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水の亡国  作者:
第一項: 嚆矢
1/46

序: 伝承

 そこは、魔法と聖なる力が対立する世界

 大国が乱立し、戦の絶えない世で、突如太古の亡国が蘇った

 (まど)かな水の檻に覆われし亡国は、辺りの木々を飲み込み、大地を侵略し、全てをその内に収めようとしている




 亡国の都、いにしえのハイロリア

 裏切りの王女の空中庭園、リリアナ・ガーデン

 隠された霊廟(れいびょう)、ヴォルナスタ

 歴史を綴り続ける図書館、ヤクタ

 堕ちた儀式場、ラニャシャスティアナ

 そして、廃王の待つ玉座の間




 二十代を数える王を輩出した亡国は、しかし最後の王”廃王クレトス”の狂気により滅びたという

 その狂乱を示すが如く、水のヴェールは広がり続け、森や村々を取り込んでいった

 中の様子はようとして知れず、ただ不気味な輝きを見せるだけである

 その水の揺らめきを見て、人々が思いだしたのはひとつの伝承だ


 審判の日訪れし時

 失われた亡国甦り

 全てを無に帰す


 古い文献によると、水の檻はこれまで三度地上に現れたという

 一度目は、廃王クレトスの治世

 二度目は、 魔の力世界を覆いし時

 三度目は、今より三百年昔のこと


 伝承によれば、終末を防ぎ得るのは、真の英雄のみ

 その伝承に従い、これまで六人の才ある者たちが檻に挑んだ




 聖女ユスティール

 灰色のユト

 賢者アムル

 小国の王アリストラ

 鋼鉄の騎士

 終わりの魔女

 



 そして今、再び檻は現る

 今度こそ世界を飲み込まんとして

 


 終焉を厭い、

 ひとりの魔法使いが、水のまどろみの中へと飛び込んだ…

 

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