『♡ Kyoko Love ♡』21
21.
確かあの先生は自分より5つ程年上だったと思うけど
今はどうしているだろうか。
あの時出た発言は、彼女が焦っている裏返しだったのかも
しれない。
垣本さんが仕事絡みの電話を終えたのか、こちらに歩いて
来るのが見えた。
彼と話したり、いろいろ考えたりしているうちに、お酒の味を
楽しむというより、乾いた喉を潤したくなって一気に
グラスに残っているカクテルを飲み干した。
「はぁ~! 」
「なになになに、何よ、その盛大なため息。
こうして妙齢の男と女が酒場にいて・・なんかわざとしてんの?
興覚めするようなこと・・」
「ごめんなさい、私ため息してた? 」
「えーっ、自覚ないのか~、参ったなぁー」
「色気を捨てて、ほんとっ、ごめんなさい。
緊張感なさ過ぎてごめんなさい。
何かいろいろ考えてたら、喉乾いちゃってかぶ飲みしちゃって・・」
「そのいろいろな事ってお兄ちゃんが聞こうか? 」
「お兄ちゃんだってー。
おじさんの間違いじゃないのー? 」
「うぐぐぐっ。
じゃあ、おじさんが聞こうか? 」
「結婚について・・とかかな」
「結婚に夢も希望もなかったんじゃぁ~? 」
「うん、そうなんだけどね。
それが、過去のものになっていきそうな気もしてるの」
「ン? というと、結婚というものを考えてもと思ってるのかな? 」
「そうね、そうかもしれない。
結婚相談所にでも入会してみようっかな」
「それ、本気で言ってる? 」