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会って別れて

小説書く初心者なりに意識してることとして、ラストに一つひきをつくるってことを考えて作品をつくってる。

その結果今回バカ長くなりました。

そんな4話おたのしみください

妻のさやが花束( おれいり) を買った。

しかも墓に供えるものらしい、誰の墓だろうか

今の細かい日にちはわからないが、お互い両親は死んでいない

俺が戦争行ってる間に死んでる可能性もあるが

こっちの両親は父も母も毎朝一緒にランニングするくらい元気だし、義父も義母も一緒に店を切り盛りしてる。姿こそまだ見えていないが、買い物してる客が店の中から出てくるのだがら生きてるだろう。墓所につくと1人の男が話しかけてきた。その男は今にも賭け事をしそうな顔していた。アイツだ3年間の戦友だ。

生きていたんだ。あの戦争を生き残ったんだコイツは…本当に良かった。

良かったのはいいが、なぜコイツここにいる?この街は結構狭い方だ。街の全員の顔と名前が全て一致するくらいには狭い。

だから街にコイツがいたら名前も知ってるはずだし、戦争前から付き合いがあったはずだ。

「こんにちは、さやさん…ですか?」

コイツなぜ妻の名前を知ってる?まさか妻を狙っているのかコイツ…俺は今は花だがまだ死んだわけではない、つまりまだ俺の妻だ。お前みたいなやつにはやれん!

なんとかいって撃退してやれ我が妻よ!

「えぇ、そうですが…

どのようなご用件ですか?」

「私は戦時中にあなたの夫と、友人となったものです。

ここには彼の弔いとあなたに会いにきました。」

まて、とむらい?今コイツとむらいといったか?"とむらい"ときいて俺が思い浮かぶのは一つだけ、おれ…死んだのか?

つまり今花になっている現状は、死んだけど俺の記憶とか感情が花の中に入った状態…ってことか?

思い浮かぶのは輪廻転生という単語…おれは仏教徒ではない、だからそんなものには縁がないと思ってたのだが…そっか俺死んだのか…

ショックを受けてる俺に気づくわけもなく、妻が答える

「戦時中の夫は、どんな感じでしたか?」

「アイツは常に必死だったよ、生きるためにさ、なにをすれば生き残れるかそれを考え続ける奴だった。最初に話しかけたのはおれだ、コイツと一緒ならおれも生き残れるかもと思ってな」

そうだ、最初はコイツからだったな、

「次にトイレから出てくる奴がどんなのか当てようぜ、負けた方おごりな」

とかぬかしやがったんだ、もちろんお断りしたがそのあともコイツはついてきやがった。

途中まではうざいことこのうえなかったが、最後には友となっていた。

なつかしいな、もう3年前か

「結局生き残ったのはおれ1人だ。

アイツは最後の最後に運に恵まれなかったよ。

敵の数人が自爆覚悟の特攻を仕掛けてきやがったんだ、アイツの方に1人走って行って、文字通り自爆したよ…」

思い出したグレネード片手に敵がが背後から走ってきたのだ。

そして気づいた頃にはおれは花屋にいた…

「夫は私たちのことについて…何か言っていませんでしたか?」

さやはいきを飲みながら質問していた、子供を抱く腕が一段とキツくなったような気がする

「おれがアイツに奥さんがいるのを知ったのは、アイツが死んでからなんだ。

戦時中はアイツの口から子供も奥さんも出てこなかった。

でもよアイツの口癖はこうだ"絶対におれは帰るんだ。絶対だ"これがアイツの口癖だった。

アイツは絶対2人のことを思ってたよ」

おれはおもわず口がひらいた。コイツがそこまで感じていたとは、どうもおれは愛が隠せていなかったらしい。

おれは恥ずかしく赤面してしまったよ

でも悲しいことにおれの顔からは香りしか出ない

いつのまにか、さやは子供をだく腕をゆるめていた

「夫が私たちのことを思ってくれてるのは信じていました。

夫はそういう人ですから…」

おれは恥ずかしさもろとも飛び跳ねてしまいそうになった

いやほんとに今にもこの花束を飛び出して人間の姿で抱きしめたい、もちろん抱きしめるのはさやだ。そこにいる男ではない

「ただ夫が私たちのことをどう話しているのか気になっただけです。気にしないでください」

べつに話したくなかった訳ではない、軍のお偉いさん方からどこに密偵がいるかわからないからあまり個人の情報を話すなと箝口令をしかれていたのだ。

本当なら会う人全員にさやの可愛さを広めたかったのだ。

さやはほんとに可愛いのだ。

顔はもちろんのこと性格、器量も抜群だ。

もちろんおれはそこも大好きなのだが一番好きなのはその佇まいである。

形容するならば、まさに"芍薬の花"である。

芍薬の花はすらりと伸びた茎の先に薄桃色の花が咲いている花だ。

まさにさやはこの花を体現したような存在なのだ!

そんなさやをおれが褒めたくないはずがない。

と、心の中でおれが熱弁してる間に、箝口令の話をそこにいる男はさやに話していた。

「そうでしたか…夫は話したくなかった訳ではないのですね。すこし話がはずみすぎましたね、いつのまにか着いてしまいました。」

そんなことを言うさやの前には一つの墓がある

墓には"岡沢家之墓"と書かれている。さやの今の苗字であり、おれの苗字だ。

そう、この墓の下におれの元身体が埋まっている

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