『♡ Kyoko Love ♡』19
19.
「あまりタイプとか理想とかってそういうのって30代に
なってから考えたことないかも。
たぶん結婚とか真剣な交際とかって、めんどくさくて
避けてたからかな? 」
彼女はまるで自分自身に確認するような態で答えてくれた。
「結婚に希望とか幸せを求めてないのかもしれない」
嘘じゃあない、ほんとにそんな風に思ってた・・だけど
実は過去形になりつつある。矛盾している今の自分の発言
に、もやっとしていたら・・
「それって原因は何なんだろうね? 」
私のもやっとしている今の心情を吐露できそうなNiceな
質問が飛んできた。
「わぁ~、ありがとう垣本さん。
問題定義してくれて。
ンと、そうよね。
結婚したくないとまでは思ったことないんだけど、どう
してもしたい、とも思わずにきたのよね。
原因かぁ~。
何なんだろう~」
「わりぃ、ちょっと電話入ったから・・外出るわ。ゴメン」
「あぁ、うん」
ちょうど上手い具合に考える時間ができて、私はひとりの
時間を有効活用するべく、自分の気持ちの奥深くを覗いて
みることにした。
さっき彼に話した台詞。
『結婚したくないとまでは思ったことないんだけど、どう
してもしたい、とも思わずにきたのよね』について・・。
それはおそらく、そこまで人を信じたり好きになれないから?
大勢のメンズと付き合ってきた弊害?
不思議と喧嘩したわけでもないのに、長い付き合いを
したことがなかった。