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吹かれて…そして3回目の

また長くなったけど、第五話まできました。

これと言った手応えはないけど、作品自体を書くのは楽しいので続けようと思います。せめて完結までは...

さてこの墓の下にはおれがいるらしい、正確にいうと"元"おれがいる。

さぁそんな墓の前に花束("現"俺いり)が添えられる。

男とさやは線香を焚き、合掌をした。

さやの瞳から涙が溢れたことをおれは見逃さない、今すぐ拭き取ってあげたいができない…

今の俺は自分の意思で動くことのできぬ花だ。

そんな俺の思いからなのか風が吹く。

花束が一斉にちる。花弁はちらばり茎はそこらに飛んでいってしまっている。

呆然としているさやの眼におれは飛びつくように引っ付いた。

花弁が一枚ひらひらとさやの顔につく。

その花弁はさやの涙をぬぐうかのように水を吸い、風に吹き飛ばされて行った。

おれは意識が途切れだす。

記憶に残ったのはさやの顔だけだった。


気づけばおれは黒のボディに番号が刻まれ、クルクルとしたコードの先には湾曲した棒が繋がっていて、一方からは音が出てきて、一方には話しかけると遠方の相手に音が伝わる

そんな機械になっていた。

"でんわ"というらしい、花の次は機械か…空気をすったりはいたりはいらなくなったなとか考えていると、ふすまがピシャッと開く

出てきたのはひとりの女の子というにはまだ幼いが赤ん坊というには育った。まさに幼児というに相応しいと言った子だ。

テクテクと走りながら、靴が丁寧に並べられた方へいく玄関だ。

あんな小さい子が外に出たら危ないな、とか思ってたら、さっきまで記憶から離れなかった人の声がするさやだ、さやの声だ。

さやがいるというとはあの子は我が子が

「危ないでしょ、お母さんが見えないところまで行かないで、いい子だからね」

いいながら我が子を抱き抱える

すっかりいいお母さんをしてるようで良かったが、ここはさやの家なのか?

さやとその腕にいる我が子以外に気配は感じられない、生前の俺とさやの家とは違う、もちろんさやの両親の家とも違う。じゃあだれの家なのか、答えは次の瞬間に訪れた。

プルルルル

電話がなる方向は東西南北どちらでもない、俺自身からなっている。

さやは湾曲型の棒をとり耳と口にあてて話しだす

「もしもし、どちら様ですか?」

「さや、元気にやってるか?」

さやのおとうさんの声だ。すこし弱々しくなっいるがその声からは元気にやっているのが伝わる。

「元気よ、お父さんこそ元気そうでよかった」

「新居にももう慣れた頃か?急で悪いんだが、今週末一度母さんをつれてそっちに孫の様子を見に行きたいんだがいいか?」

おとうさん、どうやら孫が見たいらしい、こんなに可愛い我が子だ。見たくない方がおかしかろう、じっさいこんな姿してなけりゃ今にでも頬擦りしたいくらいだ。

さやも俺と同様快諾していた、両親がくるのもよっぽどうれしいんだろうな鼻唄まじりで家事をしているのが聴こえる。

さやには結構電話がくる、元同級生とかおれの両親、そして賭け事を持ちかけてきそうなアイツ、実はアイツ終戦した後かなり儲かってるらしく、この家を購入したのもアイツなんだとか

マジでさやを狙っているんだろうか、アイツに限ってそんなことはないだろうが、もし本当狙っているのなら、おれは全力で戦う

おれ自身から鳴るこのプルルルという音でな!

そんなこんなで、週末だ。

おとうさんとおかあさんが家にやってきて居間でくつろいでいる。さやもいっしょだ。

なんの話をしているのかはきこえてこない。

しかしかなり盛り上がっているのか笑い声は聞こえてくる。

そんな調子でもう夜もふけだしたころ

突如として家の玄関のドアがひらく、

他に来るやつなんかいただろうか?なんて考えてると寝室の方から、テクテクと我が子が歩いてきた。そして玄関のドアもひらく、そこには

刃物をもった男がいた。

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