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片恋の、その先へ  作者: 過去形
試験の試練
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学生の本分は・・・ side信彦 01

そうそう遊んでばかりもいられませんよね。

俺の通う私立高校は三学期制で、年に6回の定期試験と、2回の休み明けの試験がある。

その試験の合間を縫うようにして行事が存在するのだが、学生の本分は勉学という言葉に基づき、成績が悪い生徒には容赦なく補習・再試、最終的には留年が待ち構えている。

去年はからくも留年を免れ二年に進級できた俺にとっては恐怖の制度だ。


今日も、放課後の教室で俺はいつもどおり(となってしまったのが辛いところだ)劇の練習に向かうつもりで準備していた。

今でも毎回監督には怒鳴られ、ダメ出しされてばかりだが、一応台詞も一通り覚えられた。

こういうのも悪くないかもしれないと思い始めていたのだが。


「あ、河野君、ちょっと」


教壇にいた加賀先生に呼ばれて、化学教員室に行くと、先生は悲しげな、微妙な笑顔を浮かべてこう言ったのだ。


「この前の中間試験の結果が出たんだろう?・・・君の成績はあんまりに悪いので、次の期末のこのままだと、夏休みまるっと補習に引っかかるぞ?大丈夫か?」

「えっ・・・。ま、マジですか」


そこまで悪かったのか。

いや、そういえば点数は半分無いのが大半だった気もする。


一年の時はまだなんとか授業に出ていたのだが、一年の後半からほとんど授業に出ていないか、出ていても寝ていて聞いていなかったからな・・・。

二年に上がった時、これでよく進級できたものだと自分でも思ったのだった。

だが、都合の悪いものはすぐ忘れてくれる俺の脳みそには中間テストのことなんて全く残っていなかった。


「マジですよー?もう、ちゃんと授業に出始めていたから大丈夫だと思っていたけど、積み上げ教科の数学と英語が特に足を引っ張っていたようだね。・・・化学は、ま、ぎりぎり及第点、かな。夏休みも練習あるんだろうし?頑張って、補習は回避しなさい。いいね?」


そう言って、ぽんと頭を叩かれた。

普通に立ったままだと、俺は先生より背が高いので、気持ち背伸びするようにして。


「・・・はい」


俺は小さくなってそう返事をしたのだった。


短いですが、キリがいいのでここまで。


PV10000突破記念リクエスト受付中です。もしよろしければ、活動報告にてお願いしますm(_ _)m

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