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プロローグ

「ここはどこだ・・・?」

 気がつくと俺は真っ白な部屋の中に居た。

 だいたい学校の教室くらいの普通の部屋だ。

「俺は何をして居たんだっけ・・・」

 確か俺はいつも通り高校から家に帰った後家に誰もいないことを確認してから日課のオナニー、それからよく手を洗ってコタツに入ってミカンを食べてーーー。


「うっ・・・頭が・・・」

 

それ以上思い出そうとすると頭に激痛が走る。

「なんなんだよ一体。ここどこだよ。俺は今日発売のゲームをやるっていう大事な任務があるんだよ・・・!」

 

そう呟いていると目の前に一人の老人が立って居た。


「ご機嫌いかがかな?少年、いや愛媛ミカン君?」


 老人が顎髭を弄りながら俺に話しかけてきた。


「誰だよテメーは!ここはどこだ!あと俺をフルネームで呼ぶんじゃねえ!こんな冗談みたいな名前嫌いなんだよ!」


「急かすな、急かすな。一つずつ説明してやるからのう。まずは何から話そうかの・・・。」


「だからここはどこだって聞いてるんだよ!あとここはどこだ!なんで俺はここにいる?

 一体全体何があったんだよ!ちゃんと説明しろよクソジジイ!」


「口が悪いのう・・・間違ったかのう・・・しかしもう後戻りできんしのう・・・。」

 なんだこのクソジジイ話通じないのかボケてんのか?


「早く話せよ!耳聞こえないのかよ!」


「威勢だけはいいのう。まあそれくらい元気がなければこの先生きていけないのかのう。

 いいかのう、一度しか話さんからよく聞くのじゃよ。」







 ジジイ曰く俺は殺されたらしい。

 誰にだよ!ときくとジジイ以外の神にらしい。ジジイが神様だっていうことは最初は信じられなかったが目の前で俺が言ったものを何でも出したり消したりしたのでとりあえず信じることにした。

 なんでも俺は神様同士の喧嘩の余波で死んだらしい。普通は神様同士が争うことなんて滅多にないらしいのだが日本は特殊な地域らしく頻繁に争いがあるらしい。

 ジジイ曰く「八百万の神がどうたらこうたら・・・」らしい。

 ただ俺は本来の死に方以外で死んだため生き返らせてもらえるらしい。しかも異世界にだ。剣と魔法の世界にらしい。よくある話だ。

 テンプレだ。だがよく話を聞いてみると・・・


「それでジジイ、何のチートをくれるんだ?」


「みんな同じことを言うのう・・・。だがある制限があるんじゃよ。」


「制限?」


「そうじゃ、あまり強い力を与えすぎると世界のバランスを崩すことになりかねんからのう。」


「勿体ぶらずに教えろよ。一体どんな制限なんだ?」


「それはのう・・・」


「それは・・・?」


「生前最後にさわったものを自由にすることのできる能力じゃ‼︎」


「はぁ!?」

 

待て待て待て、俺って最後何に触った?

 家に帰る→手を洗う→オナニー→おててリフレッシュ→ミカン食う→イマココ♪

 おいィィィィ!まずいだろ!包丁とかエアガンとかならまだしもミカンとか!あと一歩死ぬのが早ければMy☆SONがチートの対象だったのかよ!危なすぎるだろ!どうやって戦うんだよ!なんだ、敵の前でズボンを脱いで

「ワイの息子は13kmや。」とか言えばいいのかよ!


「なんでそんな制限なんだよ!おかしいだろ!」


「大丈夫じゃ、最後に触ったものに関する知識ならば全て与える。」

そういうことじゃねぇ!なんでミカンなんだよ!」


「だってワシ、ミカンの神様じゃもの。」


「しょぼっ。」


「しょぼいとはなんじゃよ!ワシだって好きでやってるわけじゃないんじゃよ!」


「じゃあなんでそんなことやってるわけ?」


「セクハラで左遷させられた」


「キモッ」


「キモいとはなんじゃ!お主が理不尽な理由で殺されたから哀れに思って折角転生させてやろうと思ったのに!普通はそのままあの世行きじゃよ⁉︎」

 

まあ理不尽な死に方をするよりはマシか・・・


「分かった、それじゃ頼むわ。」


「ヤケに素直じゃのう。」


「思い切りのいいのが取り柄でね。」


「生きる為の知識は向こうにいったら頭に入ってるじゃろう。あとサービスで村の近くに送ってやろう」


「すまんな、ジジイ。」


「ま、お主の名前は愛媛ミカンじゃからな。

 シンパシーじゃよ、シ・ン・パ・シ・ー☆」


「キモッ、あとフルネームで呼ぶな!」


「まあ、向こうの村人は親切な人達じゃ、

 はじめは頼るといいじゃろう、頑張るんじゃよ。」

 

その声を最後に俺の視界が暗転した。





「上手くやるといいんじゃがのう・・・」

 

そう呟くとワシは姿を小さな女の子に変えた。次の転生者はこの姿が一番冷静に話を聞くらしい。


「さてと、次は何の神様になればいいのかのう・・・。」


 他の神の尻拭いをしてどれくらい経っただろうか、他の神の反感を買わない為には与える能力に制限をつけるしかない。あまりに大きな力だと他の神にすぐ気取られてしまう。

 

ワシが救える人間には限りがある。


 生前最後に触ったものの付喪神に霊力を分け転生と同時に転生者に憑依させる。

 

これがワシの限界じゃ。


「願わくば、彼らに幸あらんことを・・・」

 

そう呟くとワシは次の転生者を呼んだ。

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