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加藤良介 エッセイ集

ナーロッパの設定資料

作者: 加藤 良介

 あくまでも私個人のナーロッパ感であることをご了承ください。

              初めに


 小説家になろうにおける異世界転移、転生先の世界についての考察及び設定について書いていきたいと思います。

 これから、ナーロッパを舞台に小説を書いてみたいという方の、指針の一つになればいいなぁと考えています。

 まず、呼び名である「ナーロッパ」ですが、これはハッキリと言って蔑称です。

 馬鹿にされる要因を一言で言うと、設定がガバイからです。

 よく考えていない。

 主人公に都合がよい。

 そして何より作者にとって都合がよい世界観だからでしょう。

 しかし、これも、時と共に蔑称ではなく正式な呼び名となると考えます。

 本屋に行くとラノベコーナーがありますが、ラノベとは本来「軽薄で知性の欠片もない、しょうもないノベル」という蔑称でしたが、ラノベの認知度、内容の充実により正式名称となりました。

 今、ラノベと呼んでも、馬鹿にしたニュアンスは感じられないでしょう。

 ナーロッパも内容が充実すれば、その域に達するでしょう。

 では、前置きはこれぐらいにして、ナーロッパとはどんな世界か探検してみましょう。



 ① 中世ヨーロッパ風世界


 ナーロッパとは基本的な時代設定は中世ヨーロッパをベースにしていると言われます。

 歴オタの私といたしましては、中世と言うよりも近世のような気がいたしますが、歴史に興味のない方にとっては些細な問題でしょう。

 日本や中国、インド、アラビアなど、歴史の積み重ねの深い世界は数多くありますが、それらは滅多に採用されません。

 ナーロッパと言えばヨーロッパであると言えます。

 具体的に言うとめっちゃフランス的。

 このヨーロッパ風という世界観は、それまで積み上げられたファンタジー小説の中央値を採用しているからだと思われます。

 ベースとしてはトールキンの「指輪物語」を外すわけにはいかないでしょう。

 すべてのファンタジー小説のご先祖様と言ってよい作品です。

 エルフ、魔法、魔王などと言った設定はこの作品からの流用、変化で構成されています。

 その圧倒的なまでの完成度の高さのために、後世の我々も使わせていただけるわけです。

 トールキンまじで神。



 ② 剣と魔法の世界


 これは、ファンタジー世界のお約束です。ファンタジー世界の亜流であるナーロッパもこの系譜を継いでいます。

 ナーロッパの人々の武器は基本的に剣や槍、弓矢などといった原始的な武器が主流です。

 間違っても銃火器を出してはいけません。

 世界観が壊れると言うのもありますが、銃火器の威力は強すぎます。原始的な火縄銃ですらプレートアーマーを簡単に貫通いたします。人体は・・・・・

 銃火器は人類から勇者を奪った張本人です。

 その代わりと申しますか、ナーロッパには魔法が存在いたします。作品によってはスキルと呼ばれる魔法の亜種などの場合もありますが、要するに現実世界では起こらない超常現象が一般的に認知された世界です。

 作品にもよりますが、核爆弾並みの力を持った魔法も存在いたしますが、使える人材は限られるので、問題としては銃火器よりは小さいでしょう。

 銃の欠点は、簡単な訓練で子供でも歴戦の勇者を殺害できる点にあります。

 銃は歴史学的に見ても中世と近世とを分ける大きな要素です。銃が出てこないから中世とすら言えるでしょう。

 例外があるとすれば、生産性のない個人装備のみ可。

 これなら、本質的には聖剣エクスカリバーと同じものですからね。

 

 

 ③ 武器の力が強い


 ここが、なろう以前のファンタジー小説との違いでしょう。

 銃は駄目だと言いましたが、ご安心ください。なろうでは手持ちの武器の力が極めて大です。

 一刀のもとに敵を切り伏せるのが基本で、すべての剣が妖刀村正並みの切れ味です。

 ここに、突っ込みを入れるのは野暮ですので、見て見ぬ振りが大人の対応でしょう。

 この現象の理由付けとして、魔法の剣や、使用者のスキルなどと言った説明がされることも有りますが、誰も気にしていないのでスルーでも構いません。

 聖剣などになると、絶大な威力を持った広範囲遠距離攻撃なども出来る様になります。

 ただ、聖剣などは本数が限られた上に、使用者も同様に少ないので、社会変革を起こすまでの力はありません。安心して使いましょう。



 ④ 魔法、スキルの力が強い


 ほぼ、何でもありなのが、ナーロッパにおける魔法とスキルです。

 神様みたいな力をお手軽にゲットできます。

 何故そんな力があるのか、とくに設定を考える必要もありません。それが、なろう。

 考えても構いませんが、サラッとでいいでしょう。読者もあまり求めていない要素かと思われます。

 魔法の設定を考えだすと、理屈っぽくなります。不思議な力を無理に体系化する必要も無いかと思われます。ただ、これが、出来ると作品の完成度は格段に上がるでしょう。

 ナーロッパは卒業です。

 オラオラ系や俺Tueeeeee系では必須の力ですが、バランスを考えないとストーリーが行き詰まりますので、ご利用は計画的に。



 ⑤ ホモ・サピエンス・サピエンス以外の人類がいる


 残念ながらリアルの地球には、我々ホモ・サピエンスしか人類として存在していませんが、ファンタジー世界ではエルフや亜人、魔族といった他の人類が存在いたします。

 ここが、ファンタジー世界の醍醐味と言えるでしょう。

 敵であれ、味方であれ基本的には意思の疎通が可能で、なんなら交配も可能です。

 我々、現行人類の中にも、ネアンデルタール人の遺伝子が残っているので、あながち荒唐無稽とも言えないでしょう。どんどん出しましょう。

 ナーロッパの欠点といたしまして、人類以外の種族の設定が適当であることが言えます。

 人間に猫耳とシッポが生えただけで、それ以外は人類と全く同じの亜人は、亜人として失格でしょう。独特の文化を考えるべきです。これが出来ると作品のレベルが一つ上がります。

 ここは、手を抜くべきではありません。

 独自設定の作成になれない内や、設定を考えるのがめんどくさい場合はトールキンの「指輪物語」の設定を〇パクリするのが楽です。

 この設定を踏襲していれば、どこからも文句は飛んできません。

 仮に飛んで来たら「君は指輪物語も読んだことないのかよ。笑笑」と煽ってあげましょう。貴方が勝ちます。それほどまでにトールキンの設定は、共通認識になっています。



 ⑥ モンスターが存在する


 害獣=モンスターという認識でOK

冷静に考えると、野生動物であるのですが、人間の生活に害を与えることが多いので駆除の対象です。

 狼や虎、ライオンなどもかつては駆除対象でした。今の日本で例えるなら、熊とか鹿、変わり種だとアライグマ、マングースなどがモンスターに該当するでしょう。

 アライグマ。マジで狂暴。

 間違って狸を駆除しないでね。狸さんはとっても無害だよ。

 作品によっては骨や皮、肉などを利用するのでお話に組み込みやすいです。

 どんどん出しましょう。

 ここで、生態系に思いを馳せると作品のレベルがぐんと上がります。腕の見せ所と言えます。



 ⑦ 冒険者ギルドという謎の組織が存在する。


 ナーロッパでギルドと言うのは職業組合ではなく、人材派遣会社であることが多いです。

 先に書いた、モンスターの駆除などをここに依頼すると、日雇いの人たちが助けに来てくれるシステムです。

 依頼人から依頼料を受け取り、依頼を受けたい人に仲介し中間マージンを受け取るのがビジネス・スタイルです。依頼が多ければ多い程、繁盛するでしょう。

 中々、現実的と申しますか、世知辛いシステムです。

 このシステムの原点はどの作品なのでしょうか。TTRPGの時代からあるシステムではありますが、元ネタが謎です。

 ウィザードリィかウルティマ辺りなのかな?

 そうなると、冒険者ギルドの原型は酒場兼宿屋と言う事になるかもしれません。

 ただの寂れた酒場を、冒険者ギルドまで成長させるサクセスストーリなど、ありだと思います。

 どうです。一筆。



 ⑧ 冒険者と言う謎の職業が存在する。


 ギルドで依頼を受ける人たちの総称として呼ばれることが多いです。

 基本的には依頼ごとに契約する、日雇い人夫の人たちで、経費は自分持ちで依頼をこなします。

 自分の力量に見合った仕事をいかにこなすかという、中々に難しい個人事業主ですね。

 名声や実績が上がるとギルドから、より高難易度、高収入の依頼を斡旋してくれるようになります。ギルドによっては階級制度を採用している所もあります。

 階級が上がると冒険者ギルドも様々な点で優遇してくれるので、冒険者になったらランクを上げることを心掛けなくてはなりません。

 冒険者と言いますが、基本的には冒険はしません。冒険すると簡単に死にますからね。

 突撃砲で突撃してはいけないのと同じ理屈になります。



 ⑨ 政治形態は封建制度


 中世ヨーロッパを真似して王様や貴族がいる世界観です。

 ただ、歴オタの私から見ると、封建制度ってめっちゃ複雑で難解な政治形態です。

 因みに封建制度と言うのは、ヨーロッパ、古代中国、日本でしか存在せず、世界的に見ても珍しい政治形態です。アラビアにも似たような政治形態はありましたが、封建制度かと言われると微妙。

 ナーロッパでの封建制度は超テキトーです。

 適当で構いません。

 これをガチでやろうと思うと、勉強しなくてはなりません。

 ですので、これだけは押さえておきましょう。


 ・王様がいます。

 ・貴族がいます。

 ・騎士がいます。

 ・全員、権力基盤は領地です。

 ・それぞれの仲は基本的に悪い。(王様と貴族、貴族と騎士、王様同士、貴族同士、騎士同士)

 ・トラブルが起こると自力救済。(相手をぶっ〇して解決)


 これだけ押さえておけば、封建社会の完成です。

 王様の力が強すぎると、中世ではなく近世になります。絶対王政とか学校で習いましたよね。あれは、中世ではありません。

 強い王様を出したいのであれば、相対的に貴族や騎士の力は下げましょう。具体的に言えば領地貴族の数を削減して、官僚的な法服貴族の数を増やしましょう。この人たちは、なんちゃって貴族です。権力は領地からではなく王権から受けています。



 ⑩ 宗教勢力が弱い


 ここが、私がナーロッパを中世か? と考える最大の要因でしょう。

 ナーロッパでは宗教の力がめっちゃ弱いのが定番です。

 恐らく宗教の知識が足りないので、書けないのでしょう。

 日本人だからしょうがありません。

 しかし、中世では宗教がめちゃくちゃ強いです。

 古代中国の封建制度では体系化された宗教が未発達であったので例外ですが、ヨーロッパや日本での中世では、宗教が世俗権力を上回る力を持っていました。

 「教皇は太陽、皇帝は月」と叫んだ。イノケンティウス三世が典型例でしょう。

 正確には「月が太陽の光を受け,太陽に量も質も,位置も力も劣るごとく,君主は教皇の権威からその威光の輝きを受けている」だそうですが、圧倒的と言っても良いでしょう。

 逆に考えると作品内で、強力な宗教勢力を出すと、それだけで特色になるでしょう。

 但しローマ・カトリックや日本の寺社勢力の勉強が必須となります。

 (;´・ω・)ややこしいよ。

 出す場合、間違っても宗教勢力の政治権力を打破してはいけません。それは、世界の終わりと同義です。個人攻撃に留めましょう。

 宗教勢力の力が強い=中世と言っても過言ではありません。

 ややこしい、宗教勢力が弱いのがナーロッパの良いところかもしれません。

 


 ⑪ 皇帝は出しては駄目


 ナーロッパの世界で皇帝はNGです。

 王様の上が皇帝と安易に考えがちですが、とんでもありません。

 皇帝は帝国の支配者です。帝国は本質的に中央集権国家体制でその頂点に君臨するのが皇帝です。

 王様とは持っている権力の桁が違います。

 皇帝には二つの種類があります。ローマ型と中国型です。変化球としてハーン型というのもありますが、どちらにしろ中央集権国家体制です。(日本の天皇陛下は皇帝と言うよりも天皇というシステムだと思います)

 この社会は法律が整備され、軍隊が整備され、納税システムが整備されています。

 非常に完成度の高い社会ですので、相当に世界観を作り込むか、ローマ、中国のシステムを〇パクリしなくてはなりません。どちらにしろ難易度か非常に高いです。

 強い王様は皇帝ではなく大王です。

 ヨーロッパに神聖ローマ帝国と言う国がありましたが、あの国は「神聖でもなくローマ的でも無く、ましてや帝国ですらない」と言われた国です。

 あの国を例に皇帝を創作するのなら大丈夫だとは思いますが、神聖ローマ帝国の歴史を勉強しなくてはいけません。一言で言うと複雑怪奇です。

 作品で封建社会を設定で使うのでしたら、皇帝は出してはいけません。あれは違う世界の生き物です。



 ⑫ 意外に貨幣経済


 ナーロッパでは銅貨、銀貨、金貨といった貨幣が流通しています。

 とっても先進的。

 元来。貨幣経済と封建制度は相いれませんが、そこ辺りはスルーいたしましょう。ただし、分かった上でスルーするのと、分からないままスルーするのは意味が違います。

 日本が完全に貨幣経済に移行したのは明治からです。

 それまでは、金、銀、米の三貨幣制度です。

 封建社会は土地に根付いた経済で、必ずしも貨幣を必要としないのです。物々交換で成り立つ経済になります。貨幣経済の発展が封建社会を破壊した歴史的事実を認識しましょう。

 普段の生活では金貨は使いません。というか額面が大きすぎて使えません。出したらアシタカと同じ目にあいます。

 銅貨や銀貨を使いましょう。

 両替商を設定すると作品によりリアリティーが出るでしょう。

 この辺りの設定の勉強は、傑作「狼と香辛料」をお読みになる事をお勧めいたします。楽しく学べてストーリー、キャラクター設定も二重丸。

 為替や手形の設定もした方がいいかも知れません。

 大金を持ち運ぶのに四次元ポケットを使わなくても済みますよ。



 ⑬ 四次元ポケットがある


 たくさんの荷物を運ぶための設定としてナーロッパには四次元ポケットが存在します。

 やるなとは言えませんが、ご使用は控えられた方がよろしいでしょう。

 そんなアイテムがあるのなら、危険な冒険者ではなく運送業をされた方が莫大な財産を築けるからです。

 運送業の収益を舐めてはいけません。毎日ドラゴン一匹分の収益が見込めます。

 中世ヨーロッパで絶大な経済力と文化力を誇った海の共和国「ヴェネツィア」「ジェノバ」「ピサ」「アマルフィ」は、全て交易商人と言う名の海の運送業者たちが作った国家です。

 ヴェネツィア共和国などは、単独でフランス王国や神聖ローマ帝国などという列強相手に戦争し、勝利する力を持っていました。

 私が聖剣エクスカリバーと四次元ポケットのどちらかを選ぶかと言えば、四次元ポケット一択です。

 それほどのアイテムと理解いたしましょう。



 ⑭ ドラゴンが弱い


 ナーロッパでのドラゴンは空飛ぶトカゲ程度の強さです。

 ドラゴンはゴジラと同等の力が適当と考えます。

 ドラゴンが強いか弱いかで、その作品の重みが変わります。

 強くしましょう。

 「指輪物語」か「ロードス島戦記」に出てくるドラゴンを参考にすると良いと思います。

 めっちゃ強いよ。(。-`ω-)//

 国ごと焼き尽くしますからね。



 ⑮ 簡単に神様が出てくる


 作品によってはドラゴンより弱い場合もあります。

 それは、神様とちゃうで。不思議な力を持ったホモ・サピエンスや。安易に神様を名乗るのはやめましょう。

 出す場合は、絶対に抗えない理不尽な存在として出すべきです。

 人が抗えないのが神です。抗えた時点で、同次元の存在と言えるでしょう。

 それは、神ではありません。ただの不思議ちゃんです。ただの不思議ちゃんに勝ってもドヤれませんよ。

 もし、どうしても勝ちたいのであれば、主人公を神にするしかないでしょうね。

 ラグナロク作戦。(; ・`д・´)レディーファィ。



 ⑯ 人物の全ての能力が数字で表さられる


 なろうと言えば、これといった設定です。

 判りやすいという利点がありますが、あまりにもゲームに寄った設定です。

 ゲーム内転生ならともかく、ナーロッパへの転生では使わない方が利口でしょう。

 数字で表してしまうと、後で引っ込みがつかなくなることも有ります。そこ辺りは何となーくで乗り切りましょう。大丈夫。誰も気にしていません。

 使うとしても総魔力量などといったピンポイントで使うべきです。

 全能力の数字化は作者自身の首を絞める所業です。

 後、言っちゃ悪いですけど、頭がよろしくないように見えます。



 ⑰ 美少女奴隷がいる


 出すのは構いません。リアルに存在した人々です。

 ただし、その値段はべらぼうに高く設定いたしましょう。

 基本的に美人奴隷と言う存在を買うには、高い社会的信用が必要です。

 そこらの小金持ちには買えません。というか、一般人は商品を見る事すら叶いません。特別な紹介を必要とするでしょう。大金を持っていれば買えるという商品ではないという事です。

 また、競合相手は王様や上級貴族、大商人となるでしょう。

 彼らを押しのけて購入するのですから、相当の覚悟と権力が必要です。

 作品の冒頭で買うのは無理だと考えましょう。

 免許取りたてでフェラーリを買いに行くようなものです。

 ぶつけて破産するのがオチでしょう。

 奴隷商人はある意味でマンウォッチーのプロです。少女であっても将来美人に成るか成らないかには敏感です。年端も行かない少女であっても美人であれば高値を付けるべきです。そうでないなら格安です。

 結局顔かよ。(;´・ω・)世知辛いなぁ。

 成功して、金と権力が有り余っているのならご自由に。



 ⑱ 一夫多妻制


 たくさんの美少女をはべらかすのがナーロッパの流儀ですが、キャラの個性が弱まるのでお勧めいたしません。

 個性を強めると、作品の身動きが取れなくなることが多くなるでしょう。

 出しても二人までにしましょう。

 「ヱヴァンゲリヲン」の綾波とアスカが良い例になるかと思います。

 仮に、リアルでたくさんの女性とお付き合いできるバイタリティーがあるのであれば、良いでしょう。

 おら、無理だぁ(;´・ω・)羨まし。



 ⑲ 意外に男女同権


 なろう作品の女キャラの扱いは割と酷いですが、ナーロッパの世界観的には比較的男女同権。

 これは、書き手と読み手の共通認識ですから突っ込むのは野暮でしょう。

 むしろ、褒めるべき要素かもしれません。

 また、男尊女卑やその逆の社会システムを構築して、上手く料理できれば作品の特色にもなります。



 ⑳ 敵が敵として機能していない


 ナーロッパが薄っぺらいのは、主人公側から見た世界しか描かれないからです。

 敵を設定したのであれば、敵の内面も考えましょう。

 必ずしも描写する必要はありませんが、考えないのは駄目です。

 世界を滅ぼす魔王がいるのであれば、彼の行動理念を設定すべきです。

 なんとなく。核弾頭を発射する大統領はいないはずですからね。(。-`ω-)多分。

 核弾頭をぶち込むのならその後の展開があるはずです。魔王にも世界を滅ぼした後の展望が必要です。

 「人類を全滅させて魔族だけの世界にするんだ。あいつらは滅ぼすべき敵だぁ」で構いません。

 ここはしっかり考えましょう。

 なんとなぁーく。意味も無く攻めてくるのは駄目。

 


 ㉑ 個人で組織を破壊できる


 ナーロッパで良く見る光景です。

 大きな力を持った組織を個人の力で粉砕するのは、気持ちがいいのでやりたくなるのは分かりますが、その後の展開を考えるとやめた方がいいでしょう。

 一言で言うと、ナーロッパが「アラブの春の後の世界」になってしまいます。

 絶大な権力を持った独裁者を撃破した後に来たのは、自由で民主的な世界ではなく、混乱と暴力と宗教原理主義者が支配する世界でした。

 私も遠くの日本から唖然としたものです。

 まさに想定外でした。

 ナーロッパで強大な組織を粉砕する場合は、受け皿をしっかりと考えましょう。

 魔王を殺したら、統制の取れなくなった魔族が各地で暴れまわるでしょう。勇者が一人で対処していたら過労死待ったなし。異世界転生してまで、過労死したら報われません。

 悪即斬では、世界は平和にならないという事です。

 こじ付けでも良いので考えましょう。



 以上21項目が、私から見たナーロッパの世界です。

 今は、馬鹿にされる存在ですが、自由で柔軟な世界とも言えます。

 練り込んでいけば、クールジャパンの一角を担える潜在力を感じています。

 この手の世界観は、一神教の方々には無理だと思いますね。

 リアルの知識を絡めた上で展開していけば、今のような蔑みも減るでしょう。

 偉大な作家の力でもいいですが、不特定多数の無意識的共通認識から生まれる方が日本的でいいなぁと考えます。



                終わり

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。


 ご意見、ご感想、こんなのもナーロッパだよ、と言うものございましたらお書きいただけると嬉しいです。基本的に返信しております。

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とてもわかりやすくまとめられていて、自身の創作を見直すことができてありがたいです。 稚拙な作品を作らないよう頑張ります!
安心して使いましょうwww ナーロッパはどこまでいってもナーロッパにしかならないんじゃないかな なろう系は、一ジャンルとして確立したと思っている
作者さん神やなぁ…(ナーロッパブリカスの中短編小説各参考にさせていただきます)
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