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体育祭後配信前

 熱い体育祭も終わりやっと家に帰ってくる。

 後ろに数人抱えて。

「おじゃましまーす」

 どこにそんな体力があるのか疑いたくなるような元気な声を出す。

 もう慣れたと言わんばかりにすたすたと家に入ってくる。

「あー疲れた」

 そんな朱音とは対照的に陽斗は言う。

 家に来たのは朱音と陽斗。

 由香里も一緒に帰ってきたのだが今はお風呂に入っているためいない。

 体育祭が終わった後なので汗とか砂とかいろいろ気になるのだろう。

 では朱音たちは気にならないのかと言ったら違うようで、

「蓮先輩、お風呂借りてもいいですか?」

 着替え一式を手に持って朱音が言う。

「いいよ、使い方分かる?」

「はい大丈夫です」

 そう言ってお風呂に姿を消す。

 家に来てたらソファーに座っていないところを見ると気にしてるんだろうなと思う。

 陽斗は寝転がってるけどね。

「蓮にしては珍しく仲いいよな」

 朱音の事だろう。

「まあそうだね。たまにコミュ力に圧倒されるけど」

「俺らがリレー走ってる時もイチャイチャしてたし」

「見てんじゃねえよ」

 イチャイチャなんてしてない……はずだ。

「朱音のこと好き?」

「お前ってそんな恋愛大好きキャラだっけ?」

「ああ、お前の恋愛事情は大の好物だ」

 体を起こしニヤッと笑う。

「それで?答えは」

 逃がしてはくれないようだ。

「朱音からも似たようなこと聞かれたけど答えは分からないだよ」

「ほう、もしかしたら好きかもしれないと」

 口角を上げ偏向報道をしてくる。

「陽斗はいないの、好きな人」

 矛先を俺から陽斗に変える。

「いるわけないだろ。俺が好きなのはお前の恋愛であって俺の恋愛は好きじゃないんだよ」

 陽斗もこの話題は嫌だったのか顔を歪ませている。

「配信中もだけどさ最近お前ゲームガチでやることなくなったよな」

 朱音がお風呂に行ってるからか配信の話をしてくる。

 まあ朱音は俺が配信をしていることを知っているので無駄な配慮だが。

「最近っていうかV杯終わってからだよ。なんかガチでやると疲れるようになっちゃってさ」

「なんか前も言ってたな。まあ楽しいならいいんじゃない」

 そう投げやりに言って陽斗は横になる。

 さすがに疲れていたのか寝息を立てて眠りにつく。


 陽斗を起こさないようにイヤホンをつけて舞希のアーカイブを見ていると肩をちょんちょんと叩かれる。

 声が聞こえるように片耳だけイヤホンを外す。

「お風呂あがりました」

 まだ髪が乾いていなくラフな格好をした朱音が言う。

「ドライヤーとかってありますか?」

 陽斗に気を使ってか少し声を小さくしている。

 俺はできるだけ足音を立てないように朱音を連れて洗面所に向かう。

 洗面所の収納棚からドライヤーを取ってコンセントにさしてから渡す。

「ありがとうございます」

 居間に戻ると陽斗が起きていた。

 かすかすの声で「寝てたわー」と言い立ち上がる。

「帰って寝るわ」

「別にここで寝てってもいいけど?」

「ここに寝ていいのは由香里だけだろ!」

 俺は何で怒られているんだ?

 別に誰が寝てもいいと思うんだが。

 そう言って家から出ってた陽斗と入れ替わるように由香里が入ってくる。

「陽斗帰るの?」

「うん、さすがに疲れたって」

「まあそうだよねえ」

「由香里は良いの?休まなくて」

「休むよりも蓮の家に来る方が優先」

「休む方を優先してくるれ」

 由香里の中の優先順位がおかしい。

 居間で由香里と話していると髪を乾かし終わった朱音も来る。

「すいませんお風呂貸してもらっちゃって」

「え!ここのお風呂入ったの?」

 俺が反応するよりも先に由香里が言う。

「はいそうですけど何か問題ありました?」

 何やら2人が話しているのを横目に俺はスマホを取り出す。

 片耳につけっぱなしだったイヤホンから通知音が聞こえたからだ。

 名前を見て心臓がキュッとする。

 送信名は碧舞希。

 【これから凪咲ちゃんとコラボするんだけど一緒にどう?】

 待たせるわけにはいかないと震える手ですぐに返信する。

「これから配信してもいい?」

「はい。私は由香里先輩とおしゃべりしてるのでいいですよ」

「うん私も」

 2人は大丈夫なようなので配信の準備をする。

 頭の中で予定を立てる。

 とりあえずお風呂に入ってエイム練習して。

 正直今日は体育祭で疲れたので配信は休もうかと思っていたが今日もまた配信をする。

 

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