短編「皇帝陛下大好き宰相がやらかした話」
小説を保存していたファイルがパーになり傷心中です。
リハビリで根性と勢いで書きました。
おかしなところがあると思いますが何卒書き始めたばっかりの素人でございますのでご容赦を。
私は和桜国の現宰相、岩神祈羽だ。
私には義妹がいる、かの有名な狂桜の龍人だ。また物騒な二つ名をつけられたものだな。
まあ、狂桜の龍人、希羽が正式に私の義妹になったのは最近のことだが。ああ、話がそれた。
義妹ばっかり有名だとおもっているとおもうがこれでも現宰相。結構有名だぞ?確かついた二つ名が狂桜の宰相。我ながらダサい二つ名だな。
私が宰相となる前、まあ第四次世界大戦が終戦する前この国の上層部はそれはもう蛆虫の如く腐った連中がうじゃうじゃいた。
いやぁ、掃除するのに手間がかかったよ戦場では希羽が政では私が二人で協力して終戦へと導いた。
けれど、終戦したはしたで、その後も面倒なわけで、義妹は戦場では一騎当千だが、政ではからっきしではないがもしものことを考えその地位を悪用されぬように信頼できる相手へと嫁ぎに出した。
その分、私へ回ってくるわけだが。
「宰相様、皇帝陛下がおよびです。」
「ああ、すぐに行く。」
只今、自分のSAN値がやばい。
これでもポーカーフェイスはバッチリだから顔には出ていないが、いつ発狂するかわからない。
何故かって?
それは五日前ほどさかのぼり、ある天気の晴れた日のこと。
その日は書類仕事に追われることもなく少し余裕ができた日だ。
そして、少し情報収集しようと休憩をかねて城の中を歩いていた時だった。
「ねえ、聞いた?」
「何々?」
「この前、皇帝陛下の騎士様達が話していたのだけどね。
『皇帝陛下に気になあるお方ができたようだ。』
『マジで?』
『あの皇帝陛下に?』
『ああ、ここ最近ため息が多く手拭いを愛おしげに撫でているのを見たんだ』
『へー、皇帝陛下にもついに春が』
って話しているのを聞いたのっ」
「キャーッ大大大案件じゃない!」
「お相手はいったい誰なのでしょう?」
「きっと皇帝陛下のお相手だからすごいお方に違いないわ」
「…は?」
嘘だろう…皇帝陛下に…
ここまで来たなら察しのよい皆さんならお気づきだろう。
私は皇帝陛下、彼女が好きなんだ。
それはもう、本当なら終戦したなら、政から離れ、田舎でのんびり過ごそうと思っていてそれに向けて準備をしているとき。上司である皇帝陛下にそのことを話さないわけではなくきちんと、皇帝陛下にお話ししたら、『あなたは、国に必要な人です、もちろん私にも』と言われ、ここから離れるために準備をしていたものをパーにし速攻で皇帝陛下のお力になるために、宰相の地位を確たるものにしたくらいに。(前宰相には引かれたが)
ねえ、泣いていい?泣いていいよね。
別に私は皇帝陛下にこの気持ちを伝えるつもりはない。
なのに何故こんなに動揺しているのかは、好いた相手を教えられていないからだ。
何故っあなた様がおっしゃったのでしょう私を信頼していると。なのに、お相手をお教えしてくださらない。
あなた様のためならば、この地位を失ってしまってもそのお相手をあなた様のお隣りへと導くというのに。例え、何の力も持たない者でも。私の地位と権力をもってしてあなた様に相応しい者とするのに。
まあ、そんなこんなで、過ごし、城中にこの噂が流れましたとさ、めでたくねえ。
たまに、部下たちや城の者達から期待を持った目を向けられたり直接皇帝陛下のお相手は誰かと遠回しに聞いてくるがわからない、教えられていないからな。これでも、自分から相手は誰かそれとなく探していたが、わからん。一応最有力候補は皇帝陛下の近衛団長がいるが…
今回の皇帝陛下からのお呼び出しはお相手のことだろう。おそらくは
お相手がわかったら私も相手を見つけなければな、世の中私と似た叶わぬ恋心を持つ者がいるだろう。傷の舐めあいはあまり、好きではないが、少しでも忘れられるのならば良いだろう。
〝コンコンッ〟
「失礼いたします。宰相様を御連れいたしました。」
「ああ、礼を言います。下がってよろしい。」
「はっ」
陛下の執務室に入ると中には陛下の近衛師団団長や陛下の補佐官二人がいた。
「皇帝陛下にご挨拶を申し上げます。」
「ふふっそう固くならなくていいわよ、ずっと立っていては疲れるでしょう座りなさい。」
「はっ寛大なお心遣い感謝いたします。」
「相変わらず、私の宰相様は固いわね。」
「して、皇帝陛下今回のご用件は何でしょうか?」
「ええ、噂には聞いていると思いますが、私ももうそろそろ身を固めなければならないと思っているんです。」
!!やはり、その話か!
予想通り、近衛団長殿か?
「存じ上げております。早速(お相手を御迎える)準備をいたしましょう」
「ええ、早ければ早い方がいいでしょう。」
「国中にお触れを出し、親愛の意味を込めて、エンミリア国の者も招きましょう。」
「そうですね。」
「衣装はどういたしましょうか、やはり着物にいたしましょうか。我が国の象徴ワザクラの花も入れましょう。」
「それはいいですね。」
「早い方がいいということなので早速お相手に来ていただきましょう!」
「「「…は?(え?)」」」
はて?おかしなことを言っただろうか?
ああっ
「失礼いたしました。皇帝陛下がお相手を見つけたのことであまりの嬉しさにはしゃいでしまいました。あとは、お相手と一緒に決めていただき。後日書類にまとめてお渡しいただいたらできるだけ早急にご準備いたしますよ。」
「そうですか…そうですね。」
「はい?」
待ってなんか部屋の温度が下がったんだが。
近衛団長は顔を片手で覆っているし、補佐官の片方に至ってはいまにも吹き出しそうになりながら笑いに堪えていて、もう片方は何とも言えない目で見つめられているんだが。
「皇帝陛下?」
「これは、私がわるいのでしょうか?」
「いえ、この鈍感が悪いでしょう。」
「ひっひー、ははっ面白すぎますふふっ」
「はぁー、まだ気づいていなかったのですか。宰相殿」
話が読めん。
「そうだ、皇帝陛下が身を固めるならば、私も探さなければならないと思っていたんです。」
「…」
「うそだろ…」
「今言う?」
「ぶふぉっ」
今背筋に冷たいものが走ったんだが…てか、大丈夫か?なんか吐かなかったか?
「宰相、いえ祈羽。」
「はい」
「しばらくあなたには一切の仕事禁止します」
「えっ!」
何故っ!
「いえ、一切ではないわね」
「な、なんでしょうか?」
「私の寵愛を知ってもらうことですね」
ちょうあい?…寵愛!?
「え、は!?」
「早速今夜私の部屋に来てもらいましょう。いえ、今日から一日中一緒ですよ。もちろん寝泊りも私の部屋でしていただきます。ふふっ衣服や必要なものはこちらで運びますから私の横でゆっくりしていただいて大丈夫ですよ。」
あまりの出来事に固まっているといつも間にか皇帝陛下のお顔が目の前に来ていた。
「これから私の伴侶としてよろしくお願いしますね。祈羽」
_______________
そうして末永く幸せに暮らしましたとさ…「めでたくねぇ」「ふふっ素が出ていますよ」
最後までお読みいただきありがとうございます。
すこーーーーしずつ、少しずつですが再開していこうと思いますのでよろしくお願いします。
※詳しくは活動報告をお読みください。
ここからは少し設定説明です。読まなくても大丈夫ですので気になる方のみご高覧ください。
岩神 祈羽義姉 髪:黒 目:黒
岩神 希羽義妹 髪:黒 目:黒
見た目も似ていて雰囲気もなんとなく似ているのでご先祖のどこかで血縁関係があるかも知れない。
祈羽が興味をしめしたのが学業だったのでそっちの方向へ行き
希羽が興味をしめしたのが軍(おそらく桜山総帥の影響)だったのでそのままそっちの方向へ行った。
短編「人質として元敵国に嫁ぎましたが結婚相手から「私はあなたを好きになることも愛することもないわ。だから、極力干渉しないで。そのかわり、好きにしなさい。」といわれたのでお言葉に甘えて好きにしますっ」
で出てきた桜山総帥が二人の養父
苗字が違う理由は祈羽と希羽二人が元々自分達の苗字にしようと思っていたから。
二人は孤児院の孤児であり、祈羽に至っては名前すら付けられず、赤ん坊の頃道端に捨てられていたところを桜山が孤児院へ連れていきちょくちょく孤児院に顔を出していたら自分の子同然に思えてきた。
(名をつけてあげようとしたがつけた名で呼んでも反応せず、他の者でも同じだったため、名を決めかねていた)
その一年後に友人の妻がなくなったことを知り、天涯孤独となった希羽を引き取り同じ様に孤児院に連れて行ったところ祈羽が希羽に興味をしめし、本当の姉妹のようになった。
希羽は元々空という名前だったけど、岩神に合わないから羽にも空という意味があるから希羽となった。祈羽も希羽と同じように決まった。
どちらも何か(夢)を願う・希望、自由に伸び伸びとという意味合いが込められている。