出逢う side祥花 01
私はいわゆる、八方美人タイプなのだろうと思う。
いや、それも少し語弊があるのか。
結果的に八方美人に見えていたとしても、それは誰からも好かれたいという欲求のためでは決してない。
むしろ私は他人に対して興味関心が薄い。
あと、私はとても面倒くさがりだ。
他人と必要以上にかかわることも、時々しんどい。
人嫌いの気があることは自覚しているが、かと言って、厭世家という訳ではない。
つまり何が言いたいのかというと、委員長をしているのは、須らくそう求められて、反抗するのも面倒だったからだ。
だからよく私はしっかりしているだとか、まじめだとか言われるが、そんなことはない。
中学の頃から委員長をしていたおかげで、高校二年となった今年も早々と委員長に就任してしまった。周りの皆は最初から私がするだろうと、疑いもしない。
そこでやらないと言ったら一波乱起こっておもしろそうだったが、その騒ぎの中心となるのは自分だ。想像しただけで肩がこる。だから、今回も大人しく委員長の座に収まった。
委員長といってもその役割はその個人によって幅がある。
号令をかけるだけの人もいるし、教師の手足となって働かされる人もいる。
私はどちらかというと後者だ。
基本的に言われた通りのことをそのままするので都合がいいのだ。
とはいえ、今年の担任の加賀先生は良心的だった。
私がやる仕事は,これまでよりは少なくなった。
そう思っていた。この四月までは。
まずは彼女の自分語り。