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眠い。新たなてぇてぇ誕生前話

 気分は上々、体はボロボロの状態でで学校に行く。学校まではあまり遠くないが体は既に動きたくないと訴えかけている。

 だが舞希に『行ってらっしゃい』と言われたのだ。無理やりにでも体を動かす。いつもよりかなり早く家を出たため教室にはあまり多くない人がいた。陽斗すらいない。

 席替えをしても変わらなかった窓際の席に座る。SHRまでかなり時間があるのでまったりできる。早く学校に来るのも悪くないかもしれない。

 前言撤回。悪いです。もう絶対学校には早く来ません。なぜかって?暇だからだよ。話す友達もいないため俺は1人机に突っ伏している。この高校、授業中以外はスマホの使用が許可されているのだが今日の俺はスマホを充電したまま忘れてきたので何もできないのである。

 多分今も舞希と凪咲ちゃんは配信をしているので帰ったら見よう。初めてリアタイできなかった。そんなことを考えていると段々眠気が……ダメだダメだ。舞希に『寝ちゃだめだよ』といわれたのだ。絶対に寝ない絶対に寝ない絶対に……


「あれ蓮じゃん。早くね?」


 聞きなれた声がまだギリギリ意識を保っていた俺の耳に入ってくる。ギリギリ意識保ってたから。ギリギリ……

 

「おはよー陽斗」


「ああ、おはよ。それにしても早いななんかあったのか?」


「いや特に。偶々早く起きただけだよ」


「あの蓮が?ありえないだろ。2度寝は?」


「できなかった」


「なんで」


「舞希に起こされたのに寝れるわけないだろ」


「同棲してんのか?」


「凪咲ちゃんと同じこと言うんだな」


「遠回しにバカって言ってる?」


「言ってないよ」


 そう言いながら俺の隣の席に座る。席替えで変わったのだがこのクラス男子の方が人数が多いらしくどうしても男子と男子が隣の席になることがあるらしい。それが俺と陽斗だった訳だ。


「てかお前昨日のスクリム総合1位だったじゃん」


 陽斗と話すことで何とか眠気を誤魔化そうとする。


「何で知ってる?」


「配信見てたよ、由香里と」


 あ、さっきの仕返ししてやろう。


「え、同棲してんの?」


「バカなの?」


「ストレートすぎだろ。俺は遠回しに言ったのに」


「遠回しに言ってるじゃん」


「……」


「格付け完了と」


 うざい。うざすぎる。睡眠不足なこともあり俺のイライラパラメーターは既に上限を超えている。


「陽斗、前のテストの点数は?」


「……156点」


「格付け完了」


「そんなことして醜くならないの?」


「ブーメランだよ」


 1時間目の授業が始める。

 後ろの席なので周りの人が良く見えるが意外にスマホを触っている人が少なくて感心してしまう。今このクラスでスマホを触っているのは俺の隣に座っている陽斗ただ1人である。

 推しの声優が出ているかなんかでやったRPGが面白すぎてやめられないらしい。推しの声優が出ているだけでやるのかと思ったが前に「お前も舞希さんでてたらやるだろ」と言われ論破された。それにしても声優目的でやっているのに無音でやって楽しいのだろうか。

 俺がこんな関係ないことを考えているのは何かを考えていないと寝てしまうからだ。だったら授業聞いてろと言われそうだが授業聞いてる方がよっぽど眠くなるので却下だ。


 4時間目の授業の終了を知らせるチャイムが鳴る。

 1時間目から3日経ったのではないかと疑いたくなるほど時間の流れが遅い。

 クラスの大半の人は昼食を食べるために移動を始める。陽斗も机をくっつけて昼食を食べようとする。


「おーい蓮、生きてるか―?」


「なんか……川が見える……」


「三途の川ってこと?死ぬ寸前じゃん」


 由香里も俺らの方に来る。


「どうしたの蓮、元気なさそうだけど」


「いや寝不足なだけだから気にしないで」


「あー今日の朝、昨日の配信で蓮が寝落ちする切り抜き見たよ」


「え、そんなのあるの?俺も後で見よ」


「寝落ちしたときの事なんも覚えてないんだけど変なこと言ってなかった?」


「うん言ってなかったと思う。その頃には完全に無言になってたから」


「でも蓮がゲームしてて寝落ちするって珍しいな。32時間もぶっ続けでやってたこともあるのに」


「オーダーするのに頭使って疲れたんだよ」


「あのオーダーのどこに頭を使ったって言うんだよ」


「陽斗と見てたけど意外と陽斗ってすごかったんだなって思った」


「いやいやそんなことないよ」


「うんそんなことないよ」


「おい褒めろや」


「嘘だよ。実際にオーダーしてみて陽斗の凄さを実感したから」


「そうだ由香里にオーダー教えるついでに蓮にも教えようか?」


「俺がオーダーすること無くない?」


「V杯が終わったらRPSがあるじゃん。多分蓮も出ることになるだろ?その時のためだよ」


 RPSというのは簡単に言うとV杯のvtuber限定じゃないバージョンの大会だ。数名プロも出るとのことでかなりレベルの大会となっている。まあ、見たことないんだけどね。


「味方にやらせれば良くない?それに参加するかもわからないし」


「でも舞希さn「やるわ」


 舞希の名前をだせれたらやるしかない。最近こういう手が増えてきたが何故だろう。


「はっや。まあ教えるのはV杯終わってからになるかな」


「そうだね。それまでは俺が時間取れそうにないから」


「あと言いたかったことがあるんだけど俺達とやってる時も配信してもいいよ」


 陽斗とやっている時は配信しているので俺達とは主に由香里の事だろう。


「由香里とやってる時も配信していいってこと?」


「いいよ。配信で舞希さんに宣戦布告するから」


 由香里が言うが何の宣戦布告なんだ。


「てぇてぇなあ」


 ほんとに凪咲ちゃんと同じ思考をしているなこいつ。


「お前も厄介オタクなのかよ」


「いや俺は、違うてぇてぇを作ろう協会代表取締役だよ」


「何それ?」


「まあそのうち分かるんじゃない?」


 学校が終わりなんとか家に帰ってこれた。

 体がうまく動かず2度3度鍵を鍵穴の周りに当ててから鍵を開けることに成功する。自室に入ると前に思いっきり倒れてしまう。幸いクッションが置いてあり痛みは無かった。もしこれがゲームならテロップでここで俺の意識は途切れたなんて書かれるだろう。



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