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格闘ゲーマー迷宮入りの推理奇譚  作者: 秀島キョウ/師走幸希
優勝記録詐称エス・オー・エス編
16/26

Final Round

 10日後。

 前と同じゲーセン、同じ時間帯に顔を合わせたケイブと迷宮入りは通称「イノセント高橋」事件の結末について自然と感想戦をしていた。

 思った以上の展開になったのはあれから一週間後。

 イノセント高橋が出場した大会事態は実際に存在したが、イノセント高橋が出場した記録はなかった。記事発覚の翌日に「俺いつ取材受けたかな?w」と当該大会優勝者の日本人がつぶやいたこともあり、一部の人間がイノセント高橋の勤める市役所に連絡。すると、記事から一週間後に同じ地方新聞に小さい謝罪記事が出た。

 問い合わせを受け市の職員が臨時職員の高橋を問い詰めたところ嘘が露呈。

 見栄を張るために仲間内でついた嘘であったがそれを真に受けた上司が呼んだ取材に嘘をつき通しただけであったことが分かった。

 この件を受け、市は次回の雇用継続にて打ち切ることとした。それがイノセント高橋事件の結末であった。


「くだらないですよね、見栄を張るために実績をでっちあげるだなんて。迷宮さんもそう思いません?」


 何食わぬ顔で話を聞いていた迷宮入りであったが、自身の体験したDIE5LOW監禁事件をつい思い浮かべ、こう言った。


「そうだね。他人に自慢したいという思いは誰にでもあるし、こういった炎上が良いとは思えない。自業自得だけど。でも、誰か人死にが出るような話と比べると平和なものだよ」


「何言ってんですか、当たり前じゃないですか」

「そうだな、当たり前だよな」


 当たり前の重みを噛みしめながら、迷宮入りは一人深く頷いた。

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