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片恋の、その先へ  作者: 過去形
小話的なもの
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○ッキー&○リッツの日記念企画 

本編の時系列より後、未来の話です。大学生くらい?これってパラレルって言うんですかね?・・・雰囲気で読んでください(笑)。

この話が本編に影響することは多分ないと思います。

ある秋の日。

いや、具体的に言うと11月11日だ。


私はコンビニに行った。

父から材料の買い出しを頼まれたついでに、少し立ち寄ったのだ。


駅に近い、それでいて少し道から外れているのでそれほど人も多くないコンビニだ。

普段はあまり利用しないが、コンビニの端末でチケットを買えないか見ようと思っていた。


学生割引を使うのがいいか、前売りでさらに安くなるか、いや、チケットショップの方が安く売っているのか等、チケット一つ買うのも結構大変だ。


自動ドアが開く。音楽が鳴る。


「いらっしゃいませー。・・・あれ?秋津?」


ちょうど品出ししていた定員から声をかけられた。


「河野、か?」


河野がアルバイトしているとは知らなかった。

しかも接客業だなんて。


「おい、秋津。俺が接客系アルバイトしてるのがそんなにおかしいか」

「・・・いや・・・まぁ、その。・・・うん、びっくりした」


ドリンクの補充をしている河野に近づきつつ答える。


最初は否定しようかと思ったけれど、確実に嘘だとバレるので誤魔化すことにする。

婉曲的に肯定してはいるが、まぁそれはそれで。


そんな私の答えに河野は苦笑いしていた。


「まぁ、昔の俺知ってたらそうなるよな。で、何しにご来店?」

「あ、ちょっとチケット買えるかなって。端末で」

「そう。・・・あ、そうだ秋津。これ、買っていかない?」


そう言って、差し出したのは、チョコレート菓子で。

一般的によく食べるお馴染みのもの。


「ん?それ、安売りでもしてんのか?」

「え、秋津知らないのか?今日は11月11日だろ。○ッキー&○リッツの日って言って大々的に宣伝してたじゃないか。今日限定で○ッキー型風船がついてくるぞ」


目を丸くして河野は言った。

そしてレジ横にある、そのおまけの風船とやらの見本を指差した。


見た感想をそのまま率直に言おう。


邪魔だ。

第一長すぎる。

何かに使うものでもないだろうし・・・。嵩張るだけだな。


だが、さすがにそれを口に出すのは憚られたので会話をつなげることを優先した。

最近店でよく見かけるお菓子にそっくりだということを思い出し、それをネタにあげた。


「へぇー、最近テレビ見てないからなぁ。あ、そういえばうちの馬鹿親父がそれにそっくりのお菓子大量生産してたっけ。この日のためだったのか」

「祐介さん・・・相変わらずだなぁ。お元気?」

「うん。元気元気、超元気。河野ともめっきり合わなくなったから、寂しがってる」

「・・・そっか。うん、またお邪魔することにするよ。よろしく言っておいて」

「わかった。○ッキー&○リッツの日だったらさ、○リッツでもよくはないか?私はそっちのほうが好きなんだけど。特にトマト味が」

「いや、風船ついてくるの○ッキーだけなんだよ。今日せっかく買うんだったら○ッキーの方がお得感あることないか?」

「いや・・・風船もらっても。子供じゃないんだから」


あ、しまった。

とうとう本音が出てしまった。


「・・・ホント、秋津はリアリストだよなぁ」


呆れたように河野は言った。


褒められている気はしない。

だが、悪い気もしなかった。


久しぶりに軽口を叩き合って、なんだか高校の時を思い出す。


「悪かったな、現実主義者で。あんまりそういうキャンペーン的なものに乗せられたくないんだよ」

「あー、それちょっと分かるかも。皆が皆同じってなんか、なぁ」

「そうそう。でもニュースとかでも同じ態度でいると・・・」

「話題についていけなくなったり?」

「うん。で、いざ自分も、と思ったときにはもう手に入らない」

「・・・それって、かなり損な性分だな」

「自覚はしてるさ」

「でも治す気はないんだろ?」

「うん、そう」

「やっぱり。秋津らしいや」


そう言って河野は笑った。私も釣られるようにして笑う。


懐かしいな、と。ふと思う。

大学は違うから、こうして会うことも滅多になくなった。

二人共下宿しているわけはないし、いつでも会おうと思えば会える距離にいるのだが、これといって用事もないし、男女というのもあったから。


・・・それにまだ河野に返事をしていないし。


「で。どうされますか、お客様?」


首をかしげておどけたふうに河野が聞いてきたので、この久しぶりの再開記念にこう言ってやった。


「うん。じゃあそれ、買うよ。おまけは河野にあげる」

「え、いや、でも」

「うん?リアリストの私よりもロマンチストな君が持ってる方がお似合いでしょ?」

「・・・ロマンチストって」

「どうせ、○ッキーゲームとか、考えてたんだろう?」


そう言うと、河野は微かに顔を赤らめた。

私はたぶんニヤニヤした顔でそれを見ているのだろう。


どうも彼の思考は可愛らしい。



それから私は、河野が同僚から声をかけられるまで、コンビニに滞在したのだった。


祥花さんの性格が変わっている・・・?

ここまで読んでくださってありがとうございました。


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