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第十七話・「かもな」

 授業終了のチャイムとともに、ウメは素早く荷物をまとめ、いち早く教室を出て行く。俺は隣の席でウメを横目に見ながら、ウメの唇が紡いだ言葉を思い出す。


 ――…………パパ。


 潤いのある口唇がわずかに開かれ、暗闇の中でも鮮烈に俺の目に焼き付いた。

 誰とも関わりを持たず、必要以外は、かたくなに沈黙するウメという少女。人々は彼女をクールビューティーと呼んだ。

 木漏れ日を浴びた清流のように美しい黒髪は腰の辺りまで伸び、日本人形という上質の形容すら当たり前のように思わせる風貌。冠に、小さい、という言葉を用いることで、彼女のほとんどは説明できる。小さい顔、小さい鼻、小さい口、小さい体……おおよそ女性の平均値を下回っているその風体。もちろん、その中にはデメリットも含まれている。例えばそう……胸の小ささとか、声の小ささとか。もちろん、前者にはそれなりに需要があり、教室内の男子にアンケートをとれば、衆議院で賛否がまっぷたつに割れた郵政民営化法案のように、声高に持論を叫ぶだろう。

 そんな世捨て人然とした山田ウメが、パパとつぶやいたのだ。それも寝言で。

 ウメがどんな夢を見ていたのか気になる一方で、彼女が放課後になると煙のように教室から忽然と姿を消す理由も、十分気になった。

 そこからむくりと起き上がる疑問の芽。

 赤色と青色を混ぜると紫色になるように、二つの気になる項目を混ぜ合わせると、全く新しい色、憶測が生まれた。


 ――放課後とパパの関係。


 俺の思考回路がその結論を導き出すまで、ものの一分とかからなかった。

 そういう動機で発案、一瞬で可決されたウメ追跡ミッション。

 ……第二回。


「先輩先輩先輩……」


「なんだなんだなんだ」


 校門を抜け、駅に向かう下り坂をウメが下り始めたところで、俺は電信柱に身を隠した。背中には、背後霊のように付き従う部下、杏里の姿があった。


「あのですねあのですねあのですね」


「言うのは一回で十分だ言うのは一回で十分だ言うのは一回で十分だ……ハァ……ハァ」


 息切れした。


「……ハァハァっていやらしいです。それじゃ先輩が普通の男の子みたいです」


「いや、普通の男の子だが」


「飛べない男は、ただの男ですよ!?」


「いや、構わないんで。ただの男で」


 ウメが横断歩道で信号待ちをする姿を、路上駐車する車の陰に隠れながらうかがう。腕時計を頻繁に気にしているウメの姿からは、焦っている雰囲気が読み取れた。杏里には視線もくれず、俺は揺れるウメの髪の毛に注視する。放課後の光を浴びて、きらきらと輝いていた。

 時間を気にしているそぶりを見せながらも、信号をきっちりと守っているところは、規則正しいウメらしい。社会に出しても恥ずかしくない立派な模範生徒だ。

 ……少し無愛想だが。


「むぅっ……あの女の子の尻をこっそりと追いかけるなんて、先輩はストーカーなのでありますか? 私の体じゃ満足しないんですか!?」


 危ない発言が俺の背後から飛び出し、俺は思わず車の周囲に視線を巡らした。


「体って言うな。だったらお前は俺のストーカーか?」


 なぜか、杏里の頬が桃色に染まる。


「そ、そんなこと……先輩の前で言えるわけないじゃないですか……もじもじ。こんな可愛いすぎて思わず抱きしめたくなるような後輩が、夜な夜な先輩を片思って五寸釘を握りしめているなんて……思わず頬が、ぽ、です」


 こめかみに手を当てながら、頭痛に耐える。


「やめろ、今すぐやめろ」


「ぽ」


「やめろと言っている」


「人間をでありますか!?」


「……辞めるか? 人間」


 俺が手首の準備運動を始め、指をぽきぽきと鳴らす。するとすぐに、犬耳杏里が小さな握り拳で自分の頭を叩いた。


「てへっ」


 ドジっ子的な演出。


「可愛い顔をしてごまかすな!」


 俺の怒りに反して、杏里はえさを与えられた子犬のようにすり寄ってくる。パブロフの犬を思い出した。


「先輩先輩先輩! 今のリピートです!」


 目を星空のように輝かせる。まなざしに込められているのは期待。


「あ、ああ……かわいい顔を――」


 瞬間、俺は気がついた。


「ブス」


「うわ……うあぁあぁ……っ」


「泣くのか!? 泣くのかっ!?」


 大粒の涙を目尻にたたえる杏里。目薬は持っていないようだから、これは自前の涙か。それにしても、涙腺の反応速度には舌を巻く。


「先輩が先輩が先輩がぁ……ブスって言ったぁ……」


「く……完膚無きまでに俺が悪いと思わざるを得ないのはなぜだ……!」


 車の陰に隠れている状況ですら道行く人には奇異に映るというのに、さらに泣かれでもしたら、始末に負えない。加え、心臓にもよろしくない。俺が考えに手間取っている間にも、大粒の涙は大きさと輝きを増す。今まさに目尻という名のダムが決壊しようとしていた。


「先輩ぃ……うっ……うぅ……ひぐっ」


「分かった! 分かったから、捨てられそうな子犬の目で俺を見るな! 一般の罪もない人々から人類史上最低の人間だと勘違いされてしまう!」


 杏里は見た目、平均値を軽く飛び越えるマスコット的な可愛さだ。そんな少女が、何の取り柄もない一般学生である俺に泣かされているのだ。周囲の同情は累乗の早さで、杏里有利に傾いていく。


「うっ……ひっく……ぐすっ……杏里は、使用済みのぼろぞうきんなんですね? すごく勉強した後の小指側の手のひらみたいに……真っ黒に汚れているんですね?」


 必死に勉強すると、確かにその部分が芯の黒さで汚れるが……って違う!


「あーったく! 悪かった! つい、いじめたくなっただけだ! それに、捨てるとか捨てないとか関係ないからな!」


 おそるおそる周囲を見れば、俺はアフターファイブを楽しむ人々から、鋭い軽蔑のまなざしをうけていた。痛い、これは痛い。人間性を否定される視線だ。


「本当……ですか?」


「本当だ、俺が今まで嘘をついた事があったか?」


「うう……うあぁあぁ……」


「冗談だ! 佐々木仁先輩のアメリカンなジョークだ! く、ぬぬ、大粒の涙はやめろ……女の最終兵器を使うのはっ……」


 大慌てで、もだえるように身振り手振り。そんなわざとらしい俺の説明でも、杏里は目尻を拭い、上目遣いに見つめてくる。薄い水の膜を帯びた目が、揺れながら俺に問いかけてくるのだ。この凶悪さは、手に負えない。


「だったら先輩……一つだけお願いがあるのです……」


「うっ……言ってみろ」


「杏里の頭をなでなでしながら、杏里に向かって、可愛いよ杏里、君は俺の太陽だ。そして俺は月のように君なしでは輝けないんだ。だからずっとその微笑みで俺を照らし続けてくれないか、愛しているよ……と笑顔で言ってください」


「一つ以上ある――」


「さもないと! 杏里は民衆を味方につけて泣きます。いわゆる一つの公開処刑です」


 俺の言葉を遮る杏里の言葉には、有無を言わせぬ迫力がある。私と仕事、その二者択一を迫られたカップルのようだ。


「こ、これは新手の拷問か?」


 空に向かってため息をついてみる。出来れば、この状況ごと飲み込んで欲しいところだ。


「ううぁう……うああぁあぁ……」


「問答無用!?」


「だったら、言ってくださいっ!」


 切実な瞳。杏里のつぶらな瞳が期待に揺れる。


「さぁ、先輩! もれなく杏里の頭をかしますのでっ!」


 頭を差し出す杏里からは、胸をくすぐる女らしい甘い香りがした。


「……か、かかか……かかか」


 ……可愛いよ、杏里。


 簡単じゃないか。

 心なんて込めずに、あっさりと言ってしまえばいいんだ。何をためらう必要がある。さっと言って、すっと終わらせればいいんだ。単純な話だ。難しくなんかない。これは演技だ。


 可愛いよ、杏里。


「か……勘違いするなゲス野郎」


 やってしまった。


「う、うあ、うああぁああん!」


「悪かった! 俺が悪かった! 嘘じゃないぞ! いやー、こんな後輩を持てて俺は幸せだな! は、はは……」


 汗が額からだらだらと流れ落ちる。通りを歩く人間が、一様にひそひそ話していた。

 構図で言うと、女の子を弄んだあげく、別れ話を切り出した男と言うところだろうか。いや、この周囲のひそひそ声は違う。聞き耳を立てるに、別れ話を切り出された男が、必死に女の子にすがる図だ。


「……ぐすん、本当ですね? 先輩」


「まぁ……嘘は言っていないつもりではあるような」


 ようやく泣きやんだ杏里が、未だ涙の残る目で俺にすがる。その汚れなき子羊のような目が、周囲の誤解を重力加速度的に増大させる。この後輩はそれが分かっているのだろうか。


「いいのですいいのですいいのです。杏里はけなげな女の子なのです。愛は耐えるものだとお母さんも言っていたのです! 傍若無人で最悪の夫でも、時々見せてくれる不器用な笑顔が全てを帳消しにしてくれるとも、お母さんは言っていたのです!」


「なんかそこだけリアルだな」


「リアルも何も本当のことですよ?」


 すっかり涙も消えてしまった杏里に、黙っていた俺の怒りの虫が怒り出した。


「……しかしながら杏里」


 演技なのか、自然体なのか分からない、子犬杏里の脳天にチョップを落とす。


「い、痛いです、先輩!」


「俺をもてあそんでくれた礼だ。おつりはいらん」


 頭に大きな絆創膏を貼る演出をしながら、杏里は頭を抱える。大きなたんこぶと、患部から煙が立ち上るのは、もはやお約束だ。


「うう……ドMな杏里でなかったら、国連安保理、正式名称国連安全保障理事会に訴えて――」


 間髪入れず、同じところに脳天幹竹割り。


「はうっ……杏里の決めぜりふを途中で遮りましたね? ロボットアニメの悪役だって変形、合体シーンで襲ったりしないのに……極悪非道のSぶりです、先輩」


「うるさいうるさいうるさい」


 俺は、もう知らん、とばかりに立ち上がる。


「あ、杏里の真似ですね? 嬉しいです先輩」


 俺の揚げ足を取る杏里に、俺は引きつった嗤い――笑い、ではない――を浮かべ、右手をわきわきとさせた。


「今宵の右手は血に飢えている……」


 杏里の額からしたたり落ちる一粒の汗。それは頬を伝って、あごに到達、アスファルトに吸い込まれていった。


「た、大尉殿! 目標をロストしたでありますっ!」


「誰のせいだと思ってる!」


 横断歩道にいたはずの目標がいつの間にかいなくなっていることに気がつき、大声を上げる。話題をそらそうという杏里の魂胆が見え見えなので、俺は大声を上げて魂胆を叩き潰した。

杏里は新しい言い訳、もしくは言い逃れを探そうと、脳みそをオーバークロックしていた。ああでもない、こうでもない、と大げさに百面相をする杏里を見ていると、俺はなぜか灰色のため息をつきたくなる。


 ……一瞬にして、俺は襲われた。


 依然として俺の心の奥に溜まり続ける、黒い液体。

 ため息は、一種の瘴気のようなものかも知れなかった。楽しいからこそ、その楽しい空気を汚そうと腹の奥からこぼれ出す。

 歓喜を冷静に。冷静を絶望に。


 ……楽しんでいいのか、と。誰かを犠牲にして生きているお前が、楽しげに笑って良いのか、と。


 黒い瘴気は、人の形に変形して、言葉を紡ぐ。いかめしい顔で、厳かに俺に告げてくるのだ。

 そのたびに俺の興奮していた心は冷え切り、言葉はブリザードのように体を凍えさせる。体の中では、コールタールのような黒い液体だけが縦横無尽に蠢き、俺を黒く染め上げようとする。


「……なぁ、杏里」


 そんな一変した俺の様子をすぐさま感じたのか、杏里はこれ見よがしに横断歩道の先を指さす。散歩に行きたがる子犬が、主人のリード線を強引に引くような肌触り。


「あ、先輩、繁華街の方かもしれませんよ?」


「杏里」


 杏里の声にあせりが混じる。


「まだ、あきらめるのは早いですよ」


「杏里、聞けって」


 俺と目を合わせようとしない杏里。


「早く行きましょう!」


「杏里!」


「嫌です、聞きたくありません」


 とうとう耳をふさいでしまった。俺はその手をやんわりと耳から引きはがす。


「俺に付いてくるなよ。これはお前の問題じゃないだろ」


 冷たく突き放すはずの俺の言葉に、杏里は追いすがる。


「先輩の問題は私の問題なんです」


「何のメリットもないんだぞ?」


 俺の言葉は、黒く冷え切っていたはずだ。なのに杏里は夕陽の橙色を浴びて、穏やかに微笑んでみせる。

 ……黒い液体が、ほんの少しだけひるんだ。


「先輩は、分かってないですね。杏里はドMなのです。身に降りかかる不幸は、大歓迎なんですよ」


「それはMっていわないだろ」


 杏里の笑顔につられて表情を崩した俺に、安心したような杏里。


「えへへ、だから、杏里は馬鹿なんですね」


 今一度、自分の頭を小突いてみせる杏里に、俺の心はざわついた。


「あのさ」


「何でしょう、先輩。そんな真面目な声出して、愛の告白ですか? わくわく」


 両手を合わせて、祈るように俺を見上げてくる。期待に充ち満ちたまなざしは、冗談を要求しているようだったが、俺にはそんな冗談は口に出せなかった。

 俺が今も大事にしまい込んでいる記憶の奥底から、まだほこりのかぶっていないフィルムを取り出す。映写機に取り付けると、きしむような音を立ててフィルムが回り出した。


「もし……」


 スクリーンには真っ白な長方形が現れ、大小様々なほこりが白いスクリーンに黒く拡大されて写り込む。やがて、上映までのカウントダウンが始まると、唯一の観客である俺は、中央の席でスクリーンを見つめ続ける。

 タイトルも無しに現れた風景は、小鳥のさえずりが爽やかな朝だった。階段を上るとんとんという小気味良い音に続いて、部屋をノックする音。


「もし、俺が……」


 訪問者は入室の可否を問わず慌ててベッドに向かうと、そこで布団をかぶる人間に近づいていく。白魚のような手が、丸まった布団に添えられ、柔和な唇が、笑顔とともに開かれる。


「朝起こしに来てくれって言ったら――」


 一番聞きたかったその声で。


 ――仁君、起きて。仁君ってば。


「行きますよ」


 俺は我にかえる。杏里の顔に焦点を合わせると、杏里の表情は、華やかな笑顔に彩られていた。


「杏里は、行きます」


 杏里が俺の右手を取り、まるで凍えた登山者のそれを溶かすように、両手で包み込む。

 温もりが、優しさが染みこんできた。


「先輩が朝食作れって言うのなら、作りに行きます。お弁当作ってこいって言うのなら、作っていきます。ジュース買ってこいって言うなら、買ってきます。杏里は先輩がしろって言ったら、するんです。馬鹿ですから」


 スクリーンの映像は、場面を変える。


「……俺が、もし」


 映像は、脱ぎ捨てたジャケットが人混みに紛れ、見えなくなるところから再開した。

 俺は、道路の反対側にいる少女に大声を届け、ガードレールを乗り越えて走り出す。少女の嬉し泣きがだんだんと近づいてくる。抱きしめようと腕を伸ばす。もう少し、もう少しで、少女の笑顔をこの腕に抱くことが出来る。


「死にそうな目にあっても――」


「杏里は、助けます」


 俺の言葉尻はかき消された。


「もしそれで、お前の命が――」


「先輩」


 テープが途中で断ち切られ、フィルムが空回る。スクリーンはホワイトアウトし、映像はそこで終わりを告げた。エンドロールもない唐突な終わり方でも、俺はいらだつことも、怒鳴り声を上げることもなかった。

 ……結末は知っていたから。もう何度も見続けてきた映像だったから。

 真っ黒な映画館がドロドロとした液体で濡れていた。気がつけば、座席もスクリーンも、映写機も、全てが重油のような黒い液体で汚されていた。

 でも、何かが違った。

 気配がして振り返ると、そこには小さな体躯の女の子がいる。


「愛、なんです」


 笑顔を浮かべた、子犬のような少女。


「理由はないんです。女は子宮で判断する生き物ですから」


 愛。

 目の前の少女が言ってくれた言葉の意味を、俺は理解できない。言葉は知っていた。辞書を引けば、すぐに見つけることが出来たし、言葉にしようと思えば、コンマ一秒で口に出来たから。


「……説得力のないヤツ」


 そんな深遠なところまで意味も分からない一文字の言葉なのに、その音は、なぜか俺をゆっくりと解きほぐしてくれた。意味も分からないのに、その音だけで癒されるなんて、あるのだろうか。


「それは女であることを否定するという意味ですかっ!?」


「かもな」


 俺は笑う。


「ひどいです! Mな杏里じゃなかったら、泣いて弁護士にすがるところです!」


「かもな」


 ミッション中止とばかりに、包まれた両手をほどき、来た道を引き返す俺に、杏里が叫んだ。


「先輩!」


「……ん?」


 俺は肩越しに杏里を振り返る。杏里の顔が今までにないほど、真剣味を帯びていた。自分のスカートを強く握りしめる手は赤い。

 俺はそんな杏里の顔に冗談を言うことも出来ず、心身の疲れを漂わせたまま、見つめることしかできない。


「杏里がもし、死にそうな目にあって」


 杏里の言いたいことが分かっていたから。


「先輩の命、杏里の命が天秤にかかってしまうようなことがあったら」


 だから、俺は思考を封印した。


「先輩は、杏里を助けてくれますか?」


「…………かもな」


 返答ですらない言葉に、杏里は複雑な表情を見せる。

 しかし、それも刹那のこと。杏里はスカートを握りしめる握力を解放する。


「目標は、駅前繁華街に向かった模様です!」


 無理に作った笑顔だって事はすぐに分かった。商店街を指さして、頬を強ばらせる。

 俺はその言葉にあきらめかけていた追跡を再開させることを決意する。無理にでも、そうすべきだと思った。


「よし、行くぞ! ミッション再開だ!」


 杏里が、そんな俺に敬礼する。


「サー、イエッサー!」


 横断歩道に設置された信号の青が点滅を繰り返す。急げとせかす信号の下、俺達は駆け足で渡るのであった。


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