『♡ Kyoko Love ♡』26-2
26-2.
「久々のワインの味はどう? 」
「う~~ん、おいしぃ~~。
でもデザートがあるから1杯だけにしておかないと」
「はは、そうだな」
「明日は映画かクルージングってことだったけど」
「恭子ちゃんの好きなほうでいいよ。
どっちにする? 」
「特に観たいものないし・・。
今ね、海上の夜景見てたら断然クルージングがいいかなって」
「今までクルージングの経験は? 」
「え~と、子供の頃フェリーに乗ったことはあるんだけど、
大きな船は初めてかも」
「へぇ~、過去クルージングデートってなかったんだ? 」
「そっねー、長く生きてる割にはなかったのよね・・って
じゃあ垣本さんは何回目なのかなぁ~?」
あなただってもしかして、初めてじゃああ~りませんか?
って勘ぐるような言い方で彼女が聞いてきた。
あははは、いやぁ~俺も実は初めてなのよぉ。
「うっへぇ~そうきたか! 実は俺も初めてっ」
「なんだぁ~、そんな言い方するから経験あるのかと
思っちゃった」
「そりゃぁどうも、すいません」
「街の明かりがとてもきれい、人工的な灯りなのに何か
ふわっと熔け込んでしまいそうになる」
「うん、きれいだな」
ワインを飲み、美味しい料理に舌鼓をうち、食事の合間に
語らい、素敵な夜のデートになった。
お酒の入った後も彼は下心を見せることはなく
私たちは各々の部屋へと戻っていった。