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スクリム5試合目慶out蓮in

 俺、舞希、凪咲ちゃんでの初スクリム兼今日のスクリム5試合目が始まった。

 慶さんの代わりに入ったため俺がオーダーをすることになる。普段は陽斗がオーダーをしているので俺のオーダーはブロンズ適正である。

 これまで通り牢獄に降りる。これまではかぶっていた敵部隊がいたのだがこの4試合負け続けたためか違うところに降りたようだ。初動で負けたら俺の胃が持たないため安心である。


 キングから出た武器は『ラハティ L-39』。1試合目と同じだ。この武器が出るときは遠距離でのキル数が段違いに上がる。今回も舞希に持ってもらって遠距離でのキルを狙う。できるだけ慶さんのオーダーを再現しようとする。

 俺はいつも通りの逆張r……純愛ウィンチェスターだ。本当なら慶さんと同じ武器構成にしようと思ったのだが推しからのご要望だったので喜んで使っている。初めてこんなうれしい気持ちでウィンチェスターを持っている。今回ばかりはウィンチェスターを愛している。

 

 俺のブロンズ適正のオーダーにより安地内の家を取ることになった。これで次の安地から外れていたら3人に合わせる顔がないので心臓の音を木魚代わりにして祈っている。安地入ってろ安地入ってろ安地入ってろ安地入ってろ安地入ってろ安地入ってろ……


 マップを全画面にして確認する。

 あっぶねーギリギリ入ってた。次の安地を予想し取る場所を考える。残り部隊数25という表記が俺に焦りを与えて正常に頭が回らない。そんな中で出た俺の中の最適解。


「これムーブ考えられないのでキルムーブでもいいですか?」


 ・??

 ・は?

 ・何言ってんのw

 ・そういえばロータスさんがオーダーしてるとこ見たことないな

 ・しっかりしてくれ日本1位

 ・最近やらな過ぎて100位代まで下がってた


『全然いいよ』


『よっしゃー敵倒すぞー!』


 というわけでいもりタイム終了そしてキルタイムの開始である。


 外に出ると安地外から走ってきた敵がいたので倒すことにする。


「せーのでこの敵撃とう。せーの」


 俺の掛け声に合わせて2人も撃ってくれる。コーチをしている時に慶さんがやっていたのを見て密かに憧れていたのだ。

 俺と舞希で2人倒して残り1人となった。


『皆撃ってる敵違くない?』

 

 舞希さんが笑いながら言う。確かに慶さんは「1番後ろの敵撃つよ」って言っていた気がする。これではせーのと言った意味がないな。


「まあ、敵倒せたし……」


『そうだよー舞希先輩細かいことは気にしないの』


『うーんまあ倒したしいいか』


 ・大丈夫かこのチーム

 ・慶さーん帰ってきてくれー

 ・ロータスさんって意外と脳筋?

 ・エイムだけで1位になったといっても過言

 ・過言なのかよ

 ・エイムだけで1位になれるのチーターだけだろ

 ・ほぼチーターだから


 残り1人の敵の頭にも弾丸を埋め込んでおいた。

 第3ラウンドで残り部隊20となっていた。完全に安地から外れたので敵の居そうな方に走っていく。

 安地外に3部隊敵がいたので安地に入るついでに轢き殺しておいた。


『あれなんかもう今日のスクリムの最多キル超えられそうじゃね?』


 凪咲ちゃんが不思議そうに言う。

 今のキル数は12キル。確か今日のスクリムの最多キル数は4試合目の13キルなのであと2キルで超えることになる。

 

 安地内に入れたので強い……と思ってる2階建ての家に行く。ここに行くのが正しいのかは分からないがまあ倒せばいいだろう。全員倒せば勝ち理論である。

 案の定もう敵がいたので倒すことにする。


「これ全員でグレ投げません?」


『いいね私6個持ってるよ』


『持ちすぎじゃない?』


「じゃあ全部投げてから詰めましょうか」


『オッケー』


 2階に敵が3人見えたので2階の窓に向かってグレネードを投げる。

 俺は2個グレネードを投げた後階段を走る。

 別々の所に投げたのか階段の方にもグレが来たが味方のグレはダメージを食らわないのでそのまま走って行く。

 こちらに来たグレが爆発すると俺の操作していたキャラは爆風で飛び左下のHPバーは0になり手を地につき四つん這いになっていた。


「おっけー死んでみた」


『死んでみた了解』


 舞希が後ろからついてきてくれたのですぐに蘇生してもらう。

 

『あれなんか全員倒したんだけど』


 キルログを見ると凪咲ちゃんと今倒されたであろう3人の敵の名前。


「もしかして世界1グレネードがうまい方ですか?」


『ばれちゃったか―。ばれないようにしてたんだけどなー』


『土下座してたローちゃんの背中さすってたら勝ってたんだけど』


 ・つっよ

 ・これは世界1位だ

 ・ロータスさんもしかして自滅……

 ・久しぶりのトロールロータスさん

 ・トロータス

 ・草

 ・ロータスさんが土下座してその背中を舞希さんがさする……閃いた

 ・閃くな

 ・誰かFAよろしく


 なんか俺が土下座してる間に敵を全滅させたようなのでさっさと次の敵を倒しに行く。


 次の安地はかなり遠く、入るまでに時間がかかってしまった。

 安地内に入っている3部隊が中距離で撃ち合っていた。1番近い敵部隊がいる所にピンを指して言う。


「足音消してここにいる敵倒しましょうか」


『他の敵は大丈夫なの?』


 舞希がいつもコーチングしてもらうときのような口調で聞く。


「他の敵はまあ……倒せばいいでしょ」


『慶ってすごかったんだね』


 舞希が何か言っているが聞かなかったことにしよう。俺が1番分かっていてかなりショックなのだ。

 

 如何やら敵は撃ち合うことに夢中で俺らには気づいていないようだ。そんなに夢中になっていたら背後から近づいてきた黒ずくめの俺らに気づかず毒薬を飲まされて気づいたら体が縮んでしまいそうだ。

 とりあえず1人ウィンチェスターで抜く。コッキングの時間がもったいないのでサブ武器のコルト・パイソンに持ち替えて敵を撃つ。全弾敵の頭に当たって叫びそうになったが推しの前なので我慢していく。


『え、つよ』


 わー推しが褒めてくれてる。

 自然に上がっていた口角を戻しウキウキになりながらも漁夫に来た敵を見て思考を切り替える。

 もうかなり近くまで詰めてきていたがそちらは舞希と凪咲ちゃんに任せて俺は少し遠くにいるもう1つの敵部隊を撃つことにする。

 さっきは近かったため外していた6倍スコープをウィンチェスターに付けて敵を撃つ。配信前に舞希と天外さんとやったアンレートのおかげかかなりというかめっちゃ当たる。百発百中という言葉を忠実に再現したようなエイムだった。

 遠くにいた敵を全員倒したので近くにいる敵を倒すことにする。

 敵との距離が近いためもう1度スコープを外し詰めていく。

 この距離ならコルト・パイソンでもヘッドショットで1発で倒せるのだがウィンチェスターで倒すことにする。イキってるって?失礼だな純愛だよ嘘ですすいませんかっこいいからです。決して逆張りではないとだけは言っておく。

 敵はかなり広がっていたので1人1人倒しやすかった。

 この部隊を倒した後にでる1位の文字。


「『『え、もう終わったの?』』」


 ・ナイス

 ・ナイス

 ・ロータスさん暴れすぎでは

 ・合計24キルw

 ・強すぎ

 ・武器縛りつけろよw

 ・はもるな

 ・はもるのはロータスさんと舞希さんだけにしとけ

 ・厄介もいます

 

 いつの間にか終わっていた試合のリザルトにはチーム合計24キルと書いてあった。俺は18キル……やりすぎたか?いやでもコーチだからこれくらいはやらないとなあ。

 そんなことを考えてると通話サーバーに入ってくる音が聞こえた。慶さんかと思ったが違うようだ。


『ちょっとちょっとちょっと。やりすぎですよ』


 入ってきたのは出雲冬馬(いずもとうま)さん。個人で活動しているvtuberでこの大会の主催者だ。配信前の説明は運営さんがしてくれたのでこうやって話すのは初となる。


「あれ、オレ何かやっちゃいました?」


『もしかして異世界転生した方ですか?18キルはやりすぎですよ』


 ・賢者のまg

 ・おい著作権考えろ

 ・まじで転生者みたいな強さしてた

 ・転生したらオートエイムを手に入れて推しと結婚できた件

 ・厄介入ってない?

 ・オートエイムで推しの心まで打ち抜いたのか


『もしまた参加することがあったら素手縛りでお願いします』


「どうやって勝つんですかそれ」


『もう立ち回りで勝ってもらって』


「俺の立ち回りなんてブロンズ適正ですよ。これでどうやって勝てって言うんですか」


『勉強しなさい。いつか必要になるかもしれないんだから。ほら立ち回りがあれば推しをキャリーできるよ』


「確かに、勉強します」


 ・ちょろ

 ・冬馬さんロータスさんの扱い方分かってるな

 ・推しを出されると全肯定botになる

 ・立ち回りも身に付けたら何ができないんだ

 ・トーク

 ・トークなら勝てる自信がある

 ・陰キャだからトークも勝てん

 ・乙^^


 今日の配信が終わったら陽斗に立ち回りを教えてもらおう。

 伝えることを伝えたのか冬馬さんはサーバーから抜けていった。


『どうする?スクリム終わったけど』


『私もうちょっとやりたいなー』


 悪い流れを感じたので抜けることにする。


「俺起きてからずっとやってるから疲れたな―」


『逃げるの?』


「逃げます」


 凪咲ちゃんから煽られたが俺は逃げる。正直本当に疲れたのだ。朝起きてからやっているという事もあるがさっきのマッチで久々に頭を使ったのでいつもの倍疲れたのだ。


『え、やめちゃうの?』


「冗談です。やります」


 推しの言葉ゼッタイ。推しの言葉ゼッタイ。

 こうして地獄の2次会が始まった。

 この時の俺は明日学校があるということを忘れていた。

 


 

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