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離縁王妃アデリアは故郷で聖姫と崇められています ~冤罪で捨てられた王妃、地元に戻ったら領民に愛され「聖姫」と呼ばれていました~  作者: 猫燕


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第三話「そなたとの婚姻を破棄する」

 彼は立ち上がり、ゆっくりと宣告した。


「本日をもって、そなたとの婚姻を破棄する。王妃の座を返還し、ただちにこの城を去れ」


 静寂。誰もが息を呑んだ。

 アデリアは、ゆっくりと目を閉じた。そして、開いた。淡い青の瞳に、涙はなかった。

 彼女は立ち上がり、深く、優雅に一礼した。


「……承知いたしました」


 その声は、静かで、どこか安堵に満ちていた。


「王国の永い安寧をお祈りいたします、陛下」


 誰もが息を呑んだ。逆らわないのか。抗議しないのか。泣き叫ばないのか。ただ、静かに受け入れるだけなのか。

 ユリウスは、一瞬、目を逸らした。

 ラウラは、勝ち誇ったように微笑んだ。

 そして護衛の騎士たちが、アデリアを取り囲む。

 彼女は振り返ることなく、背を向けた。銀金色の髪が、朝の光に最後に輝いて。王妃としての、最後の姿だった。


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