やがて言葉によるものとなってきている。

 instaling me  instal me

 me me me  wa ta シ

言葉の羅列がどんどん膨らんでいき、僕の頭の中を侵食し始めていた。

ワタシ ワタシ ワタシ

脳内に本格的ンじゃ振動が走ったように感じた。

一体どうしたんだろう……私は。私?私、いや僕は……あれ?

侵食するそれが、私の脳を思いっきりかき回している。……私って何だ!私は

脳内が思い切り月語化されて振動を起こされているように感じた。振動は激しさを増すにつれ、そこにある物たちの姿も混ぜ合わさって溶けていく。

僕と体の距離が遠くなっていく。顔から、腕から、胴から、足から、僕の意識が離れていく。

やがて僕という、意識の塊が、牛乳の混ぜられたコーヒーの黒のように、薄れて溶けて、やがて消え去っていく。

ぼく……は……いや……わた、しは……


そして、闇の中に落ちた。

TSF作品が作りたいというのが、一番の願望です。


とりあえず、第1話はそれっぽく作れたかなと思います。

どうか今後もお楽しみいただければ幸いです。


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